レコードショップ奮闘記 ジャズとロックの中古レコード屋のブログ

2005年8月から始めた横浜上大岡の中古レコード店ビッグ・ビート・レコードです。 楽しいことや苦しいこと。 ご意見待ってます。

このアーチスト達にぞっこん!

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昔から聴いてるアーティスト、今でも活躍してるグループ、いつのまにか姿を見なくなったプレーヤー、感動させてくれたアーティストなどは数々あれど、この一枚ってのを独りごとします。 キング・クリムゾン? ローリング・ストーンズ? クラプトン? そんなのどうでもいいじゃないですか。 陽の当たらない、当たらなかったプレーヤーって取り上げたくなっちゃうじゃないですか。 ここでは参加ミュージシャン、曲名、レコード番号、録音日などは割愛します。
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フランク・イソラという腕利きのジャズ・ドラマーがいた。
磯田ではなく、イソラだ。
生まれは東部デトロイトで、1945年まで兵役、空軍のバンドで演奏している。
除隊後はカリフォルニアで学び、ボビー・シャーウッドのバンドで演奏、47年にはニューヨークでエリオット・ローレンス等のバンドで演奏していた。
その後、また西海岸に舞い戻りスタン・ゲッツ、ジェリー・マリガン等のバンドで演奏している。

イソラのこの一枚という演奏は探す方が難しいというよりも、西海岸の演奏家の作品を何枚か聴いていて、ふと気が付いたらイソラがドラムを叩いてたといった按配だ。

決して強烈な個性を放っていた訳でもないが、イソラのその頃の最上の演奏はジェリー・マリガンの「パリ・コンサート」が有名だ。

マリガン率いるピアノレス・カルテットが54年にパリで行ったライブを収録した作品で、そのときの熱気が聴衆の反応を通じて伝わってきます。

ブルックマイヤーとの絶妙なインタープレイを展開するマリガンの代表作ともいえる傑作なのです。
Bernie's Tune等、ここで聴けるバリトンとトロンボーンの軽快な演奏は絶品で、それをバックアップしていたのが骨太なレッド・ミッチエルのベースとイソラのドラムだ。

Gerry Mulligan/Paris Concert (pacific jazz)
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Gerry Mulligan (bars)
Bob Brookmeyer (valve tb)
Red Mitchell (b)
Frank Isola (ds)

Come Out Wherever You Are
Five Brothers
Laura
Love Me Or Leave Me
Utter Chaos
Bernie's Tune
Walkin' Shoes
Moonlight in Vermont
The Lady Is A Tramp
Utter Chaos

ライブならではのくつろいだ雰囲気のなかにもイソラの繊細なアプローチが聴き取ることが出来ます。
また、ライブということで録音はラフ気味ですが、ブラシ・ワークの繊細な強弱、控えめで性格で引き締まったバスドラのウラ打ち、ピタッと決まるハイハット・クラッシュ等そこかしこでセンスの良さとしっかりとしたテクニックが感じ取れる。

フロント陣にすれば、実に控えめで、耳障りになるところもなく、しかし的確なサポートと強烈なパルスを送り込む、デイブ・ベイリー同様にいわゆる玄人ウケするドラマーだろう。

もう一枚、モーズ・アリソンと57年に共演した「バック・カントリー組曲」という異色の作品もあります。
アリソンの得意としたピアノの弾き語り風の作品で、泥臭いブルースの雰囲気が濃厚な曲ばかりが収められている。

モーズ・アリソンというピアニストは白人にしては珍しくブルースの固まりのようなピアニストで、白人版アール・ハインズともいえ、後ちのトム・ウエイツ辺りにも影響を与えていることは間違いないでしょう。

アリソンの独特のアクの強い個性に応えたイソラのドラミングもパーカッシヴなフレーズを盛り込んだり、スネアの響き線を外して土臭い演奏をしたりと普段とやや趣きの異なった演奏をしている。

Mose Allison/Back Country Suite (prestige)
||[[attached(3)]]イメージ 3||
Mose Allison (p, vo)
Taylor LaFargue (b)
Frank Isola (ds)

Back Country Suite for Piano, Bass and Drums:
New Ground; Train; Warm Light; Blues; Saturday; Scamper; January; Promised Land; Spring Song;
Highway 49
Blueberry Hill
You Won't Let Me Go
I Thought About You
One Room Country Shack
In Salah

特に一曲目の「ニュー・グラウンド」ではピアノのブルージーな呼びかけに対してブラシ・ワークやシンバルを使って応えており、その雰囲気がまた絶妙で、たまらない。

本作はアリソンのデビュー作にして代表作で、SJ誌の幻の名盤読本にも掲載されるほどの完成度の高さだ。
ところどころに現れるけだるいボーカルもアクセント的な使われ方で、全体の雰囲気はまさにど田舎でのほのぼのとした鼻歌交じりのピアノ演奏であり、気負いは全く感じられず、まさに名盤といえるでしょう。

しかし、イソラは同じ57年に突如として引退してしまう。
80年代にはまたシーンに再登場したようですが、6年ほど前に亡くなっています。

さて、みなさんのお手元のアルバムの中で何枚にフランク・イソラのクレジットを見つけることが出来るでしょうか。
是非、探してみてください。
きっと彼の演奏が気に入ると思いますよ。

これらスタン・ゲッツの作品でもフランク・イソラのドラムを聴くことが出来ます。
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当初アトコ・レーベルから「Country Life」のタイトルでリリースされる筈だったのが、それまでの作品の売れ行きの問題からかレコード会社ともめ、急遽コロンビアから「D&B Together」のタイトルで72年に発売されたデラニー&ボニーのラスト・アルバム。
 
イメージ 2

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
本作リリース後、しばらくして二人は離婚してしまい、それぞれソロ活動の道に進みます。
 
キング・カーティス率いるホーン陣がごきげんな「I Know Something Good About You」等ゲスト陣も豪華絢爛。
 
デラニー&ボニーの既発ライブ盤でも聴けるDave Mason作の「Only You Know And I Know」、二人が尊敬する Ike & Tina Turnerが参加した「Sound Of The City」、エリック・クラプトンやオールマンの参加した曲等、アルバムとしての統一感は無いものの聴きどころは満載です。
 
 
特にカーペンターズがカバーして全世界的にヒットした Bonnie Bramlett/Leon Russell作の「Superstar (オリジナル曲名は Groupie)」は素晴らしく、この一曲で決まり!
離婚はボニーの浮気が原因なのかな。
 
尚、デラニーは2年程前に病気でこの世を去っていることもあり、ボニーの歌う「Groupie (Superstar)」を聴くとグッとくるものがあります。
 
当然、カーペンターズ・バージョンよりこちらの方が数段いい、というのは私だけ?? ま、聴いてやってください。
 
イメージ 1
 
74年にドキッとするようなピアノ・トリオの作品に遭遇した。
長らく名前を聞かなくなっていたケニー・ドリューの「ダーク・ビューティ」だ。

ピアノ・トリオの場合、ビル・エバンスとバド・パウエルはすぐにわかる。
しかし、それ以外のピアニストの場合、私の耳が詰まっているのか、誰なのかわからないケースが98%だ。

その「ダーク・ビューティ」でドラムを叩いているのはアルバート・ヒース。
作品に依ってはアル・ヒースと書かれていたり、アルバート・トゥーティ・ヒースとミドル・ネームを入れたものもあるが、すべて同一人物だ。
アルバート・ヒースはヒース3兄弟の一人で、パーシー・ヒース、ジミー・ヒース、そして末っ子のアルバート・ヒースだ。

サド・ジョーンズ、ハンク・ジョーンズ、エルヴィン・ジョーンズのジョーンズ3兄弟と比べたら多少見劣りするのはしょうがないか。

Kenny Drew/Dark Beauty (steeplechase)
||[[attached(2)]]イメージ 2||

Kenny Drew (p)
Niels Orsted Pedersen (b)
Albert Heath (ds)

Run Away
Dark Beauty
Summer Nights
All Blues
It Could Happen To You
Love Letters
Silk Bossa
Blues Inn

そのアルバートが叩くドラムの音がそれまで聴いてきたジャズ・ドラムの音とは全く違う。
一般的なチューニングとはまるで違うのだ。

その音を軽快と受け止めるか、それともダメだしするか。
あるジャズ・ファンは「ダメだ、ダメだ、こんなバタバタした音はジャズ・ドラムじゃないよ」と耳を塞いでしまう。

「イエス」というプログレッシヴ・ロックのグループでドラムを叩いていたビル・ブラッフォードの叩く音はアル・ヒースの音に近い。
71年にリリースされた「こわれもの Fragile」という作品で既に「タンタンタン」というかなり絞ったチューニングでロック・ファンを驚かせていた。
「イエス」の「こわれもの」はビル・ブラッフォードの絞りに絞ったドラムがあったからこそ至高の作品になった。

ケニー・ドリューの「ダーク・ビューティ」は賛否両論となってしまったのは何故か。
ジャズ・ファンには保守的なファンが多いし、ロックのように新しい音の注入を受け入れない土壌があると考えられる。
それはまるで相撲協会のようなものかも知れない。

注)ここだけの話。 ジャズ喫茶で「ダーク・ビューティ」をリクエストするつもりがマイルス・デイビスの「ブラック・ビューティ」を間違えて何回かリクエストしてしまった苦い過去がある。


マギー司郎は茨城出身で、マギー審司は宮城出身だ。
司郎も審司も手品師で、どちらも訛ってる。
ふたりともマギーが名字だからややこしい。

マギー司郎の師匠というのがマギー信沢といって正統派のマジシャンだったらしい。
で、マギー司郎はネタばらしから始める変則派の手品師で、「縦ジマのハンカチを横ジマにする」「麦茶をウーロン茶にする」等のインチキ手品を行う。

「うちの近所の八百屋のおかみさんに評判なんだけど」とか「どこそこの百貨店に行けばこれは売ってる」とかと観客を欺いて笑わせる。
観客も手品を見るよりも、その話術を楽しんでいるようで、手品師というよりもペテン師に近い話術氏とも思える。

マギー信沢を始祖とするマギー一門というのがあり、マギー司郎を筆頭に弟子はみんなマギーと付くからややこしい。
マギー一門のマギーはドイツ語の「不思議な」からきてるらしいが本当だろうか。


「ミー・アンド・ボビー・マギー」はカントリー・ロック界で活躍したクリス・クリストファーソンの69年のヒット曲。
クリス自身のデビュー・アルバムにも収録されているが、ジャニス・ジョプリンがカバーして大ヒットした。
ジャニス・ジョプリンの代表作「パール」に収録されています。

「パール」はジャニスの理想とした新しい5人組グループ、フル・ティルト・ブギーと70年に録音したが、残念ながら完成間際にジャニスが死亡したことで遺作となっています。
作品は全米No.1に輝く等、まさにジャニスの代表作です。
作品には「ジャニスの祈り」、「ハーフ・ムーン」など黒人よりも黒人らしい歌い方をするジャニスの素晴らしい曲が並んでいる。

40年も前の、その時代の時代背景や伝説的に語られるジャニスのカリスマ性を差し引いたとしても曲のクオリティの高さ、そして何よりもそこに刻み込まれた歌唱の凄さがそれまでのジャニスを知らない新しいリスナーをも虜にするのでしょう。
60年から70年代という時代は今では当たり前と思われている新しい様々なカルチャーが台頭しだした時代。

また、反戦、反社会、という巨大なものに立ち向かった若いパワーが渦巻いた時代。
ふと一段落して振り返ってみたらジャニス自身も大企業コロンビアから作品をリリースしていた。
長いものには巻かれろということか。

ジャニスは激動の60年代を生き抜き、冨と栄光を手にしたが彼女の歌う歌は不変だった。
安住の地の如きバンドを手に入れた彼女のこれからを誰もが期待したが彼女の歌の魂は60年代に終わってしまっていたのだろうか。


Me and Bobby McGhee

Busted flat in Baton Rouge, waitin' for a train
And I'm feelin' near as faded as my jeans
Bobby thumbed a diesel down just before it rained
It rode us all the way into New Orleans

打ちのめされた気分の私はバトンルージュで列車を待っていた。
私は色あせたジーンズのような気分だった。
一雨降る直前にボビーは親指を立てて一台のトラックを止めた。
トラックの行き先は目指すニュー・オリーンズだ。

ビル・エバンスの傑作といえばリバーサイドから発売された59年録音の「ポートレイト・イン・ジャズ」、61年録音の「エクスプロレーションズ」そして「ワルツ・フォー・デビー」と「サンデー・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード」の四枚でしょう。

もちろんこの四作には天才スコット・ラファロと後にキース・ジャレットと長きにわたってコンビを組むポール・モチアンが参加しているのもポイントで三位一体が成しえた成果です。
その傑作「ポートレイト・イン・ジャズ」を吹き込んだ半年以上前にエバンスは重要な作品を吹き込んでいます。
それがマイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」とビル・エバンス自身の「エブリバディ・ディグス」です。

「エブリバディ・ディグス」の共演者は名手サム・ジョーンズとジャズ・ドラマーの第一人者フィリー・ジョー・ジョーンズという超強力なリズム隊です。
もちろんサム・ジョーンズとフィリー・ジョー・ジョーンズにとってはいくつかのセッションのうちのひとつのセッションにすぎず、ラファロ=モチアンのコンビに関してはビル・エバンス・トリオとしてのオリジナリティに満ちたサウンド作りを念頭においての演奏の違いは当然あります。


「エブリバディ・ディグス」での「ピース・ピース」という曲でのエバンスのプレイが非常に重要だったりします。
エバンスのハーモニーの反復による、消えゆく音と引き伸ばされた時間を基本にしたこの曲にはある種音響的な意図が隠されています。 素材としてのピアノの音そのものに対するエバンスの即興的なアプローチは今後彼が吹き込むであろう「ポートレイト」を暗示させるようなタッチが見え隠れしています。

もちろん「ヤング・アンド・フーリッシュ」、「ホワット・イズ・ゼア・トウ・セイ」のような典型的なバラード曲のみならず、ミディアム・テンポの「テンダリー」のシンプルで音の余韻を生かした優しいグルーヴ感にも心を奪われる訳で、ちょっとしたイントロやさりげないエンディングの仕方が素晴らしかったりもします。

で、「ポートレイト」への橋渡し的なサウンドのそのひとつのわかり易い成果はマイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」の冒頭を飾る「ソー・ホワット」のエバンスによる張り詰めたイントロです。 緊迫感みなぎる「ソー・ホワット」のイントロ部分は当然マイルスとの共同作業で得たものであることは間違いなく、そこでの手法は「ポートレイト」以降の作品にも散りばめられています。


もちろん「エブリバディ・ディグス」の「ナイト・アンド・デイ」やフィリー・ジョーの挑発に対して嵐のようなパッセージを弾く「オレオ」、ストレート・アヘッドな「マイノリティ」といったアップ・テンポも素晴らしいが荒削りであったり、試みとしてのとびきりの新しさは発見出来ない。
それらの曲でのサム・ジョーンズとフィリー・ジョーは水を得た魚のような演奏を聴かせるが、それは絵画でいえば油絵のような色彩で、エバンスが目指していた水彩画のタッチとは異なる気もします。

「カインド・オブ・ブルー」裏面にビル・エバンスは次のような面白い記述を添えられています。
「日本には自然発生的な技術を要する絵画がある。
画家は薄い、今にも破れそうな用紙に墨汁で常に乱れの無い、自然なストロークで絵を描く。
それは消去や上塗りが出来ない。
画家は表現したいものを指先に常に正しく伝えれるように反復練習する。」


「エブリバディ・ディグス」から始まった挑戦が「ポートレイト」で結実したということかも知れません。


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