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1968年に公開された「2001年宇宙の旅」はアーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリックが製作したかつてなかったようなSF映画だ。 壮大な映画であったから上映当時はパノラマ映画として一部の映画館でしか上映されなかったのでリアルタイムには観ることが出来なかった。 また内容が哲学的であったり抽象的な場面が多かったりで、難解な映画だから若い頃に観てもたぶん退屈で途中で席を立っていたことだろう。 今や人はスペース・シャトルなどで宇宙に飛び出すというこの映画を部分的になぞった進歩を遂げている。 この映画を今、再度観たら人はどんな感想を抱くだろう。 やはり古臭さを感じるのだろうか。 人が宇宙への憧れを持ち始めた60年代はロックに関していえばとてもめまぐるしい時代だった。 特に60年代後半はといえばクリームを筆頭に新しく生まれる新鮮な音をまだ10代だった私は貪欲に吸収していった時だった。 巷では「ニューロック」であったり「アートロック」というロックの最も新しいと思われるカテゴリーをレコード会社がリスナーに提供していた頃だ。 CCRやキャンド・ヒートまでもが「アートロック」のカテゴリーに入っていたのは今から考えたらレコード会社もひどいことをしたものだ。 その頃のビートルズは新しい音の模索に行き詰まり空中分解したかのようにも思える。 ビートルズの失速に代わって68年にセンセーショナルに登場したのがレッド・ツエッペリンだった。 ロバート・プラントのボーカルはスティーヴ・マリオットの真似じゃないかと訝ることも出来たがマリオットのブルースの枠を超えたボーカルがプラントにはあった。 ジョン・ポール・ジョーンズのベースは重く、知性を感じさせ、ジミー・ペイジのギターの音はかつて聴いたことの無いようなハードで新鮮な音でリスナーを釘付けにした。 そしてジョン・ボーナムの重量感溢れるダイナミックなドラミングには全てのリスナーが衝撃を受けた筈だ。 彼らの演奏したサウンドはそれまで耳にしていたブルース・ロックという過去の遺物ではなく、全く新しい、まさにヘビー・メタルの夜明けのようなサウンドだった。 ジョン・ボーナムのドラミングはパワーはもちろんのこと、ジャズに影響された叩き方はそれまでのロックでは聴けなかったもので、ボーナムにかかるとドラムが単なるリズム楽器ではなくなっていた。 彼の演奏を初めて聴いたときは音がずれてるんじゃないかとも思えたが、その微妙なずれが実は絶妙だった。 シャッフル色の濃い3連符系のフィルやハイハットの使い方等は当時の他のロック・ドラマーでは絶対に聴くことの出来なかった新鮮さだった。 個性豊かな四人がいて初めてレッド・ツエッペリンだったからこそジョン・ボーナムの事故死でグループが解散してしまったのも頷ける。 40年の時を越え、依然彼らの初期の作品が光り輝いているのはその新鮮さに依るものだろう。 たぶん、いや間違いなく、今聴いても、10年後に聴いても絶対に新鮮さは保たれたままだろう。 |

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