北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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維新の柿沢未途氏は、安倍首相に対して(そして、中谷防衛大臣に対して)心底怒っているように見えた。
(もっとも、私は『維新の党』の考えとしては、特定秘密保護法の時と同様に、何か法案の『修正』を勝ち取って、最後は賛成するという方針だと思う。)

それは、私が前から思っていたように、安倍首相の『二枚舌、三枚舌』的な政治手法のせいであろう。彼は、結局、自身の『支持基盤』である、『右寄り』の人たちをも、怒らせてしまうと言う『リスク』を常にはらんだ、危うい政治手法を選択している。

柿沢氏は、安倍首相の著書『美しい国へ』(の改訂版なのか、私の手元の初版には書かれていないようだ)から、日米の『血の同盟』『血の絆』論のくだりを引用して、紹介した。
それは、つまり、『日本の若者も、血を流さないと、日米同盟の絆は確固としたものにならない』というような主張である。

柿沢氏は、『安倍首相の見解を支持する』ともいった。そして、今回の(いわゆる)『平和安全法案』は、日本の若者(自衛隊員)に血を流すことを求める内容を含んでいるのだから、そのことをきちんと説明して、国民や自衛隊員に覚悟を求めることこそが、政治家のあるべき姿ではないかと主張した(これは、ある意味で、民主党の岡田氏の主張とも重なる内容である)。

ところが、この部分では、安倍首相は、『嫌な表情』を浮かべて聞いていた(自分の『本心』が明かされるのは、こういう状況では、非常にまずいということだろう)。

そして、答えたのは、次のような話だ。
『私が書いているのは、フルスペック(全仕様)の集団的自衛権の行使についての話である。今回の法案で示しているのは、極めて限定された集団的自衛権の行使でしかない。だから、そういう危険性はない。フルスペックの集団的自衛権は、憲法改正をしないと実現できない。』

(ここで、見えてくるのは、安倍首相は、とにかく『危険はない』『リスクは高まらない』といって、この法案を通してしまおうという作戦である。

そして、法案が成立した以降は、『安全保障環境が変わった』とか、『想定外の事態になった』といって、法案を最大限、拡大解釈=本来の解釈をして運用する。

仮に、それがうまくいきそうにもない場合は、『良い法案を作ったが、現在の憲法の制約で、法案の本来の機能が発揮できない。今こそ、憲法改正が必要だ』といって、『憲法改悪』に突っ走るという作戦である。
この両面作戦を、安倍首相らは考えているように見える。)


こうしたことについて、柿沢氏らがどう考えているのかは、よくわからない。
ともかく、柿沢氏は、安倍首相を『不誠実な政治家』『誤魔化しの政治家』として、とらえて、(少なくとも当面は)批判している。

そして、そういうやりとりの中で、柿沢氏は、『後方支援』活動が、実質的には兵站(へいたん)活動=ロジスティクス活動であり、軍事における重要部分であると主張し、敵からは必ずといってよいほど、攻撃の対象とされる活動であると批判した。

これに対しては、相変わらず、安倍首相、中谷防衛相は、『危険でない地域を十分、検討して派遣する』『戦闘が始まったら、正当防衛のための武器の使用はするが、武力行使をすることはない。活動を中止して、退避する』などと、現実的とも思えない『言い逃れ』をしていた。

その中で、次のようなやりとりが発生した。
この部分は、『朝日新聞』の今日の朝刊の記事から紹介しよう。
****************************************
<安保法案を審議する特別委員会が開かれた衆議院3階の第1委員室。予算委や党首討論もここである。天井にはシャンデリア。本会議場と並ぶ「主戦場」だ。

 東京は真夏日が2日続いて30・2度まで上がった。冷房は28度。上着を脱ぐ委員もいる。討論もオーバーヒートした。
 朝9時からの審議は終盤の午後4時。

 「武力の行使と武器の使用。国民が見てどう違うか全然分からない」。維新の柿沢未途幹事長が言葉の定義を確認する。確かにそうだ。政府は、憲法9条が禁じる「武力の行使」には当たらない「武器の使用」があると説明してきた。

 中谷元防衛相がこう返した。「柿沢議員。この違い本当に分かりませんか。これが分からないと議論できませんよ」

 まるで本人が分からないかのような受け答えに柿沢氏の顔は真っ赤。「国民向けにだ」と同僚からも怒号が飛ぶ。「静粛に」と制する声がかき消される。

 審議が終わった午後5時すぎ。中谷氏は柿沢氏を訪ねて頭を下げた。日は傾き気温は下がり始めていた。>
****************************************

『朝日新聞』はこの記事を、38面のコラム『ウォッチ安保国会』に『真夏日のオーバーヒート』というタイトルを付けて掲載している。
だが、これは本来、もっと正面から取り上げるべき内容である。

中谷防衛大臣は、陸上自衛隊に4年間勤務していたことがあるらしい。
だから、『俺は、自衛隊のことをよく知っている』という自負があるのだろう。

しかし、そのような『変な気負い』はかえって、邪魔になってしまうことが多いものだ。
このやりとりは、思わず、(柿沢氏が、本当に『武器の使用』と『武力の行使』の違いが判らないでいると)勘違いをして、『そんなレベルじゃ、ここでの議論についていけませんよ』と発言をしてしまったのであろう。

だが、これは、柿沢氏のプライド(本人は、もちろん、両者の区別がよくわかっているつもりだ)をひどく傷つけてしまった。

おまけに、こうした中谷氏と柿沢氏の『やりとり』は本来、このテレビ中継を見ている『国民』を全く馬鹿にしたようなやりとりである。
『ああ、国会議員は、こういう言葉の使い分けをしながら、誤魔化しをしているわけだ。』

(正直言うと、私自身も両者の違いが、よくわかっていない部分があった。要するに、現在の『憲法』で海外における『武力の行使』は禁じられているので、憲法違反である『武力の行使』に当たらない範囲で、『武器の使用』をするという理屈である。)

中谷氏が言っているのは、こういうことだ。
<『武器の使用』と『武力の行使』の使い分けは、憲法に抵触しないようにしながら、『国民をだます?』ための、初歩の初歩である、国会内の常識的な言葉の使用法ではないか?>

<本当に、両者の違いがわかっていないのなら、柿沢さんは、この特別委員会の委員としての資格はないですよ?>

おそらく、『維新の党』が半ば、『味方』だと思っているから、こんな『挑発的』で馬鹿げたことを言うのだろう。

安倍首相の振る舞いを見ていても、彼は、共産党や民主党は徹底的にコケおろすような発言をするが、『維新の党』に対してはていねいに答弁するというのが基本である。

だが、これも、『真夏日』のせいであろうか、あるいは『大阪都構想』で橋下維新の会が敗れ去った『副次的効果』であろうか、安倍首相と中谷防衛大臣の粗雑な答弁は、彼らの『国会言葉』の欺瞞性を多くの人の前に明らかにしてしまった。

下手をすると、中谷防衛大臣が『謝罪』をするとか、もしかしたら『辞任』でもしないと、この国会論議は打開ができないような事態にまで突き進んでいくかもしれない(まあ、これはうまく行けばの話だが…)。





 
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