北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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『獅子の時代』という1980年の大河ドラマ、DVD13枚に51回分の放送内容が収められている。まだ、(全51回中、)第10回分まで見ただけだ。

昨夜は、第9回(『アームストロング砲』というタイトル)、第10回(『鶴ヶ城攻防』というタイトル)の内容を見た。
2013年の大河ドラマ『八重の桜』で描かれたような、官軍が会津に攻め込む、その攻防戦(結局は、会津が見せしめ的に殲滅させられるのだが)が描かれていた。


菅原文太は、会津藩の下級武士、平沼銑次としてこの戦いに参加している。
だが、銑次の立場(という考え方)は複雑である。
というのは、彼は、フランスから帰ったばかりである。

1867年にパリで行われた、万国博覧会に日本は、初めて出展した。ただし、そこには幕府と薩摩藩(『薩摩琉球国』と自称した)とが対抗するような形で出展していた。
『幕末』の状況下、西欧諸国に日本の実権は誰がもっているかを、それぞれ誇示しようとして『宣伝戦』が展開されたのである。

このとき、平沼銑次は幕府の随行員の一人として参加していた。
そして、ここで薩摩藩の随行員の一人である(加藤剛演ずる)刈谷嘉顕と知り合い、時には、対立する者同士として剣を手にして対決する。


だが、彼らはヨーロッパの文明に触れ、『日本』の置かれている危機的な位置(あるいは、ヨーロッパの民主主義や人権思想の素晴らしさ?)の両方を知る。
そして、『日本』の中で、『幕府だ』『薩摩だ』といってコップの中の嵐を繰り広げることのむなしさを知る。

このような状況に置かれた銑次だから、会津戦争のさなかの会津藩に戻っても、他の会津藩士のように、単に『死に場所』を求めての闘いをする気はしない。
何とかして、生き延びながら、『世の矛盾』をただし、納得のできる生き方をしたいと考えている(ようだ)。


このドラマは、おそらく最後のほうまで、銑次と嘉顕は、それぞれ異なる立場に置かれながらも生き抜くであろうという『筋書』は見えている。
しかし、戦いの描き方はリアルであり、泥臭い。

まるで『仁義なき戦い』のような描き方(つまり、『鳥』ではなく『虫』の目線から描いている)であり、妙な話だが、いつ銑治が殺されてもおかしくないというようなシーンが続く。

(昨夜はたまたま、新しく始まった大河ドラマ『真田丸』の第1回も、『獅子の時代』のDVDを見る前に見たが、偉い違いである。『真田丸』の戦闘シーンはまるで、ゲームのようで、人が死ぬというリアリティがほとんど感じられない。)

このあと、銑治と嘉顕は『明治維新』という看板の裏で何があったか、そしてその中で、『理想』を少しでも実現しようとして苦闘するさまが描かれていくのであろう。


ここには、安倍首相の好き?な『地球儀を俯瞰するような』世界観は、すがたを消している。
地球儀の上で、日々を生き抜いている人の視点に立つドラマが展開されていくのだと思う。

私は、昨年(2015年)、菅原文太追悼映画特集で、『炎のごとく』という1981年公開の加藤泰監督作品(加藤泰の最後の劇映画だという)を見た。この映画では、菅原文太は、侠客会津の小鉄を演じたが、小鉄もまた幕末の京都を舞台に、彼が惚れた『ごぜ』(目の不自由な女性芸能者)と一緒に、『虫』のように生きようとしていた。
(このほか、1981年には、菅原文太は、映画『青春の門』で主人公、伊吹信介の父・重蔵を演じていたが、この男もまた筑豊の炭鉱で、『虫』の視点で生き抜いた男だった。)

実は、『獅子の時代』と『炎のごとく』『青春の門』で菅原文太の演じる役は、驚くほど一貫している。
しかも、それは菅原文太が、映画やテレビのドラマの世界から、引退して、農業をやったり、福島、沖縄その他、人々の運動や戦いがある各地に出掛けて行った(しかも病を抱えながら)、その最期の生き方ともつながっている。

菅原文太は、この『獅子の時代』の撮影の際にも、こだわる人だったという。
ウィキペディアの記事には、このドラマが、パリでの現地撮影のほかも『ロケ』の多い作品だったと書かれている。

<国内でも「外でやりたい」という菅原文太の希望もあって、放送前年10月に東京近郊で4日間、11月は鹿児島・宮崎で6日間、12月は10日間、放送開始の1980年(昭和55年)1月は2日間、2月は3日間、3月は7日間、4月はなし、5月は3日間、6月は2日間、7月は9日間、8月は北海道で10日間、9月は4日間、10月は9日間、各々ロケが行われており、これは当時の大河ドラマとしては画期的な多さであり、この作品のロケ日数を同枠で超えるのは、『太平記』まで待たねばならない。>

この辺は、何となく、菅原文太の『現場好き』の感覚の反映もあるのでは、という気もしてくる。

まだまだ、このドラマ、全体の2割くらいしか見ていないので、これからが楽しみである。
(いちいち、ストーリーがどう展開していくかというような話は、これから見ようとする人にとって、余分は情報かもしれないので、書くつもりはないが…。)






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北海道の月形樺戸監獄博物館に行った時、このドラマで文太さんが着てた囚人服が展示されていました。

オープニングのライオンの映像と宇崎竜童のテーマ曲はどうかと思いますが…。

2016/1/11(月) 午後 3:43 [ みんけんひで ] 返信する

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> みんけんひでさん
まだ、18回分(全51回中)までしか見てませんが、次第にピッチを上げて見れるようになってきました。樺戸集治監というのが40回あたりで出てくるようですが、それが月形樺戸監獄というものになるのでしょうね。
オープニングのライオンは、同じ画像ばかりで少し見飽きましたね。ライオンの画像のバージョンが幾つかあれば、よかったのでしょうけど。番組を作ったころは、DVDなどで連続して、何度もオープニングを見るようなことは想定していなかったのかも知れません。

2016/1/12(火) 午後 2:35 [ 北京老学生 ] 返信する

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