北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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映画のことばかり書いているが、この映画(とそれが取り上げている事件)については、今の段階でもっと話題になっても良いのではないかと感じる。

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『スノーデン』というオリバー・ストーン監督の映画(アメリカで昨年9月に公開)が、日本では1月27日から公開されている。

私は、先週の月曜日(13日)に自宅から比較的近い、横浜・港北ニュータウンのシネコンでカミサンと一緒に見た。
午前中比較的早い時間の上映しかやっていなくて、プログラムも販売していなかった(売店が開いていない)。
134分と結構、長い感じのする映画だった。


これを見て、またその前後にその他の情報を入手して、この『スノーデン事件』に関して、頭のなかを整理してみた。

もう1本別の映画で『シチズンフォーン スノーデンの暴露』という、ドキュメンタリー映画があった(ローラ・ポイトラス監督。実際に、スノーデンが香港で一番最初に、限られた記者たちを前に、事件について語っている場面を編集したもの。2014年製作映画。2015年発表の第87回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞)。それが、日本では2016年6月に公開され、その後、DVD化されていた。
こちらをレンタルDVDで借りて、先に見てから、映画『スノーデン』のほうを映画館で見た。

また、『スノーデン』を見た後、図書館で調べてみると次のような本が出版されていたので、それを図書館から借りて、(コンピュータシステムに関するわかりにくい説明部分は、端折って)前半部分と終わりの『第四権力の堕落』という大手メディアに対する批判部分をs中心に読んでみた。


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この本を書いたのは、グレン・グリーンウォルドという、イギリス紙『ガーディアン』の記者で、スノーデン氏と、(『シチズンフォー』の監督でもある)ローラ・ポイすトラス氏とともに最初にインタビューし、この事件の第1報を『ガーディアン』紙に書いた人でもある。

『スノーデン事件』というのは、アメリカの国家安全保障局(NSA)と中央情報局(CIA)の元職員であるエドワード・スノーデン(1983年生まれ。スノーデン事件告発の2013年6月2日の時点で29歳)が、コンピュータ・システムの専門家として、自らの体験を踏まえ、NSAなどがアメリカの一般市民を対象に不法に、電話、ネットなどすべての情報の収集・解析を行っていること(それに、IT関連の企業が軒並み協力していたこと)を告発したものである。


この事件が、新聞などで話題になったとき(2013年6月)、私はちょうど3カ月ほど前に、中国から帰国したばかりであったが、正直言うと、必ずしも『大きな衝撃』を受けなかった。

というのは、中国では中国政府(あるいはその代理機関?)がこうしたことをやっていることは、ほぼ『常識化』していたからだ。
だから、『やはり、アメリカでもやっていたのか』くらいの印象しか受けなかった(ような印象がある)。


しかし、考えてみると、これはやはり、『異常事態』であった。
しかも、この事件を巡る対応が、その後の『世の中の状況』を左右していったような気がする。

この事件が勃発したのは、ちょうどオバマ政権の2期目が始まって、少したった時点だが、オバマ大統領は、(スノーデン氏らの期待に反して)『むしろ、スノーデン氏のほうが<情報漏洩罪>に該当する』として指名手配の対象にした。

そして、(行き場のなくなった)スノーデン氏は結果として、ロシアのモスクワ行きの飛行機に搭乗し、ロシアに滞在せざるを得ない状況になった。
(ロシアこそが、アメリカよりも公然と、市民の権利を圧殺していることを考えると、極めて『皮肉な事態』ではある。)


さらに、今回、グレン・グリーンウォルド氏の(先にあげた)『暴露 スノーデンが私に託したファイル』という本を読んで改めて感じたが、この事件において、『ワシントン・ポスト』とか『ニューヨーク・タイムズ』などといった大手の有名メディアは、非常に矛盾に満ちた行動をとっていたのである。

つまり彼らは軒並み、『事件が世間に公表される前は、記事を発表する前に、アメリカ政府に、こんなものを書いても問題はないかと、事前におうかがいを立てる』、そして、スノーデン氏がアメリカ政府によって訴追の対象とされるや、『売国奴』『犯罪者』としてスノーデン氏を批判する論調が、紙面を埋め尽くしたようである。

それでなおかつ、その『中間』の局面では、アメリカの憲法の原理である、『民主主義』や『言論の自由』『監視されないという市民の自由』を最大限、主張する内容で紙面を埋め尽くしていたようである。


私は、(スノーデン氏の『闘い方』というものが、『ベストのもの』であったかは、わからないが)こうしたオバマ政権、あるいは、『リベラルなメディア』と称されているものの、『矛盾に満ちた対応』こそが、アメリカ国民の意識をさらに変化させていったようにも感じる。

つまり、こうした『オバマ政権の裏切り(あるいは、二面的対応)』そして、『大手メディアの言っていることとやっていることの矛盾』こそが、彼ら自身の『権威』を失墜させ、先の大統領選挙において、ヒラリー候補が敗北し、そしてトランプ大統領が当選してしまうという大逆転の、その『準備段階』ともいえる状況を生み出していってしまったのではないか、という気がした。


そして、これはもちろん、アメリカだけではなく、日本国内でも似たような状況が、見られる。
(『朝日新聞』などの安倍首相の政治姿勢とも対決してきたメディアが失墜し、はたして、日本の『戦後の価値観』を継承しているのか疑わしいような、勇ましいメディアが台頭している。)

つまり、『スノーデン事件』というのは、とうに過ぎた、『何年も前の過去の事件』なのではなく、今まさに起こっている『トランプ旋風』を引き起こす、その前段ともいうべき役割を果たした事件(アメリカでも日本でも、『未解決』の事件)なのではないかという気がしてきた。
(つづく)









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北京老同学さんへ

ちょっと前の事件ではありますが
丁寧に経緯を追っていくと今の社会的状態、状況に凄く繋がっているのがよく解りました。

歴史的な事ってしっかりみて検証していかないといけないな〜と改めて思いました。

2017/2/23(木) 午前 7:59 [ カエル☆ちゃん、 ] 返信する

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> カエル☆ちゃん、さん
どうも有難うございます。私もこの事件について、まだよくわかっている訳でもないので、引き続き調べているところです。

2017/2/23(木) 午後 4:56 [ 北京老学生 ] 返信する

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