北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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3月11日の『3・11』追悼式典に、安倍首相はその挨拶から『原子力発電所事故』という言葉を消し去り、あたかもあの福島第一原発の歴史的な事故が『なかった?』かのような『印象操作』を行っている。

そして、安倍首相を応援している『産経新聞』の3月11日配信のネットニュースでは、次のように、台湾で、『がんばれ』と日本に対するエールが送られたと報じている。

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東日本大震災6年 「がんばれ」と日本語でエール 台湾でも追悼式典
産経新聞3/11(土) 17:38配信

<【台北=田中靖人】東日本大震災から6年となった11日、台北市内の日本台湾交流協会台北事務所で「追悼感恩会」が開かれ、日台の関係者約80人が犠牲者に黙祷(もくとう)をささげた。

 震災で台湾からは約200億円に上る義援金が寄付された。交流協会台北事務所の沼田幹男代表(駐台大使に相当)は「台湾は心と心がつながった特別な友人だ」と改めて謝意を表明。台湾の対日窓口機関、亜東関係協会の邱義仁会長は「震災という不幸の中で、台日間の人々の感情(の交流)が想像を超えて深いことが発見できた」と応じ、復興に向け「がんばれ」と日本語でエールを送った。

 式典には、総統の諮問機関「国家安全会議」の呉●燮秘書長らも参加した。
 一方、この日は台北など3カ所で、蔡英文政権が掲げる2025年の脱原発目標の具体化を求めるデモも行われた。
●=刊の干を金に>
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しかし、この記事の最後に『一方、この日は台北など3カ所で、蔡英文政権が掲げる2025年の脱原発目標の具体化を求めるデモも行われた。』と書かれているように、台湾では各地で、『反原発』『脱原発』を掲げるデモや集会が行われている。

そして、私の見た限りでは、台湾で一般に販売されている、現地の中国語や英語の新聞に記事が大きく掲載されているのは、この『反原発』『脱原発』の行動のほうである(日本での安倍首相の挙行する式典など、『反面教師』=<つまり、『ああいう風には、なりたくはないね』の見本>としてなら別だが、ほとんど注目されていないようである。

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これは、英字紙『TAIPEI TIMES』に出ていた記事。

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そして、こちらは『自由時報』に出ていた記事である。
『非核低炭素永続エネルギー』への転換を求めるデモ(集会)が3月11日、台北、高雄、台東など台湾全土で実施されたという。

その特徴は、昨年成立した民進党の蔡英文政権(初の女性総統でもある)に対して、政府が公約している『2025年原発ゼロ』について、確実に達成するように、きちんとした計画や工程表を示し、それらを法制化することを要求している点にある。

なるほど、蔡英文政権はその主張としては『原発ゼロ』を言い、また1月11日には、「2025年までに原発の運転を全て停止する」との条文が盛り込まれた電気事業法改正案が立法院(国会)の本会議で、可決・成立している。
ただし、この政権に対しては財界などから絶えずプレッシャーがかけられているようで(その背後に、日本の原子力村企業や、あるいは安倍政権などが存在しているであろうことは容易に想像できる)、それらに負けないように、またたとえ、民進党の総統が選挙で敗れたとしてもその政策が簡単に覆されることのないように、こうした目標を掲げているようである。

しかもこれらの記事を見ると(現状をほとんど把握できていないので、言語の面を除いても、おおよそのことしかわからないが)、台湾の人々は、ゆるやかな運動体のネットワークを築きながら、この運動をしたたかに進めているように見える。


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台湾の原発は、現状では、原子力発電所の数として第1原発から第4原発まである。ただし、第4原発は『計画段階』(計画から30年、建設から10年を超えてもなお完成していないといういわくつきのもの。2014年に馬総統の政権下で、急速に反対運動が盛り上がり、『建設凍結』が決定した)であり、実際に稼働しているのは第1〜第3原発の6基(2基は停止、1基は点検中)のみである。

しかも、これらの原発は、2018年から25年までの間に順次40年間の運転期間が終了する。この機に、蔡政権としては運転延長や新規稼働を認めず、脱原発を達成する狙いらしい。


このうち、第1原発と第2原発は、(人口密集地である)首都台北から至近距離に設置されている。第3原発は、台湾の南端に位置している。

これらは、すべてが、ウェスティングハウス・エレクトリックまたはゼネラル・エレクトリックによる米国製であり、いずれも戦後の戒厳令下に建設、稼働されたのだという。


また、第4原発は、直接の受注元はゼネラル・エレクトリックであるが、一号機原子炉が日立製作所、二号機原子炉が東芝、各発電機が三菱重工業による日本からの輸出原発(『日の丸原発』)である。



台湾は、よく『親日』であるなどと言われるが、逆に日本の『悪いところ』も良く知っているようで、そのような『悪いところ』を無条件で受け入れるほど、お人好しな人々では全くない。さらに、台湾は地震が多い土地柄でもある。
『3・11事故』とその後の、日本政府の対応や混乱によって、原発に対する人々の警戒心は、極限にまで高まっていたと言ってよいだろう。

こうして、人々の間に、蔡政権に対しても、きっちりと『脱原発』が実現できるように迫るというか、フォローするというかしていかねいといけないという気持ちが定着しているようだ。


運動を担っているのは、(日本と同様に)『ママさん』がた、地方の首長達(高雄市長なども参加しているようだ)、あるいは(核の廃棄場所として予定されている場所が、原住民が多く居住している場所なのか)原住民の人たち、近年、ひどくなっている大気汚染などの『公害』に反対している人々など、非常に幅広い陣容の人たちのようである(2013年に馬政権のもとで、『脱原発』運動に火がついた時期には、多くの芸能人、有名人も運動に参加した)。


そして、2025年に『非核家園』(原発のない郷土)の実現を目指して、運動が継続し、広がりを見せている。

ここには、『韓国は反日の国?』『台湾は親日の国?』などとややもすればステレオタイプで、日本ではとらえられがちな『台湾の姿』とは別の台湾の姿が、あるようだ。







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閉じる コメント(2)

北京老同学さんへ

我が国が反原発にならないのが不思議でならないのです。
福島の原発は本当の処どれくらい危ないのか正確な事は隠されているような気がします。今だ帰れない地域と帰れる地域との差も本当は曖昧なような気がします。
便利な世の中には『電気』が必要だと解りきった事ですが、『電気』を起こす事すら解決できず、また昨今話題の物流大手のヤマト運輸さんも便利な世の中を作ってくれてるけど、長時間労働させての
『便利な世の中』ってやっぱりおかしいですよね。
私達根本的に世の中の構造(システム)を見直す時だと改めておもうのです。

2017/3/14(火) 午後 4:58 [ カエル☆ちゃん、 ] 返信する

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> カエル☆ちゃん、さん
たしかにおかしいことが多いですね。いっときは、実態として『原発稼働ゼロ』の状態になったのに、それを維持できず、むしろ『原発ゼロ』に向かわないということにこだわっているところが、何とも不思議な感じがします。原発が稼働しなければ、『すべて良し』ということではないでしょうが、一つ一つ問題を解決していく(その方向を目指すべき)と考えています。
たしかに、ヤマト運輸のような物流の在り方、あるいは『コンビニは24時間オープンしている必要はあるのか?』など、おかしなことは一杯あるような気がしています。

2017/3/14(火) 午後 8:25 [ 北京老学生 ] 返信する

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