北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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台湾の台南市にある烏山頭ダムで日本人技師、八田與一(はったよいち)の銅像の頭部が切断されているのが発見されたのは、16日(日曜日)の早朝のことだった。

既に犯人(元台北市議ら)が出頭しているが、不思議なことに『産経新聞』では(一部、ネットではニュースを流しているものの)『紙面』ではばったりと記事の掲載をやめてしまった(19日の朝刊には何も掲載していない)。
おそらく、それは詳しく報道すればするほど、<台湾は親日の国だ>という(一種の)『虚構』がばれてしまうからではないかと想像する。


私は、3月から台湾の台北市で暮らしているので、テレビや新聞で見た『現地報道』を紹介したい。
これは、2日間に見たテレビの『ニュース番組』の画面からとったものだ。

イメージ 1


台湾で2014年(日本では2015年)に公開された映画『KANO 1931海の向こうの甲子園』に、この日本人技師八田與一が取り上げられていたことから、このシーンが流れていた。

イメージ 2

この映画は、もともとは1931年の『全国中等学校優勝野球大会』に、台湾の嘉義農林学校のチームが初出場し、予想外の活躍をして準優勝に輝いたという話をテーマにしたものである(『KANO』とは嘉義農林学校の略称から、付けられた題名)。
だから、野球のシーンが中心である。

日本人の近藤兵太郎監督が、日本人、漢人、(当時の呼び方で)高砂族(原住民族)の3者が混然一体となったベストのチームを作り上げる。
(現地の日本人社会では、なぜ日本人選手中心にしないのかと、『クレーム』も付けられるが、近藤監督はそうした傾向とも戦っていく。)


の映画の中に、魏徳聖プロデューサー、馬志翔監督らのスタッフは、灌漑設備を完成させて、嘉南(台湾の中部から南部にかけての広大な土地)の大地を『豊かな米作の地に一変させようとする』八田與一氏のエピソードを意識的に盛り込んでいる。

だから、八田與一という人をもう一度、台湾の視聴者に思い出させるために、この映画のシーンが流されたのだと思う。

イメージ 3

こちらが、首を切られた銅像の様子。
この銅像は、八田與一が作業着で、地面にしゃがみこんでいるポーズの、かなり異色の銅像である(一般に、銅像というのは、偉そうな人を銅像にするもので、たいていがふんぞり返って、『上から目線』のスタイルのものが多い)。


イメージ 4


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銅像の故事来歴などが書かれている。
もっともこれは、奇美博物館という、(八田與一を信奉している)経営者が企業内に建てた博物館に収蔵されている、別の銅像のものかもしれない。

この奇美美術館というのが、今回、銅像の修復にあたっても、資金援助などを申し出ている(あらかじめ、銅像の復元ができるように、型をとっていたらしく、未だに首の部分は見つかっていないが、5月の八田與一の命日に間に合わせるよう、1週間程度で修復ができると言っている)。

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こちらも首を切られた像を、警察官らがとりまいているところ。

イメージ 7

そして、こちらが、犯人の元台北市議会議員(中国語では元議員も『前市議』と表記している)の男である。
自分のフェイスブックに犯行を自供するような内容を書き込み、台南市の警察の要請に応じて、台北市から(仲間の)女性とともに出頭してきた。

もっとも、かなり目立ちたがりの男のようで、出頭前にテレビカメラの前でいろいろしゃべったりしている。

イメージ 8


この男は、現在は台湾の急進統一派の団体「中華統一促進党」に所属しているという。
その主張は、中国共産党の大陸と『統一すべし』ということだから、日本流にいうと『左翼?』ということになってしまうのかもしれないが、行動パターンは、日本の街頭右翼によく似ている。

市議の任期中に市幹部を殴ったり、昨年には急進的な台湾独立派の団体の敷地に放火し逮捕、起訴されている。
現在、59歳と書いてある記事と、60歳と書いてあるのと両方あるようだ。

イメージ 9


この事件を、日本のワイドショーと似たような、パネルを作って、派手な感じでこのテレビ局(いちおう、ニュース専門チャンネルである。もっとも、交通事故や一般的な犯罪などを面白おかしく、報道している時間帯が多い。ケーブルテレビなので、100以上もチャネルがあって、過当競争で大変なようだ)では流していた。

次は、新聞の報道ぶりを紹介する。
こちらを見ていくと、なぜ、『産経』が紙面での報道をやめてしまったのか、その理由がわかるような気がする。
(つづく)






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転載しました。感謝です。

日本人の「首を刈る」、ショッキングですが「霧社事件」を思い出します。

今、劇画『霧社事件 ー台湾先住民、日本軍への魂の闘いー』
邸若龍(作・画)、発行:現代書館、1700円
を、読んでいます。
日本軍の報復で、一族1236人が、200人足らずを残し、全員滅亡に。

台湾では、この原本は、どのように読まれているのですか?

2017/4/19(水) 午後 6:24 [ イエスちゃん ] 返信する

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> イエスちゃんさん
有難うございます。
霧社事件については、映画『セデックバレ』を見て以降、関心を持っており、このブログにもいろいろ記事を書いています。
指摘された劇画は、まだ読んでませんが、台湾というのは日本以上に言論が自由であり、人々の考え方も多様だと思います。
ですから、私も少し気にしてみますが、なんでしたら、繁体字でその本の元の題名を入力して検索されたら、台湾の人のコメントなども出てくるのではと思います。
台湾のウィキペディアを調べてみるのも良いかもしれません。当然、ウィキペディアの内容は、言語ごとに異なっていますから。

2017/4/19(水) 午後 8:21 [ 北京老学生 ] 返信する

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