北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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今朝(20日)の『産経新聞』(電子版)を見ると、台湾での日本人技師・八田與一さん(これまで、『呼び捨て』にすることが多かったが、私は別にこの人を敵視するつもりはないので、このように表記しておく)の銅像『首切り』事件に関して、久しぶりに比較的まとまった記事を書いている。

この『産経』の記事の内容については、不満を感じるが、しかしこの事件ならびに八田與一さんについて詳しく取り上げること自体は、評価したい。

(というのは、他の新聞では、ほとんど取り上げられないか、あるいは、多少取り上げていた新聞でもすでに、さっさと『店仕舞い?』してしまったところばかりのように見受けられるからだ。ただ、おそらく5月8日の慰霊祭については報道をすると思われる。)

イメージ 1

これが、本日の記事の内容。電子版では8ページの『国際面』に掲載されている。
この記事の中心部分を紹介する。

<台湾南部・台南市で日本統治時代の技師、八田與一(はった・よいち)の銅像が損壊された事件をめぐり、頼清徳市長は19日までに、5月8日の慰霊祭を例年通り開催することを日本側関係者に通知した。

当局が頭部の行方を捜しているほか、胸像を所有する奇美博物館(同市)が修復への協力を申し出ている。八田の功績には一部で論争はあるものの、犯行には各界から批判が相次いでいる。(省略)


八田が建設を指揮した烏山頭ダムと周辺の灌漑(かんがい)施設は、嘉南平原を穀倉地帯に変えた。八田の功績は教科書にも記載されているが、犯人の元台北市議は「八田の歴史的評価を認めない」と供述している。


八田の功績を否定する一部の人々は、増産されたコメは「台湾人ではなく日本に持ち帰り日本人に食べさせた」(中国国民党所属の台南市議)などと主張。頼氏を「媚日派の犬」(研究者)などと中傷する向きもある。背景には、民主進歩党所属の頼氏が、公共用地から国民党の初代総統、蒋介石の銅像を撤去したことへの反発もある。


一方、台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(駐日大使に相当)は18日付の自由時報で「銅像は台日の友好の象徴だ。台湾人が誤解されてしまう」と犯行を批判。総統府の黄重諺報道官は19日、「八田氏を高く評価する行為は歴代の政府、各界が行ってきた」と述べた。

実際、国民党の呉敦義前副総統は18日、「台湾が(日本に)割譲されたのは彼のせいではない。善悪は分けるべきだ」と八田を擁護した。作家の黄震南氏は、銅像は八田の生前に民衆が進んで建立したものだとした上で、「時代と政権を超えた農民の感謝(の表れ)だ」と指摘している。>


以上が、この記事の内容であるが、ここには、(私が既に紹介してきた)『自由時報』や英字紙『タイペイ・タイムズ』など(おそらく、台湾の大手新聞のなかでは、本来、『産経新聞』と立ち位置が似ているはずのメディア)が主張する、重要な論点が、すっぽりと抜け落ちている。

すなわち、彼らは、『八田與一が立派なのは、彼が他の台湾総督府の日本人職員と異なって、台湾人を迫害したり、食い物にしたりせずに、謙遜な態度で、台湾の人々の幸福と福利を追求した点である』としている。
(これは、『タイペイ・タイムズ』の社説の中に出てくる表現である。)

これは、言い換えると、『日本統治時代の日本人一般が<偉大>なのでなく、八田與一という個人が偉大なのである。』『むしろ、八田與一は、日本人一般の中にあった、狭い排他性から自由であったが故に偉大なのである。』という風に解することもできる。

ここで、私があえて『日本統治時代の日本人一般が<偉大>』などということを書いているのは、それが、安倍首相らとそれを応援する、一部の人々が日本の中で吹聴している『ムード』であり、『考え方』だからだ。


また、特筆すべきことは、『自由時報』や『タイペイ・タイムズ』などが、台湾の中に熱狂的な感情を持ち込み、台湾の分断をはかろうとする(今回の事件を断行した)李承龍という人物や、その背後にある勢力(あるいは、それと全く裏返しの『急進的な』勢力)に対して、はっきりと拒否の姿勢を示していることだ。
つまり、彼らは『民粋主義』(ポピュリズムと訳すべきか、紙面で用いている)や『熱狂主義』『排外主義』に反対している。

それに対して、『産経新聞』は本来(これは、安倍首相が、好きらしい言葉でいうと、『そもそも』になるのだろうか…。もっとも、安倍首相は間違って用いていたようだが)、『ファシズム』に対峙する、『自由主義』『民主主義』を基調としていたはずだが、いつの間にか、戦前の『熱狂主義』に連なる勢力に、(会社の経営基盤を守るためかもしれないが)シフトしてしまっている。

つまり、これは、『産経新聞』の最も『弱点』としているところである。
(『朝日』は『朝日』でおかしなところは、山ほどあるが、だからと言って『産経』がデタラメなことをやっていいということにはならない。)


台湾は、『親日』の国だと言って、喜んでいる人たちがいるが、台湾は、むしろ『日本とは、一体、何なのか』を一面では、突きつけているのだと考える。

日本がぼやぼやしていると、台湾は、日本など『スルー』し(あるいは、『乗り越え』)てしまうだろう。






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