北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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記事の続きだ。


3日の『読売新聞』の掲載された安倍首相単独インタビューについて、取り上げる。
これは、安倍応援団のメディアに対して、3日の改憲集会で『ビデオメッセージ』の形で発せられた重要情報を、いち早く提供するという、安倍首相独特の『サービス』である。

(このように『仲間に優しく、敵には厳しく』というメリハリを、徹底的に付けるというのが、安倍カラーというものらしい。

仮に『上場されている株式の価格』に影響を与えるような情報であれば、それを恣意的に扱うことについては、『インサイダー取引』に対する規制などが、決められているが、政治の場合は、そのような『情報の公開性・公正性』を求めるようなルールなど、存在していないらしい。)

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この間の事情について、4日付の『朝日新聞』は次のように書いている。

<今回の憲法改正の方針表明に向け、首相は事前にメディアにも対策を打った。
4月24日夜、都内の料理店で、憲法改正試案を紙上で発表している読売新聞の渡辺恒雄・グループ本社主筆と食事。

その2日後に東日本大震災をめぐる問題発言をした今村雅弘・前復興相を更迭した直後、同紙のインタビューを受けている。

読売新聞は3日付朝刊で、首相のインタビューを1面トップで掲載。「憲法改正 20年施行目標 9条に自衛隊明記」として、ビデオメッセージと同様の内容を報じた。>


大手新聞が、ライバル紙の『特ダネ』についてこのように、わざわざ『宣伝している』のも非常に珍しいことである。

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これが、3日付『読売新聞』の紙面だ。
安倍首相のインタビュー記事から、少し引用してみよう。


(憲法改正の)<発議のタイミングは、衆参の憲法審査会での審議の結果として決まるものだ。

自民党総裁として「この方向で」と言って私が決められるものではないが、私はかねがね、半世紀ぶりに日本で五輪が開催される2020年を、未来を見据えながら日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだと申し上げてきた。>


(東京五輪が開催された1964年と同様に)<2020年も、今、日本人にとって共通の目標の年だ。><20年を新しい憲法が施行される年にしたい。新しい日本を作っていくこの年に、新たな憲法の施行を目指すのはふさわしい。>

このように、『読売新聞』のインタビューの内容は、(日本会議が主導する)『改憲派集会』に寄せたビデオメッセージと基本的に同じである。
(9条についても、次のように語っている。)

<9条の改正にも正面から取り組んでもらいたい。平和安全法制をめぐる議論の中で、ある調査によれば、憲法学者のうち自衛隊を合憲としたのはわずか2割余りにとどまり、7割以上が違憲の疑いを持っていた。
これには多くの人たちが驚いたと思う。また、共産党は一貫して自衛隊は違憲との立場を取り続けている。>

<北朝鮮を巡る情勢が緊迫し、安全保障環境が一層厳しくなっている中、「違憲かもしれないけれど、何かあれば命を張ってくれ」というのはあまりにも無責任だ。>


<9条については、平和主義の理念はこれからも堅持していく。
そこで例えば、1項、2項をそのまま残し、その上で自衛隊の記述を書き加える。そういう考え方もある中で、現実的に私たちの責任を果たしていく道を考えるべきだ。>

<私の世代が何をなし得るかと考えれば、自衛隊を合憲化することが使命ではないかと思う。>


また、『自民党改憲草案』については、次のように述べている。
<党の目指すべき改正はあの通りだが、政治は現実であり、結果を出していくことが求められる。改正草案にこだわるべきではない。

(衆参両院で)3分の2の賛成を得て、かつ国民投票で過半の賛成を得なければならない中、党として責任を果たしていくことを考えるべきだ。
1項、2項をそのまま残し、そして自衛隊の存在を記述する。どのように記述するかを議論してもらいたい。>


そのほか、『教育無償化』の課題だけでなく、『緊急事態条項』の創設についても『国会でよく議論をしてほしい』と述べるなど、『ビデオメッセージ』との細部での違いなどは存在している。
しかし、基本線は同じである。


要は、自分が総理大臣の座にある(と思われる)2020年には『改正された日本国憲法』が施行されるようにしたい、という『強烈な願望』と『タイムスケジュール』を提示したということである。
しかも、(これが実現されるためには、安倍首相の立場に立ってみても、幾つものハードルを越えていかねばならないのだが)この『メッセージ』はなかなか、巧妙にできている。

一つは、<「違憲かもしれないけれど、何かあれば命を張ってくれ」というのはあまりにも無責任だ。>という何となく、俗受けしやすそうな言葉でもって、『憲法学者』と『共産党』を(いわば)『国賊』とみなし、あぶり出そうとしている点である。

しかし、これは、おかしい。
もはや、『自衛隊が国民に受け入れられている』というのは、一般的な認識であり、そういう意味で、『自衛隊が違憲だからといって、直ちに解散を求めるものではない』というのは、共産党自身が(現時点で)言っていることである。

だが、そのような(いわば)『言い訳』で安倍首相が、『許す』はずがない。
(私は、共産党は、国際情勢に合わせて、党の見解を明確化させていくという『作業』を少しさぼってしまったのだと思う。おそらく、支持者からの『反発』を恐れてのことだろうが…。)

安倍首相の本来、やりたいことは、『自衛隊』を『国軍化』することである。これまでの『憲法9条』の枠内での自衛隊のままで、『良い』と思っているはずがない。


ところが、9条1項、2項はそのままにして、新たに3項で『自衛隊』を明文化するなどと、本当にそのようなことができるのか(9条2項の書き換えは必要になってくるのではないのか?)といった、『常識的な疑問』をわきに置いて、あたかも安倍首相は、それができるかのようなことを言っている。


結局、安倍首相は、まずは『憲法改正』というハードルを自分の代で突破したいというのが、最大の願望なのであろう。

そして、そのために、『憲法学者』や『共産党』をダシにして、自分のやりたいことを、誤魔化しているのである。
(もちろん、いったん憲法9条を少しでも『修正』すれば、それは自衛隊の『国軍化』の道が近づいていくことを意味するのだろう。これまでの『憲法9条』のもとでの『自衛隊』のままでいいと、考えているはずがない。)

そして、今回『9条の改正』を正面に出しているが、仮にそれでは、うまくいかない(議席の3分の2以上の確保を持続できない、あるいは『国民投票』で可決することができない)という『見通し』が出てきたら、『教育の無償化』とか『緊急事態条項』など次善の策で、『妥協する』可能性もあるのではないかと思う。


なぜなら、安倍首相は、自分でも言っているように『政治は現実であり、結果を出していくことが求められる』のだから。

何よりも、自分の代で、『憲法改正』を実現すること(仮にその途上で、『倒れる』ようなことが万一あったとしても、確実に『実現に至る道筋をつけること』)を最大優先事項にしているのだと感じる。

安倍首相にとっては、『日本国憲法』にいわば、傷をつけることが、自分自身の『自己実現の道』に重なっているようである。
(つづく)






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