北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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昨日(17日)書いた、この記事の続きのような話である。
ただし、前回とは、かなり異なる『見方』になってしまっている。


実は、昨日は、眞子様の『婚約へ』を突如、ニュースにさせたのは、あるいは『共謀罪』が衆議院委員会で可決寸前という状況から、『眼をくらませる?』ための策動かもしれないという思いで記事を書いた。


だが、少し調べてみると、この『ニュース』は一昨日の夕方に、NHKで速報を出したのが発端らしい。
NHKならば、すべて『安倍の策謀』、『大本営発表』といいたいところだが、そもそも今上天皇が『生前退位』についての問題提起を、突然されたのも、昨年(2016年)7月にNHKによる報道がされたのが発端であった。

何も、NHKによる突発的なニュースが、すべて『安倍の策謀』によるものとはいえない。むしろ、天皇による、当初は『生前退位』という言葉で表現された問題提起は、安倍首相のもっている天皇観に反するものととらえられた。

実際、現在、政府は野党を含めた国会での協議を経て、次のような『特例法』(天皇の退位等に関する皇室典範特例法)の成立を今回の国会で実現しようとしている。


イメージ 1



これは、『朝日新聞』の5月13日付記事として掲載されたものである。
この法律の本文自体は、1条から5条までしかない(そのほか、『附則』というものが、1条から11条まである)。

本文の条文のなかでは、第1条が法律の『趣旨』をまとめており、一番、重要なのではないかと感じる。
ところが、これが非常に長い。
斜め読みで結構なので、目を通していただきたい。

幾つかの固まりに、区分してみた。

<第一条 この法律は、天皇陛下が、昭和64年1月7日の御即位以来28年を超える長期にわたり、国事行為のほか、全国各地への御訪問、被災地のお見舞いをはじめとする象徴としての公的な御活動に精励してこられた中、83歳と御高齢になられ、今後これらの御活動を天皇として自ら続けられることが困難となることを深く案じておられること、

これに対し、国民は、御高齢に至るまでこれらの御活動に精励されている天皇陛下を深く敬愛し、この天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感していること、

さらに、皇嗣(こうし)である皇太子殿下は、57歳となられ、これまで国事行為の臨時代行等の御公務に長期にわたり精勤されておられることという現下の状況に鑑み、

皇室典範(昭和22年法律第三号)第四条の規定の特例として、天皇陛下の退位及び皇嗣の即位を実現するとともに、天皇陛下の退位後の地位その他の退位に伴い必要となる事項を定めるものとする。>


ここで言っていることは何かといえば、つまり、今上陛下に限定した『特例』として、(生前)退位を認めてあげる?ということである。

結局、各種メディアの『世論調査』の結果では、『特例法ではなく、恒常的な制度にしてほしい』という意見が、かなり多数を占めていたように記憶するが、安倍内閣が認めた『法案』はこの程度のものでしかない。


さらに、『附則(ふそく)』の第2条には、次のような条文まである。
<この法律は、この法律の施行の日以前に皇室典範第四条の規定による皇位の継承があったときは、その効力を失う。>


これは、わかりやすくいうと、この法律に基づく『(特例としての)退位』が実現される(法律の施行の期日)までに、仮に今上天皇が亡くなられるということがあれば、今回のこの『特例法』の内容は、すべて『チャラ』になり、従来の『皇室典範』の手続きにしたがって行われる、という趣旨である。

何とも、天皇の意思を(半ば以上)無視する(しかも、それが『憲法』を順守する道だという)、少しびっくりするような『法案』である。

日ごろ、『憲法批判』『憲法改正』ばかり口にしている安倍首相が、この問題に限っては、『天皇の人間性を無視する』というのが、『護憲の道』だとして突っ張っているように見える。

この『特例法』がまさに、国会での審議の対象とされる、その直前に、今回の『眞子様、婚約へ』報道は、流された。

誰が、どういうつもりで、このようなことをやったのかを考える上で、重要なのはこの報道後、どういう現象が起きているのかである。

イメージ 2



これは、本日(18日)付の『朝日新聞』記事である。
その一部を紹介する。


<秋篠宮(あきしののみや)家の長女眞子(まこ)さま(25)の婚約準備が明らかになり、天皇の退位を可能とする特例法案の付帯決議に「女性宮家」を明記するかどうかが与野党協議の焦点となりはじめた。民進党は、皇族減少対策として女性宮家創設の検討を盛り込むよう主張。ただ、自民は女性・女系天皇容認につながりかねないこともあり、慎重な姿勢を崩していない。

政府は特例法案を19日に閣議決定し、国会に提出する。これを見すえ、自民、公明、民進の3党はいま、同法案に添える付帯決議案を協議中だ。(略)

「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」について、「法律の施行後できる限り速やかに」検討するよう政府に求める――。実務者によるこれまでの水面下の協議で、自民が民進に示した付帯決議の当初案だ。3月の衆参正副議長による「議論のとりまとめ」にあった「女性宮家」という文言を盛り込んでいないのは、女性宮家創設に慎重な安倍晋三首相やその支持層に配慮したためだった。

ただ、皇族減少対策として女性宮家の創設を唱える民進は反発。これを受け、自民は文面の一部を「皇族女子の婚姻等による皇族数の減少等の諸課題」と女性宮家を示唆する文言に修正して調整を進めていた。

こうしたやり取りのさなか、眞子さまの婚約準備が明らかになり、民進幹部は「女性宮家創設への『追い風』になる」と反転攻勢の構えをみせ始めた。蓮舫代表は17日の党会合で、「国会の総意として(政府は)女性宮家の早急な検討を期限を区切って行うべきだ。付帯決議には、この問題意識をしっかり書き込んでいくべきだ」と訴えた。
付帯決議では、皇族減少対策の検討時期をめぐる文言も焦点となりそうだ。>


長くなってしまうのでこの程度でやめるが、まさに特例法の『付帯決議』の検討時期を考えると、『グッドタイミング(というより、ぎりぎりのタイミング)』で今回の眞子様報道がされたことがわかる。


安倍首相自身としては、天皇制の将来(つまり実際に、天皇となりうる人を、持続的に確保できるかどうか)よりも、自分自身のやりたいこと(やりたくないこと)を『優先する』考え方のようである。

(これは、『憲法9条』についての考え方にも共通する。世の中の状態が、仮に『安倍の死』後、どのように困った問題が生じようと、安倍首相自身としては、自分の『名前』が生きている間に、『燦然と輝けば』それで良いと考えているようだ。実際は、そうでないのかもしれないが、そのように見えてしまう)。


このような人物が、『安倍一強』と称されて、日本の政治社会を支配してしまっていることに対して、少なくとも、『現行憲法』に記されている『象徴天皇制』を安定的に維持できるようにしていきたいと考える人々の意思が、今回の『眞子様婚約へ』報道の背後にあったのではなかろうか、というのが、私の(現時点での)推測である。







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補足:写真などうまくアップできませんが、とりあえず記事のアップを優先させます。

2017/5/18(木) 午後 2:57 [ 北京老学生 ] 返信する

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補足:写真を追加でアップしました。

2017/5/19(金) 午後 2:41 [ 北京老学生 ] 返信する

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風邪のご加減はいかがでしょうか。

この報道の一番は、正式に婚約を発表したわけではないのに、マスコミにストーカーされる小室氏が気の毒だったことでしょうか。
法案の内容を見れば、民進党等が主張していた事(以降の天皇にも適用される)は、反故にされたようですね。わざわざ衆参で取りまとめたのに。

2017/5/23(火) 午後 11:49 [ m_yutaka723 ] 返信する

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