北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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この記事の続きだ。


私は、雑誌『文藝春秋』は、2年以上前から、ほとんど毎月、購読している。
というのは、若いころは、結構、<常識の固まり><世間の知恵の固まり>の雑誌のような印象を受けて、多少、『馬鹿にしている雑誌』の一つだった。
(若いころは、結局、『革新』とか『左翼っぽい』考え方にあこがれているというか、それが正しいと思っていたからだ。)

ところが、『政治に対して、全く無関心』なある期間を経て、2008年に中国の『留学生』と称して出かけた頃から、日本に対する『危機感』を感じた。
(それは、中国社会の『実態』を知ったり、感じたせいもある。)

中国から2013年に帰国したら、父も母も、高齢になっていて、その後、『認知症』などになり、2015年父、2016年母と相次いで亡くなった。
父は、毎月、『文藝春秋』を読んでいた。それで、父が亡くなって以降、前にもまして、『文藝春秋』を毎月読むようになった。


私は、中国にいたころから、『文藝春秋』の内容が気になっていたが、その内容は、(主力の読者層であるらしい)高齢者向けの内容が大半である。

ただ、興味深いのは、保坂正康氏とか、半藤一利氏など、いわゆる『保守』系の人たちであるが、安倍首相の政治スタイルに対する『深い危機感』を抱いている人たちを、執筆陣のなかに抱えていることを発見したことだった。
(ただし、この路線は、おそらくいろいろ、経営内外の批判も受けるのであろう、その『鋭さ』を隠す、あるいはこの二人を登場させないことも次第に増えてきている。ちなみに、最新の『10月号』、あるいはその前の『9月号』にも二人とも登場していない。)

こういう状況なので、今度の『10月号』もまず、新聞広告を見て、内容に関心を抱いた。

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それで、早速、『10月号』の電子版をアマゾンから購入し、ダウンロードして読み始めた。

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これが、記事の冒頭部分である。
ところが、この記事、一定の長さはある(電子版だとページ数が確認しにくい。日刊ゲンダイの記事によると『12ページの長文』となっている)のだけど、どうも『切れ味』が悪い。

安倍首相の何を、どの程度、『批判』しているのか、どうも『真意』がつかみにくいのである。
それを示すために、何箇所か引用をせざるを得ない。
まず冒頭は、こうである。

<「築城三年、落城一日」
安倍晋三総理は2016年の年頭所感でこう述べた。
この言葉をなぞるかのように、安倍政権はいま“落城”の危機に直面している。>

同じページのなかで、次のようにも書いている。

<安倍政権はなぜここまで凋落してしまったのか。
15年間にわたり安倍を取材し続けてきた私には、その原因が安倍の「驕り」にあると思えてならない。>

<権力は、時が経つと疲弊し変質する。第二次安倍政権の4年8カ月を、これまでの取材をもとに検証し、安倍政権の失速の理由を分析する。>


キーワードは『驕り』という言葉である。

<天王山を迎えた2016年。一年の幕開けとなる通常国会の施政方針演説に、はっきりと驕りが表れた。(略)

「批判だけに明け暮れ、対案を示さず、後は『どうにかなる』。そういう態度は、国民に対して無責任であります」
「一億総活躍」政策でウイングを広げたことで自信を深めたのだろう。福祉政策をとっても、われわれ自民党が野党を凌駕している−−そう言わんばかりの挑発である。>


<森友学園や、それに続く加計学園に関する疑惑をめぐる国会質疑では、安倍の焦りが目立った。

安倍は、自民党の予算委員会の質問者に対して質問内容を細かく指示したり、萩生田光一、野上浩太郎、西村康稔といった側近たちにロジックや表現などを何度も相談するなど、落ち着きのなさを隠さず、報道の内容にもいらだちを見せた。>

特徴的なのは、安倍首相の『基本政策』自体は高く評価していることである。

<この年(2014年のこと−−引用者注)、外交面でも安倍は着実に成果を出しつつあった。
安倍の外交方針は、「地球儀俯瞰外交」。日米同盟を基軸としながらも、アメリカ以外の各国とも関係を強化し、不透明で流動的な国際社会を生き抜く。


そして長期政権を構築することで、国際的な舞台で古参のリーダーとして基本的価値や世界経済の成長を主導する−−安倍は日本の役割をこう位置付けた。>



『戦後70年談話』(私の批判してやまない、ヌエ的でごまかしの文書)についても、高評価である。

<談話をめぐって注目されていたのは、植民地支配、侵略、痛切な反省、お詫びという四つのキーワードだった。安倍はこれらを全てしたたかに盛り込むと同時に、次世代へ、「謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」という自らの決意も明確にした。

安倍が政権発足当初から周到に準備してきた70年談話は、国内外からの評価を得た。>



この調子で(『アベノミクス』についても、『憲法改正』についても)安倍の基本政策についてはすべて支持しているようだ。
ただ、批判しているのは、(内容がよくわからない)『驕り』のみ。

このような文章が果たして、『痛烈な安倍首相批判』(『日刊ゲンダイ』)と言いうるのか?
それとも、『日刊ゲンダイ』の既に紹介した記事を書いた人物は、果たしてこの岩田明子氏の文章をすべて、きちんと読んであの記事を書いたのか?
(あの記事のなかに、『自民党関係者』というコメントが付けられているのが、象徴的である。この同じ、『自民党関係者』の解説付きで、この文章を読んでいたのかもしれない。)


そもそも『驕り』がいけなかった、というのは、安倍首相自身が言っていることである。
つまり、この『文藝春秋』の岩田明子氏の文章は、(『全く』と言っていいほど)『安倍首相の政治』に対する批判になっていない。
(つづく)





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この岩田論文について菅野完氏が
ブログで批判しています。ご覧ください。 削除

2017/9/12(火) 午前 5:15 [ 真鍋雄太郎 ] 返信する

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> 真鍋雄太郎さん
今日は。教えて頂きありがとうございます。ところで、菅野氏のツイッターはフォローしているつもりだったのですが、ブログというのは、それとは別にあるのでしょうか?
ツイッターのほうも、大勢の人のを『調査対象』としているので、チェック漏れがあったかもしれません。岩田氏の文章について批判している方が結構、おられるらしいということを承知しています。
『枯れ木もにぎわい?』と思って、私自身でも書いている次第です。でも、有難うございました。

2017/9/12(火) 午前 10:57 [ 北京老学生 ] 返信する

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