北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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この記事の続きだ。


トランプ大統領が、昨夜(19日)、ニューヨークの国連総会で行った『初演説』について、日本のメディアが詳しく伝えるかと思っていたが、ほとんど伝えていない。

ただ、わずか、菅官房長官の記者会見で、トランプが『日本人の13歳の少女が拉致された』と演説の中で話したことを、『高く評価したい』と述べたと報じられている。
さらには、(産経新聞社発行の夕刊紙)『夕刊フジ』の本日夕方発行の号(日付は21日付になっている)は、1面左上に、次のような『客引き?』のための見出しを付けている。

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『トランプ「めぐみさん発言」 国連騒然』というものだが、はっきり言って、これはミスリーディングというか、『嘘』に限りなく近い。


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これが、『夕刊フジ』の2面であるが、どこにも、めぐみさんについての指摘で、国連が騒然となったとは書かれてはいない。
書かれているのは、次のような内容。

(北朝鮮に拘束されていたアメリカ人大学生が、釈放されると同時に死亡したこと。また、金正恩が兄の金正男氏をマレーシアで暗殺したこと、その後に)横田めぐみさんを念頭に、『13歳の日本人の少女を拉致した』などと述べ、さらに、『北朝鮮の脅威により米国が自国や同盟国の防衛を迫られれば、北朝鮮を完全に破壊するしか選択肢がなくなる』と発言。

『トランプ氏が強い表現で、北朝鮮にこう警告を発すると、ニューヨークの国連本部・総会議場からざわめきが起き
た』と『夕刊フジ』も書いている。

つまり、『騒然』となったのは、トランプが、北朝鮮を『完全に破壊する』と述べたことに対して、アメリカのトップが国連総会に出てきて、『いきなりそんなことを言うか』とばかりに、どよめきが起きたのである。
(この辺は、かなり意図的な『夕刊フジ』の見出しの付け方である。)


実は、このトランプ演説の開始直前に、北朝鮮の国連大使は議場を後にしていたそうだが、これはある意味で、北朝鮮のほうが、『大人の対応』である。

北朝鮮としては、トランプの(公衆のなかでの)公然と自国を侮辱する発言を、『聞かなかったこと』にしたのであろう。



そもそも、外交というのは、紳士淑女の『儀礼』の固まりのようなもので、仮に戦争直前の状態に至っても(あるいは、そういう状態だからこそ)、虚飾に満ちた『言葉のやりとり』をするのが普通である。

ところが、トランプ大統領の場合は、それでは『トランプらしさ』を発揮できず、自国の支持者たちを満足させることができないのだろう。
だからこそ、まるでカウボーイが、国連総会でいきなり演説をするような『粗野な言葉』を乱発している。

そして、その言葉を、国連の加盟国は、『我慢をしながら、聞いている』(あるいは、最も汚い表現の部分は、『聞かなかったふりをしている』)というのが、昨日の状況だったろう。

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これらは、それぞれイラク、シリア、キューバ、ベネズエラなどの代表団の様子である。
彼らは、それぞれ自分たちの国名(あるいはその近隣諸国の国名)がトランプの口から、表明された。

特に、(ここでは写っていないかもしれないが)イランなどは、オバマ大統領との間の『核合意』が『米国にとって最も一方的で最悪の取引だ』と、徹底したこけおろしの対象となった。

これは、トランプのオバマ批判という(いわば)内部事情を、そのまま外に持ち出して、イラン合意を非難するもので、『非礼極まりない』とも言える。
シリア、ベネズエラなどもトランプの攻撃の対象とされた。
(キューバは、直接、国名が挙げられていたかどうか、失念したが、トランプ流の思考法によれば、いつ対象となったにしても不思議はない。)

このように、演説の前半では、『アメリカは外国に対して、自国の価値観の押しつけはしない』と言いながら、恣意的に、『ならず者国家』を次々と名を挙げて攻撃していたのが、実情である。
(いつ、『口撃』が『軍事的攻撃』に転嫁するかわかったものではない。逆に、どこに対しても実際は、『軍事的攻撃』を行わないという可能性も、もちろん、存在しているが…。


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そのため、直接、名指しをされない国々の間でも、『トランプは、世界を)どうしようというのだ』といった警戒の雰囲気が漂っていた。
『これが、トランプ節なのか』という思いだったのかもしれない。

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唯一(ではないのかもしれないが)、にこにこした様子が写っていたのは、(おそらく)イスラエルの代表団だけであった。

実際、トランプは、『radical Islamic terrorism』という表現で『イスラム過激派』を非難していた。

CNNの記事によると、実は、トランプの側近たちは、この表現を避けて、最近では『radical  Islamist terrorism』という表現を採用させていたという。それが、元に戻ってしまったらしい。
(私は、よくわからないが、おそらく前者のほうは、『イスラム教』そのものが悪いというニュアンスを帯びている用語なのではなかろうか?)


私は、現状の国際情勢では、北朝鮮に対して、集中的に『孤立化』を促進させるような演説をするなら、まだわかる(しかし、それにしても、国のトップの発言としては、一定の『自制』が求められるのは、当然のことである)。


ところが、トランプ大統領の場合は、国連総会での初演説がよっぽど、うれしいのか、それとも『ここで、一発かましておくこと』が、国内の支持率の高揚につながると踏んでいるのか、『トランプ節』全開で、今回の演説を行った。

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これは、演説を終え、演壇から降りるトランプ大統領の様子である。
彼は最後のほうでは、『愛国主義が、すべての国家にとっての普遍的な原理だ』みたいなことを言っていた。


ここに来ているすべての国が、自らの武力で、『自国を守る』という気概を持とうではないか、というようなことも言っていた。
(これは、結局、アメリカができるだけ、国際紛争でのカネとヒトの投入負担を軽減するという『狙い』を実現するための布石の言葉でもあるのだろう。
安倍首相あたりは、日本の『憲法改正』を応援してくれる言葉として、有難い気持ちで聞いていたのかもしれないが…。)


また、この国連総会の『生中継』を行っていたCNN自体も、以前とは感じが変わっているようだった。
トランプの演説のあとで、何人かの解説者やキャスターみたいな人が、その内容の『コメント』みたいなことを言い始めていた(ちょっとだけ見て後は、見なかった)が、どうやら完全に批判的なトーンの人は、むしろ少数派のような印象だった。

最近、アメリカでは外での緊張激化ととともに、トランプへの支持率が上昇しているような報道もあるが、おそらく、『愛国主義の熱病』に対して弱い、というアメリカという国家・社会の弱点が露呈しつつあるのではないか、という気がしないでもない。


いずれにしても、アメリカが決意さえすれば、北朝鮮に対する(核兵器をも使用した)戦争が始まるかもしれないが、それが起きたとすれば、間違いなく、最大の被害者は、北朝鮮の人々、韓国の人々、そして、(北朝鮮の反撃の仕方によっては)日本を含むアジアの周辺諸国の人々である。

アメリカの被害というものは、朝鮮半島ならびにその周辺に派遣された軍人が中心であって、アメリカの本土の人たちが今の時点で犠牲になるというのは、考えにくい。
(逆に、だからこそ、アメリカでは『やれ、やれ』という声が高まりやすい。)


日本が何をなすべきか?
少なくとも、トランプの尻馬に乗って、軽率に『戦争を煽る』ようなことだけは、避けるべきであろう、と思うのだが…。






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