北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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この記事の続きである。


韓国外相直属の作業部会がまとめた、2015年12月の慰安婦問題の『日韓合意』に関する検証結果報告書の内容を見ていきたい。


この内容について、私が見たところ、なぜか(12月28日付の)『朝日新聞』の紙面にはこの『報告書』の詳しい内容が(少なくとも)別スペースをもうけて詳しく報じられてはいない。

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それに対して、『日本経済新聞』も『産経新聞』も紙面のなかのかなりのスペースを割いて、『報告書の要旨』なるものが掲載されている(以下、『日経』『産経』の順)。

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ただし、この2つの『要旨』は、元の報告書のなかをどのようにまとめるかに食い違いがあって、それぞれ微妙に書かれていることが相違している。

そこで、この『報告書』に何が書かれているのかを知るためには、『日経』と『産経』の2つの『要旨』を比較しながら読んでいく必要があろうかと思う。

(なお、なぜ『朝日新聞』が紙面の上で、報告書を詳しく報じることをしなかったのか、それは疑問である。
あるいは、『朝日新聞』に対するこれまでの『攻撃』にこりてしまって、『なるべく批判を受けないように』との『配慮・忖度』が行き過ぎてしまった結果かもしれない、という気もするがそれはわからない。)


以下、『日経』と『産経』の『報告書の要旨』を参照しながら、内容を見ていきたい。

前もって、感想を書いておくと、これを読んで感じるのは、『パククネ政権に対する厳しい指弾の姿勢』である。
その結果、『日本の姿勢』に対する追及がかえって『弱くなってしまっている』ようにも感じるが、逆に、この『報告書の要旨』を通して浮かび上がってくるのは、日本政府(安倍政権)のこの問題に対する『あいまいな態度』『ずるい姿勢』である。

本来的にいうと、この『報告書』を書く側においても、この『日本政府(安倍政権)のあいまいな態度』『ずるい姿勢』を厳しく指摘すべきであったと思うが、この『報告書』ではパククネ政権に対する批判が厳しい分、逆に日本政府(安倍政権)を結果的に『免罪してしまっている』面すら感じる。



しかし、日本人がこの『報告書』を読む場合は、『日本政府(安倍政権)はどうであったか?』をしっかりと見ていくべきだと感じる。

それでは、具体的に見ていく(日経新聞の記事をベースにして、さらに産経新聞の記述を必要に応じて見ていく)。

まずは、『報告書』の構成である。

■慰安婦被害者問題検証の作業部会発足
■慰安婦合意の評価
■合意の性格
■合意の構図
■政策決定過程
■結論

以上の6つの部分に分かれている(ただし、2番目の『■慰安婦合意の評価』という項目に最大のスペースが割かれている)。

さらに、『■慰安婦合意の評価』は、次のように小区分がされている。

日本政府の責任
日本政府の謝罪
日本政府の金銭的措置
最終的かつ不可逆的解決
在韓日本大使館前の(従軍慰安婦問題を象徴する)少女像
国際社会での非難・批判自制


ここで気が付くのは、この『日韓合意』において、日本政府が本来的にいうと、これまでの姿勢と異なり、随分、自らの『責任』と『謝罪』を明らかにしていたのだな、ということである。
(これは、本来、パク・クネ政権の側が交渉のなかで明らかにしたこととして、正当に評価されるべきであり、また、日本政府の誠実な『履行』を迫るべきものである。

しかし、ムン・ジェイン政権の側は、パク・クネ政権の『非』を糾弾するに熱心なあまり、逆に、日本政府・安倍政権の『居直り』を許してしまっているように感じられる。)

以下、このことを中心として、具体的に見ていく。

<■慰安婦合意の評価>部分の(1)日本政府の責任と(2)日本政府の謝罪について、『日経新聞』と『産経新聞』の報道を、順番に記していく。

まずは、『日経新聞』。

<(1)日本政府の責任
「日本政府は責任を痛感する」(日本側の発表)。日本政府の責任を飾り無く明示するようにしたのは、責任に関する言及がなかった河野談話などと比較して進展。

さらに首相の謝罪と反省の気持ちの表明、日本政府予算の拠出を前提にした財団の設立が合意に含まれたのは、日本が法的責任を事実上認めたと解釈できる側面がある。

だが日本は法的責任について日韓請求権協定で問題が解決済みであり、存在しないとの立場を堅持している。韓国側は従来より前向きな表現を得たものの「法的責任」の文言を引き出すことができなかった。

(2)日本政府の謝罪
「日本国内閣総理大臣として、いま一度、元慰安婦の方々に心からの謝罪と反省の気持ちを表明する」(同)。
安倍晋三首相が謝罪と反省を表明したのは前進。>


これに対して、『産経新聞』では、次のようになっている。

<(1)日本政府の責任
首相の謝罪、反省の気持ちの表明、日本政府予算による財団設立が合意内容に含まれたことは日本が法的責任を事実上、認めたと解釈できる側面がある。

(2)日本政府の謝罪
「おわびと反省の気持ち」という表現が含まれており、日韓合意という、より公式的な形でこのような意を明らかにした点で、今回の謝罪と反省の表明は従来のものより進展したとみることができる。>


このように、この部分については、『進展』『従来より前向き』との評価がありながら、逆に『……することができなかった』というマイナスの評価も並行して記述することで、前者の『プラス効果』を自ら打ち消してしまっている。

逆に、もともと『日本政府の責任』『謝罪』に対して否定的な態度をとっている『産経新聞』のまとめた『要旨』では、さらに簡略化した記述にしてしまっており、注意深く読まないと、日本が譲歩した(責任を認めた、謝罪反省した)という事実は、『印象』に残りにくいものになってしまっている。



検証チームが、この報告書をまとめるにあたって、最も強調したことは、<「不均衡な合意」という側面だ>とは、『朝日新聞』の記事にも書かれていることである。
しかし、韓国人の頭のなかで考える『不均衡』と日本人がこの問題について考える『不均衡』とはかなりの差がある。

実際は、『日韓合意』のなかで、日本政府(安倍政権)は慰安婦問題に関する『日本政府の責任』と『謝罪』を表明せざるをえなかったのであるが、それを日本政府の側は極力隠した。

安倍首相自身は、『謝罪と反省』の演説をしていない。ただ、岸田外相の声明文のなかで、そういった安倍首相の『立場』が代弁されているだけである。

安倍首相が、この問題がこじれて以降、繰り返し自らの側近等の言葉を通じて表明しているのは、『子や孫の世代に謝罪しつづける宿命を負わせるわけにはいかない』といった、むしろ『居直りの論理』であり、さらに『謝罪して、金も出すんだから、これ以上蒸し返すなよ』という『逆さになった<被害者感情>』の怨念でしかない。

しかし、このように、(本来、パク政権の成果の部分)を(ムン政権が)過小評価することが、逆に日本政府(安倍政権)の『居直り』を許してしまっているような印象さえ受ける。
(つづく)







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