北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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この記事の続きである。


前回の『その2』では、韓国外相直属の作業部会がまとめた『日韓合意検証報告書』の中身として、
■慰安婦合意の評価
という部分のなかの、『1.日本政府の責任』と『2.日本政府の謝罪』の部分を取り上げた。

今回は順番からいうと、『3.日本政府の金銭的措置』になるが、むしろ、『4.最終的かつ不可逆的解決』のほうが、(言葉として)のほうが、話題になりやすいので、まず『最終的不可逆的解決』の項を見ることにしよう。


『最終的かつ不可逆的解決』というと日本では、『韓国がたえず、問題を蒸し返す?』ので、『子や孫の世代に謝罪しつづける宿命を負わせるわけにはいかない』(安倍首相のご愛用のフレーズ)から、韓国側が勝手に『ゴールポスト』を動かせないようにとの『措置』だと宣伝されることが多いようだ。
だが、果たしてそうなのか?

もともとは、『慰安婦とされた人々』の尊厳を取り戻すため(少なくとも、そういう意味も含めての)『日韓合意』であったはずである。

それなのに、安倍首相が、『心からの謝罪と反省の気持ちを表明する』とした後にも関わらず、安倍応援団たちが、『元慰安婦の人たち』に対して、(到底『おわび・謝罪』と両立しそうもなく)醜悪、『ハラスメント』としか表現しようのない悪罵をネット上で投げつけている事が多いのは、どういうことだろうか?

(しかも、安倍首相自身のフェイスブックやツイッターも、こうしたトーンのコメントがあふれることが多い。だが、安倍首相は、『応援団たち』のこうした『マナー違反』に対して、警告すらしようとしない。)


こうしたことを見ると、『ゴールポスト』を移動させる行為の『問題点』は日本政府(安倍政権)あるいは、その『応援団』の側にもあると言わざるを得ない。

実際、今回の『報告書』のなかでは、これと関連している指摘がなされていた。

前回と同様に、『日経新聞』と『産経新聞』に掲載されていた、『報告書の要旨』にしたがって、これを見ていく。
(『朝日新聞』を採用しないのは、『朝日』では詳細な『要旨』を紙面に掲載していないからである。『朝日』が載せているのは、次のような、かなり簡略化された『検証結果(要旨)』だけである。これは、28日付のもの。)

イメージ 1


そして、『日経新聞』と『産経新聞』では次のように、『報告書要旨』あるいは『報告書詳報』といった形で掲載している。
イメージ 2

イメージ 3


重複する部分もあるが、それぞれの報ずる内容をここで紹介しよう。

まずは、『日経新聞』。

<(4)最終的かつ不可逆的解決
最終的・不可逆的解決という表現が合意に入ったことは、国内で大きな議論を呼んだ。
「不可逆的」の表現は15年1月の第6回局長級協議で韓国側が先に使用した。「最終的」の表現は日本側が局長級協議の初期に言及し、第6回局長級協議直後の第1回高官級協議で「最終的かつ不可逆的」な問題解決を要求した。

15年4月の第4回高官級協議で、日本側の要求が反映された暫定合意がなされた。韓国側は謝罪の「不可逆性」を強調したが、「解決」の不可逆性を意味するものに脈絡が変わった。

韓国外務省は暫定合意直後に国内の反発を呼ぶとして削除を検討するよう大統領府に伝えた。大統領府は「責任や謝罪を表明した日本にも適用できる表現」との理由で受け入れず。>


そして、『産経新聞』。

<(4)最終的かつ不可逆的解決
不可逆的という表現が合意に含まれた経緯をみると、2015年1月の第6回局長級協議で、韓国側が先にこの用語を使った。

韓国外務省は、暫定合意に「不可逆的」表現が含まれており、国内で反発が予想されることから、削除が必要だとの検討意見を大統領府に伝えた。しかし大統領府は「不可逆的」という表現は、責任の痛感および謝罪の表明をした日本側にも適用されるという理由から受け入れなかった。>


この2つの新聞の掲載した『要旨(詳報)』はもともと、同じものをベースにしているので、『似ている』のが当然である。
しかし、なぜか、『日経』が詳しいのに、『産経』はごく簡単に記述しているのみである。
このような『産経』の書き方で、読者に書かれている内容が果たして伝わるのだろうか?


この(特に『日経』の)報道によれば、『不可逆的』という表現を先に提案したのは、(日本側ではなく)韓国側ということである。

それは、(おそらく彼らから見ると)何か日韓間で合意をしても、絶えず『やはり、慰安婦というのは幻だ』『民間のビジネスでやられているもに過ぎず、日本政府にも軍にも責任はない』式の『暴言』がこれまでも何度となく、飛び出してきた。

そうした『暴言』に対してかんぬきをかける、そして日本側の公式な『謝罪』(本音での)を引き出すという意図で、『不可逆的』という表現を提案してきた。

ところが、これに対して、日本側が『逆提案』をして、いつの間にか<「解決」の不可逆性を意味するものに脈絡が変わってしまった(これは、純粋に交渉技術だけで考えると、日本側の交渉に『巧みな』面があったのかもしれない)。


それに対して、<韓国外務省は暫定合意直後に国内の反発を呼ぶとして削除を検討するよう大統領府に伝えた。>という。この辺の韓国内部の対立は、よくわからない。
そして、<大統領府は「責任や謝罪を表明した日本にも適用できる表現」との理由で受け入れず。>とある。

これは、もともとの韓国側が、(『不可逆的』という用語の採用を)主張した内容でもあるはずだ。
これが、どうして、外務省と大統領府で『対立』に至ったのか、よくわからない。

そもそも、『不可逆的』という用語が、日本に対する『かんぬき』となるためには、厳密に公式の(誠意ある)『謝罪とおわび』がなされたと感じ取れるものでなければならないはずだ。


それが、安倍首相は何も『演説』をせずに、ただ岸田外相の発言のなかで、『安倍首相は謝罪とおわびを表明している』と言ってみても、(他の自民党政権の場合は、どうか知らないが、トランプ大統領とも似た体質の安倍政権において)あまり期待できない、(つまり、安倍政権の側にこそ)『ゴールポストを動かす』危険性があるということは、ある意味で予想できたはずである。

これが、どうして、大統領府と外務省が一致して、日本側に(誠意の裏付けとしての)さらなる措置を求めるということにならなかったのか、この時点で(ある意味で、『偽りの』)『日韓合意』を急がなければならなかったのか、それはむしろ、謎のままに残ったという気がする。

そして、この『検証報告書』全般に当てはまる、パク政権を批判することに熱心なあまり、むしろ安倍政権の側に対する批判が、あいまいになっているという『共通性』が存在しているように感じる。
(つづく)






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