北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

全体表示

[ リスト ]

この記事の続きだ。


安倍首相の22日の施政方針演説について、言いたいことはいろいろあるが、今回は(先日、行ってきたばかりの)『沖縄』について語っている部分が妙に気になった。
そこで、『沖縄』関連にしぼって書いていきたい(この『中篇』と次の『後篇』で書いていく)。

安倍首相が『沖縄』について語っているのは、『5.地方創生』と『6.外交安全保障』の部分においてである。

前者において、『沖縄』は突然、語られる。
その前段の部分も含めて引用しよう。

<日本を訪れた外国人観光客は、5年連続で過去最高を更新し、2869万人となりました。地方を訪れる観光客は、3大都市圏に比べて、足元で2倍近いペースで増えています。

観光立国は地方創生の起爆剤です。
沖縄への観光客は、昨年9月までで、ハワイを上回りました。4年前、年間わずか3隻だった宮古島を訪れるクルーズ船は、昨年は40倍以上の130隻となりました。クルーズ船専用ターミナルの2020年供用開始に向けて、岸壁の整備を本格化いたします。アジアのハブを目指し沖縄の振興に引き続き取り組んでまいります。>


この直後には『IR推進法に基づき、日本型の複合観光施設を整備するための実施法案を提出します。』とあり、もちろん、これも沖縄と直接関連していると考える。

安倍首相は、『沖縄への観光客は、昨年9月までで、ハワイを上回りました。』と何気なく話しているのだが、これは何を意味しているのか。

沖縄県自体が、『ハワイ』という場所を、一つの『目標』と考えながら、自らの観光政策を推進してきたのである。
それは、沖縄県自体の事務所を台湾などにも設置して、継続的にさまざまな活動を行ってきた成果でもある。

イメージ 1


例えばこれは、『沖縄タイムス』の12月1日付の記事である。沖縄県が(代表的な海洋リゾート型国際観光地の)ハワイと比較しながら、自らの弱点などの分析を続けてきたことが読み取れる。
その一部を引用すると、次のような具合だ。

<ことし1〜9月に沖縄を訪れた観光客は、前年同期比8・9%増の711万5500人となり、同時期にハワイを訪れた観光客701万7300人(同4・9%)を超えた。

沖縄では、海外からのクルーズ船客の伸びや国際線の増便・新規就航により、2013年から4年連続で過去最高を更新しており、ハワイの伸び率を上回って推移している。

一方、(1)観光客の国籍の約8割が東アジアに片寄っている(2)平均滞在日数がハワイに比べて短い(3)観光客1人当たりの消費額が少ない−などの課題があり、世界トップクラスの観光地のハワイと肩を並べるには、誘客増加以外の取り組みも必要となる。>

イメージ 2



イメージ 3


こちらは、2017年の海外からの沖縄への観光客数の分析の記事である。
当然、これらは沖縄県自体が、そのようなデータをどういう風にとらえているのか、それを踏まえて『沖縄タイムス』がまとめたものだと思われる。

<県は19日、2017年(1〜12月)の入域観光客数が前年比78万3100人(9・1%)増の939万6200人となり、5年連続で過去最高を更新したと発表した。900万人台となるのは初めてで、国内、海外の航空路線とも新規就航が進んだことや、クルーズ船の寄港回数が増えたことが要因。国内客、外国客とも過去最高となった。県は17年度の入域観光客数について950万人を目標に掲げており、17年と同じ伸び率が1〜3月も続けば達成できるとみている。>

<外国客は全体の27・1%を占め、前年比46万100人(22・1%)増の254万2200人。国際線の直行便が昨年12月22日時点で週200便(前年同期は週171便)に増えたことや、東アジアのクルーズ市場拡大により県内寄港が前年の約1・3倍に増えたことがプラス要因となった。

国籍別には台湾が最多で全体の31・0%を占め、韓国20・6%、中国19・8%、香港10・1%が続いた。バンコク(タイ)−那覇やシンガポール−那覇の新規就航により観光客の国籍は多様化した。>


外国人の観光客の多さは、私自身11〜15日まで那覇市に滞在して感じたことである。
それから、台湾からの客が中国からの客と比べても多いのではないかという印象を持っていたが、この記事を見ても台湾が30.1%、中国が19.8%とある。やはり、台湾からが多そうだ。
(これも、先に書いたように、沖縄県が台湾に事務所を設けながら、持続的に沖縄の魅力を発信し、あるいは観光ルートの開拓を続けるなどの努力が実ったものとも言える。)

ところが、この問題について、(安倍首相の演説のトーンと)『対照的な記事』が実は書かれていた。

イメージ 4


こちらは、(安倍首相の盟友?ともいうべき)『産経新聞』の1月4日付の記事だ。
こんなことを書いている。

<沖縄県が県民経済計算の参考資料で、観光収入を過大計上していることが3日、分かった。異なる基準で計算して基地収入と比較し、結果的に「反基地」「脱基地」の県政に沿う形で、観光収入を大きく見せかけていた。

県民経済計算は売上高などから経費を除いたいわゆる利益部分を公表するが、同県の観光収入は売上高をそのまま公表。統計上欠陥がある状態で米軍基地反対運動の材料にも利用されている。

沖縄県は翁長雄志知事が講演や記者会見で、観光収入を引用して経済の基地依存の低下を強調し、「沖縄経済の最大の阻害要因は米軍基地」との主張を展開。地元2紙や基地反対派による「沖縄経済が基地に依存しているというのは誤り」とするキャンペーンや、運動の材料になっている。(省略)>


これは、典型的な『フェイクニュース』の類である。
こうまでして、沖縄県の観光立国にかける思いにケチをつけたいのかと、あきれるほどである。
実際、この記事に対する『反論』を、沖縄県として次のように発信され、『沖縄タイムス』でも記事にされている。

イメージ 5

その内容を紹介すると、次のようになる。

<産経新聞が4日付で、「沖縄県が観光収入を過大発表し、基地関連収入と比較することで基地反対運動の材料に利用している」と報道したことに対し、翁長雄志知事は19日、「残念。筋違いの報道と思う」と述べ、内容を全面的に否定した。

産経新聞は「県民経済計算は、売上高などから経費を除いたいわゆる利益部分を公表するが、沖縄県の観光収入は売上高をそのまま公表」と指摘。観光収入を大きく見せかけ、「沖縄経済が基地に依存しているのは誤り、とするキャンペーンの材料にしている」と批判的に取り上げた。


翁長知事は「国も、他の都道府県も観光収入を同様に計算している」と反論。「沖縄だけをこのように取り上げ、基地収入をごまかしているというような話をするのは大変残念」と不快感を示した。

県によると県民経済計算の参考資料として1973年から作成しており、翁長県政で始まったものではない。産経の報道では、翁長知事が講演や記者会見で観光収入を引用して基地依存の低下を強調している、と取り上げている。

翁長知事はこれも否定。県民総所得に占める基地関連収入の割合が復帰時の15%から現在の5%に低下したことや、基地返還後の跡地利用による経済効果を根拠に「基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因」と主張していることを説明した。>


ところが、安倍首相の演説では先に述べたように、『やや意味不明』だが、とにかく(この部分では)沖縄を(いちおう)ほめたたえておきたいといった語り方である。

一体、彼は何を狙っているのか?
その謎は、この演説の先を見ていけば(そのからくりが)わかることになっている。
(つづく)








https://politics.blogmura.com/politicalissue/ranking_out.html にほんブログ村 政治・社会問題]
にほんブログ村のランキングに参加しています。
よかったら、この記事にクリックをお願いします。 

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(0)


.


みんなの更新記事