北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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この記事の続きだ。


1週間前に参加した講演集会について書いている。
時間がたってしまうと、自分が汚い字で取り急ぎ書いた、講演のメモすら(自分でも)わかりづらくなってしまっている。

ただし、時間の経過によって、逆に一層、明瞭になってきた部分もある。
次のようなことは言えると思う。

前川氏は、(一見すると)『官僚の脱落者』、あるいは『官僚の反逆児』のように見えるかもしれないが、彼自身は、むしろ自分が『官僚の正当な在り方』だと思っている(ようだ)。

そして、『文部科学省の役人』としての誇りを持っている(A)。
同時に、『日本国憲法の良さ』について確信を持っている(B)。
その反面として、昨今、『教育勅語』が持ち上げられている傾向に対して批判をしている(C)。

ただし、並みの(文部科学官僚と少し違っているのは)現在の学校教育が持っている問題点についても、よく知っており、それを自分の『実践』を含めて克服する道を探っているという点であろう(Ⅾ)。

以下、それらの諸点について、もう少し詳しく書いてみよう。
講演のメモが不十分だったので、いくつかの点については、この日、現場で売られていた前川氏の著者=『これからの日本、これからの教育』(前川喜平・寺脇研著、ちくま新書、これはお二人の対談の記録である)からの引用をプラスしたい。

イメージ 1

(A)『文部科学省の役人』としての誇りについて


前川氏は、東大を卒業して、官僚への道を志すにあたって、『人にかかわる仕事をしたい』だから、当時の『文部省が良いのではないかと思った』と話していた。
『ただし、一番人間らしい部分に触れられる』と思って入った文部省は、『ひどい所だった』という。
(必ずしも、詳しい理由は述べなかった。)

昨年(2017年)7月の国会の閉会中審査において、前川氏は加戸守行氏(前・愛媛県知事)と並んで参考人として陳述を行った。
この加戸氏は、前川氏にとって『40年近く前、上司だった』という仲だと(講演のなかで)話した。
当時、文部省の総務課長を加戸氏は務めていたようだ。

なお、幾人もの官僚のトップクラスの人々が、今回の問題でやり玉にあがり、謝罪を繰り返したり、『記憶にありません』などと誰にも嘘がわかる、醜い答弁を余儀なくされている。

そのことについて、前川氏は、『彼らは悪いというより、弱いだけ』『むしろ、気の毒に思う』と述べた。
ただし、『財務省の福田淳一氏?だけは、ちょっと別かもしれない』とも言う。
(これは、『相当のワル』という意味なのだろうか? メモの取り方に不備があって、今となっては、よくニュアンスがくみ取れないところもある。)


前川氏が、『文部科学省の役人』としての誇りを持っていることは、彼の事務次官辞任の時の(全職員にあてた)メールの文面でもわかる。

<あとは皆さんで力を合わせてがんばってください。
そして皆さん、仕事を通じて自分自身を生かしてください。職場を自己実現の場としてください。


初代文部大臣森有礼の「自警」の表現を借りて言うなら「いよいよ謀りいよいよ進めついにもってその職に生きるの精神覚悟あるを要す」です。

森有礼は「その職に死するの精神覚悟」と言ったのですが、死んでしまってはいけません。人を生かし、自分を生かし、みんなが生き生きと働く職場をつくっていってください。>


仮に前川氏が、職場の『基本的な倫理』を裏切り、『自己の利益』のために不正をした人物であるとしたら、こんなメッセージなど残せるはずがない。

むしろ、彼は文部科学省がそれまで大事にしてきた『原理』を大切にして、首相官邸などの権力のトップに抗した官僚だったと言えるのだろう。

なお、ここで森有礼という人の名前が出てくる。
先に紹介した『これからの日本、これからの教育』には、森有礼について次のような記述がある。

<明治18(1885)年に内閣制度ができて、初代文部大臣になったのが森有礼でした。
39歳のときです。明治22(1889)年、森が43歳のときに国粋主義者に脇腹を刺されて非業の死を遂げています。
ですから、森有礼が文部大臣として仕事ができたのは、ほんの数年でしかなかった。その短いあいだに、近代日本の教育制度の礎を築き上げたわけです。>


<森有礼はとても開明的な人で、封建的な日本のままではダメだと主張したことが頑迷な保守派に憎まれ、暗殺された理由の一つと言われているほどです。>


<森有礼はもともと薩摩藩士で、明治維新のとき、20歳だったから、激動の時代を生きた人だよね。維新後は福澤諭吉や西周らと明六社を結成したことでも知られている。>


私は、以前、菅原文太さんが亡くなったのちに、昔のNHK大河ドラマ『獅子の時代』を見たが、そこで、森有礼のように『正義』と『理想』を実現しようとして倒れる人たちが描かれていたように記憶している。
(長くなってしまったので、もう一回、続けることにする。)
(つづく)









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