北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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昨日(4日)、財務省が森友学園問題に関する『調査報告書』なるものをまとめた。
興味があったので、久しぶりにその『報告書』そのものをネットで探した。




これをプリントアウトしたものが、これ。
(プリンターの調子が悪いので、インクのしみがいろいろあるが…。)

全部でA4(サイズは自分で指定できるが)で51ページ(表紙と目次を含めると54ページ)のシロモノである。
51ページといっても、これはPDFファイルを打ち出したのだが、妙に大きなサイズのフォントで指定がされていて、本文は1ページ、28字×26行=728字分しかない。

つまり、もっとサイズの小さな文字でレイアウトすれば、おそらく30ページくらいに簡単にページ数が減ってしまうのではなかろうか?
(わざと、大きなサイズのフォントを使用して、ページ数をかせいだという印象だ。)


なぜ、こんなことをするのかといえば、『中身』がほとんどないから。

何しろ、この『調査報告書』、誰が、何を目的として、どのような手順、プロセス、手段で調査を行ったのかということがほとんど書かれていない。

要は、『財務省』が『財務省』を調査して、大甘の『処分』をしてみせるという『パフォーマンス』に過ぎないという気がする。


この『調査報告書』のタイトルは、『森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書』になっている。

聞くところによれば、財務省はこれまで、『書き換え』という用語を使用していたのだが、今回、はじめて『改ざん』という用語に切り替えたらしい。

実際、この『調査報告書』の1ページの欄外の脚注に次のように記されている。

<財務省は、平成30年3月12日(月)の公表以降、本件について「決裁文書の書き換え」と表現してきたが、国会審議等において「改ざん」と表現すべきとのご指摘を頂戴している。

後述するような経緯や目的等を踏まえれば、本件については「改ざん」と表現することが適当だと考えられることから、本報告書においては「改ざん」との表現を用いることとする。
ただし、当時の職員の認識を記載している箇所等においては、「書き換え」等の表現を用いている場合がある。>


このように書いてあると、何やらもっともらしい印象を受ける。
しかし、この『調査報告書』では「改ざん」という用語は用いられているものの、法務省のこの問題に対する認識は、(実質的には)「書き換え」に過ぎないというもののように思われる。

この『調査報告書』の1ページに、いちおう『決裁を経た行政文書を改ざんし、それを国会等に提出するようなことは、あってはならないことだし、誠に遺憾である。』と書かれてはいる。

しかし、この『調査報告書』のなかには、『元々の決裁文書は、本省理財局の感覚からすれば、決裁のために必要ではない情報が多く含まれていると考えたこと』『虚偽の内容を追加しているわけではなく、また改ざん後の文書であっても、決済の本質的な内容が変わるものではないと考えたこと』『…から最終的には許容範囲だと考えて、改ざん作業を止めるまでには至らなかったものと認められる』(37ページ)などと書かれている。

こうした『理財局の考え?』を無批判に引用していることは、この『調査報告書』自体が同じような立場から書かれていることを示している。

つまり、『改ざん』という表現に変更はしたが、実際は、『書き換え』であり大した問題ではないと考えているということがミエミエである。


麻生大臣などが、非常に無責任な態度で平然として記者に対応しているのも、財務省全体のそうした姿勢(いちおう、『改ざん』と呼ぶが、中身は大して害のない、『書き換え』に過ぎないと考えていること)を反映しているものにほかならない。


このいい加減な『調査報告書』をまとめるにあたって、財務省は、最初からその範囲を『限定』している。

『調査報告書』の4ページの脚注には、次のように書かれている。
<本報告書は、平成29年2月以降の森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査の結果をとりまとめたものであり、上記の価格算定手続の妥当性等を含め、平成28年6月20日(月)の事案終了前の状況について調査を行ったものではない。>

さらに、調査の対象の組織についても、次のような論理で、『限定』をかけている(6ページの記述)。

<国会答弁資料は、答弁予定者が内閣総理大臣や財務大臣等であれば、本省大臣官房文書課の審査を経て、秘書官の確認を受けてセットしている。また、答弁予定者が理財局長であれば、大臣官房文書課は審査をせず、理財局長が内容を確認してセットしている。>

<国会議員等からの資料請求、個別の説明要求、会議出席要求等については、本省大臣官房文書課が窓口となるが、実際の対応は担当課室の職員が行っており、森友学園案件であれば、基本的に本省理財局の職員が行っている。>

このような書き方をすることで、この問題が『理財局の内部』だけで行われたという『ストーリー』が通りやすく、また、『理財局以外の役職』を免罪するための『伏線』としていると考えられる。


実際、今回の処分では、次期の財務省の事務次官候補とされる岡本薫明主計局長(改ざん当時の官房長)も『一連の問題行為を全く認識していなかった』として懲戒処分ではなく、財務省の内規で定める『文書厳重注意』にとどめている。

『朝日新聞』の本日(5日)付の記事によれば、『財務省が調整中の人事案では、岡本氏を主税局長に留任させる方向だ。将来の次官候補を温存したようにもみえる。』としている。


つまり、この『調査報告』というのは、『財務省による、財務省のための』ものであり、あえて『理財局の内部』限定の『行為』としているのも、『財務省の利益』を考えてのものであるのだろう。

さらに、このようなストーリーを完成させるために、『近畿財務局の統括国有財産官のは以下職員は、そもそも改ざんを行うことへの強い抵抗感があったこともあり、本省理財局からの度重なる指示に強く反発』『結論として、近畿財務局においては、統括国有財産管理官の配下職員についてはこれ以上作業に関与させないこととし』たなどと記述しながら、この人物と、『自殺した』とされる人物との関係(同一人物なのかどうか)については、記者会見でも答弁しないという『不誠実さ』を見せている。


結局、今回の『調査報告書』は、『改ざん』『廃棄』が誰の指示によるものかは、明確にしていない。

例えば、以下のような記述がある。

<理財局長は、当該文書の位置づけ等を十分に把握しないまま、そうした記載のある文書を外に出すべきではなく、最低限の記載とすべきであると反応した。理財局長からはそれ以上具体的な指示はなかったものの、総務局長及び国有財産審理室長としては、理財局長の上記反応を受けて、将来的に当該文書の公表を求められる場合に備えて、記載を見直す必要があると認識した。>(24ページ)


このようなあいまいな記述、あるいは『阿吽の呼吸』みたいな話が羅列されていて、これが『調査報告』なのだという。

しかし、先の近畿財務局における職員の『抵抗感』に関連して、『理財局長は、必要な書き換えは行う必要があるとの反応であったため、総務課長から国有財産審理室長及び近畿財務局の管財部長に対して、最低限、政治家関係者からの照会状況の記載と、それまでの国会答弁との関係が問題となりかねない箇所については書き換えが必要である旨が伝えられた。』(29ページ)と書かれている。

これらから、安倍首相の国会答弁との整合性を確保するために、昭恵夫人あるいは夫人付き職員についての記述を『改ざん』することが、大きな『動機』となっていたことが、十分うかがえる。

このような『調査報告書』をまとめながら、麻生財務大臣は、改ざんの動機を問われた際には、「それが分かりゃ苦労せんのですよ。」などと記者会見で答えたと報道されている。

また、<麻生氏は会見で「佐川自身が改ざんしろと、書き直せと言った形跡がない」として、具体的な指示を確認できなかったことを示唆した。
「正直俺たちから見ても、どうしてそうなったのかよくわかりません」と語った。>と『朝日新聞』は報じている。


正直、麻生大臣に『真相究明・組織の立て直し』を求めるのは、ある種の『論理矛盾』であろう。彼自身がこの一連の『改ざん・廃棄』の『利害関係者』なのであるから。

この事件で前々から登場してくる鴻池祥肇・参議院議員(兵庫県選挙区)は、自民党麻生派の所属であり、麻生氏の側近の一人とされている。
(なお、鴻池氏は『健康』『高齢』を理由に、『政界引退』を表明していて、来年の参院選には、彼の長男で公設秘書の人物が、立候補すべく自民党に公認申請をしているという。)


だから、麻生大臣と安倍首相の双方に『お辞めいただく』しか、事態解決の道はない。

まだ、そのために現状では『証拠不十分』というのであれば、(刑事不起訴によって、証言拒否の理由がなくなった)佐川氏の証人喚問、それから、安倍昭恵夫人、谷査恵子氏、あるいは加計孝太郎氏ら(加計学園事件関係者)らに国会に来ていただき、証言をしていただくしか、『真相究明』の道はないのではなかろうか?

いつまでも、それを拒否し続けているからこそ、『ダラダラした危機』が永続していくのである。










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