北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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安倍首相は、来月の自民党総裁選において、国会議員の票をほぼ固めたと言われている。

本日(10日)、石破茂・元幹事長は出馬表明をした。
タイミング良くというべきか、本日発売の月刊『文藝春秋』9月号に石破氏の文章が掲載されている。

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私は、午前中にこれを購入したが、いろいろ雑用が多くてまだ読めていない。
石破氏に対しては、『安倍首相以上のタカ派ではないか?』という疑問の声があるのもたしかだ。
だが、安倍首相の三選を阻止するため(あるいは、『三選』されて以降も、倒すため)には、石破氏が重要な選択肢となりうることも、たしかであろう。

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本日の『読売新聞』を見るとこのような図表を掲載していた。

2面の記事を読んでも、安倍首相は、自民党内の7派閥のうち、昨日(9日)安倍『首相の連続3選支持』を決めた第7派閥の石原派(12人)のほか、<第1派閥の細田派(94人)、第2派閥の麻生派(59人)、第4派閥の岸田派(48人)、第5派閥の二階派(44人)からも支持を集めており、無派閥議員も含め国会議員票(現在405票)の約7割を固めた>としている。


自民党の国会議員の数だけ考えると、安倍首相のほうが圧倒的な票を集めつつあることは事実だ。
しかし、自民党総裁選それ自体を考えたとしても、国会議員と同数(405)のポイントを有する『地方票』の存在がある。

ただし、仮に3人以上が出馬して、だれも『過半数』の票を獲得することができない場合、上位2氏の『決選投票』になる。
この場合は、国会議員の票数(405)は同じだが、地方票はわずか『47』としかカウントされない。)

だが、野田氏が出馬できる可能性は低いような気がするので、この安倍首相にとって、『有利な条件』は発動されない可能性が高い。

それとも、自分にとって、より『有利な条件』を引き出すために、野田氏の出馬のための条件整備に手を貸すという『策略』もありうるのだろう。



安倍首相が、自民党内の論理だけでいけば、『圧倒的に有利』な状況は変わらない。
だが、最終的に、安倍政権が『倒れるかどうか』を判断するのは、『国民全体の世論』であろう。

これまでは、『世論』は『安倍支持』『安倍不支持』と『無関心』の3層で構成され、その結果、『安倍支配』は容認されてきた。
だが、この奇妙なバランスは、最近、変わりつつあるのではないかという気がする。


いろいろな問題で、あまりにもはっきりしてきている『嘘だらけ』『見せかけの改革』だけの安倍政権に対して、反発が拡大しつつあるような気がする。
その一つの『きっかけ』となるかもしれないのが、沖縄県知事選挙を巡る状況だろう。

私も、今年の1月に『2度目の沖縄旅行』に出掛けたくらいで、沖縄に関する知識は、ほとんど持ち合わせていない。
だが、沖縄において、いま『変化』が出来つつあるのではなかろうか、という印象はある。


私も詳しい状況は知らないのだが、2014年の県知事選勝利で翁長氏の勝利を生み出した『オール沖縄』(保守・革新を超えた議員や経済界で構成される)は、最近の市長選での『連敗』に象徴されるように、一種の『分解』を迎えつつあったというような指摘が新聞などでされている。


『読売新聞』(9日)などは、(オール沖縄のなかで)<保守系議員はこの4年で落選が相次ぎ、「共産党の独り勝ち状態」(企業経営者)となった。左傾化の強まりに反発し、企業や元自民党議員の離脱も続出した。>と書いている。


しかし、こうした状況の中で翁長氏は、『自らの死』を意識的に、ある種の『タマ』に変換して、反撃を『演出』しようとしたかにも見える。

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私の手元に、『現代思想』という雑誌の2015年4月臨時増刊号というのがある。
総特集『菅原文太 反骨の肖像』という文字が表紙をかざっている。
これは、2014年11月28日に、肝不全のために81歳で亡くなった、俳優菅原文太氏の特集号である。

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菅原文太さんは、映画『仁義なく戦い』シリーズ(1973年公開の作品が第1作)で有名になった。
雑誌『現代思想』には、安次富浩(あしとみ・ひろし、ヘリ基地反対協議会共同代表)が書いた次のような文章が掲載されていた。
これは、この雑誌を取り上げた、私の昔の記事である。


2014年11月1日に沖縄県知事選の終盤戦で、那覇市のセルラースタジアムで開かれた、1万5000人の集会のことが安次氏の文章を引用しながら、まとめた。
菅原文太さんは、カートに乗って登場し、次のように話をした(という)。
 
【カートに乗って、楽をさせてもらったけど、八○過ぎたんで、さっきの二人みたいに走れないよ。
 三○年前なら、あの倍くらいのスピードで走ったけどね。】

【今日は自分から立候補して、ピッチャー交代、知事交代、ということで押し掛けてきました。
 プロでない私が言うんだから、あてになるかならないのか分かりませんけど、政治の役割は二つあります。
 一つは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせること。
 もう一つは、これが最も大事です。絶対に戦争をしないこと!

 私が小学校の頃、戦国少年でした。なんでゲートルを巻いて、戦闘帽を被って、竹槍を持たされたのか、
 今振り返ると、本当に笑止千万です。
 
 もう二度と、ああいう体験は子どもたちに、子どもたちだけじゃない、大学生も、あの雨のなか、
 将来大事な大学生が戦地へ運ばれて、半数が帰ってこなかった。】

【今の政府と−−本土の政府ですよ、仲井真知事は、まさに戦争が起きること、戦争をすることを前提に、
沖縄を考えていた。前知事は、今、最も危険な政権と手を結んだ。沖縄の人々を裏切り、公約を反古にして、辺野古を売り渡した。】


【古い映画だけど、『仁義なき戦い』に、裏切り者の山守、覚えてらっしゃらない方もいるかな?
 映画の最後で、「山守さん、弾はまだ残っとるがよ。一発残っとるがよ」というセリフをぶつけた。

 その伝でいくと、「仲井真さん、弾はまだ一発残っとるがよ」と、ぶつけてやりたい。】

これが、2014年11月の沖縄県知事選挙の直前に、菅原文太さんが語った言葉である。


今、この演説のことを思い出し(映像が残っていて、当時のニュース報道のなかでもその映像の一部が紹介された)、なおかつ映画『仁義なき戦い』自体の終わりのシーンを思うと、今回、翁長さんは、今年に入ってからの『すい臓がんにかかっていること』の公表(4月)、6月23日の『沖縄慰霊の日』の集会における、安倍首相との印象に残る『ニアミス?』(6月)、そして、『辺野古の埋め立て承認撤回』を表明した記者会見(7月27日)と、自分の命の最後の『ともしび』を意識していたと感じる。


そして、まるで、自分自身を残された『最後のタマ』に転換するかのように、命の終結と、『タマの発射』を結び付けた。

それは、『安倍政権に象徴されるもの』に対する『反撃のタマ』であると同時に、仲間たちにもう一度、一回り大きな『輪』をみんなで作っていこうという呼びかけだったのだろう。


これに対して、その直後に、沖縄の生んだ『歌姫』の独りと言ってよい安室奈美恵さんが、コメントを発表した。
地元紙の『琉球新報』は次のように報じている。

<翁長雄志知事の死去の訃報を受け、県出身の歌手、安室奈美恵さんは9日、公式ホームページでコメントを発表した。

 「お悔やみ申し上げます」と題した一文の中で安室さんは「体調が優れなかったにもかかわらず、私を気遣ってくださり、優しい言葉をかけてくださいました」と県民栄誉賞授与式を振り返り、「沖縄の事を考え、沖縄の為に尽くしてこられた知事のご遺志がこの先も受け継がれ、これからも多くの人に愛される沖縄であることを願っております」と知事の冥福を祈った。>


このニュースが流れて後、翁長知事が亡くなった直後は、コメントを発表しなかった安倍首相(それに対して、4日に亡くなった『お友達』の俳優・津川雅彦氏の死に対しては、自分のツイッターで4度にわたって連続的にツイートして、偉業をたたえていた)が、どいうわけか、次のようなコメントを出し始めた。

<安倍晋三首相は9日、長崎市で記者会見し、沖縄県の翁長雄志知事の死去について「謹んで哀悼の誠をささげる。常に沖縄の発展のために文字通り命がけで取り組んでこられた政治家だ。改めて翁長知事のこれまでの沖縄の発展のために尽くされたご貢献に対し敬意を表したい」と述べた。>

<また「戦後70年以上経た今も沖縄には米軍基地が集中しており、大きな負担を担っていただいている。基地負担の軽減、沖縄の発展のために沖縄の皆様に寄り添いながら全力を尽くす決意だ」と語った。>

これは、『毎日新聞』の記事である。
このようなコメントを発表したのは、おそらく翁長氏の死に同情して、『安倍首相に対する反発』が沖縄のなかに燃え広がることを案じたのであろう。


ちょうどこれから、お盆の時期になる(沖縄の場合など、おそらく、親族や友人たちなど人々が集まり、情報が『共有』される大事な時期なのであろう)。

このまま、安倍首相の『冷血なイメージ?』が仮に爆発的に拡大してしまえば、いわゆる『無党派層』の反発によって、県知事選の動向は、全く先が見えないものになってしまう。

沖縄県知事選は9月の23日か30日に実施される予定というが、これは、9月7日告示で、20日投票だという自民党総裁選の日程でまるっきりかぶっている状況である。


そうすると、『沖縄県知事選』の動向が、自民党総裁選にも影響を与える可能性があるし、逆に安倍氏が『順調』に総裁として『3選』されたとしても、その直後にそれを否定するかのような結果が、沖縄県知事選で示されるとしたら、全く台無しの状況になってしまう。

だからこそ、安倍首相らは、短時間に『手のひら返し』をして自らの『イメージ改善』に努めようとしているのであろう。

だが、このような姑息な対応が、どのように人々に迎えられるかは、全く未知数である状況だ。








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たとえ次期沖縄知事が誰になっても
「総裁として『3選』されたとしても、その直後にそれを否定するかのような結果にはなりえない」そこに沖縄の思い上がりが見える

2018/8/11(土) 午前 10:52 あっちゃん 返信する

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> あっちゃんさん
まあ、物事の受け止め方は、人それぞれですね。

ともかく、沖縄のことを一応、この際、考えないとしても、安倍首相が『自民党総裁として3選』されようが、されまいが、『世論調査』等で国民の支持が、『崩壊?していく』とすれば、参院選前に首相の座を降りなければならないのは、自明のことです。
まあ、安倍首相の場合は、実際に参院選での結果が出ないと、なかなか動かないと思いますので、参院選などの結果が出てからということになるかもしれませんが…。

2018/8/11(土) 午後 6:18 [ 北京老学生 ] 返信する

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