北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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(今回は、『後篇』とすべきところだが、あと、1〜2回書かないとこの本のエキス、そして浜井市長の『苦悩』のようなものは紹介しきれないと感じるので、今回を『その3』とし、その後、これまでの分を『その1』『その2』と改めることにする。)


最近、『自民長総裁選』などを巡って、安倍首相のふるまいが、あまりにもひどいので『昔の自民党は良かった』みたいな議論が出てきがちである。

しかし、この『原爆市長 復刻版』を読むと、『自民党』はやはり昔から、問題点を抱えていたのがわかる(安倍首相の場合は、その『矛盾』が行き着くところまで行ってしまい、『非・自由・民主党』の極致にたどり着いたということなのだろう)。


この本の135ページ以降には、広島出身でハワイに移民していた人々が、広島の被爆に際して、『救援の手』を差し伸べたことが書かれている。
<昭和22年の半ばごろから、祖国日本を訪問する海外同胞がしだいにふえて来た。中でもハワイ在住の同胞が特に多かった。>

特に市議会議長の寺田氏は、『長い間ハワイにいた人』だったそうで、彼の兄とやはり広島市内出身の2人が、氏を訪ねてきたとき、焼け跡に案内して窮状を訴えた。

<この二人がハワイへ帰って行って、「おーい、われわれの故郷広島はひどいぞうッ! 広島を救え!」と叫んだ。そして救援の狼煙をあげた。その火はたちまちハワイ全島へひろがった。>


他方、わが国の政府の対応は『冷たかった』と浜井氏は書いている。
大蔵省、建設省、経済安定本部での対応は、次のようなものだった。
<戦災都市は全国に百二十もある。原爆を受けた広島の戦災は大きかったに違いないが、広島にだけ特に多額の補助金を出し事は困難だ。それには何か特別の根拠がなければならない、というのである。>

政府のなかでも(かつて)<実現に尽力すると固い約束をしてくれた石橋蔵相、引退してしまっているし、この問題についても大蔵当局はつめたかった。>


そこで、浜井氏らは『広島原爆災害復興対策に関する請願書』を作り、平和国家日本建設という歴史的意義もあるからという理屈で、超党派での『議員立法』で広島復興に関する特別法『広島平和記念都市建設法案』というものにまとめ上げた。

(浜井氏によると、『いまにして思えば、そこまで気を使う必要があったかどうか疑問なのだが、とにかく、広島の戦災の歴史的意義から説きおこし、広島を平和のメッカとして建設することは世界の輿望であること、それはまた、戦争を放棄して平和国家の建設を国是とする日本の、対外信用を高めるゆえんであること、今は模範的な近代都市を建設する絶好の機会であり、他の都市計画の推進にも役立つこと、観光の面でも外貨を獲得して国家経済に寄与することもできることなど、五、六項目の理由を盛りこんで、「広島原爆災害総合復興政策に関する請願書」をつく』ったと書かれている。

この文章は、当時、いかに周囲の『抵抗』が強かったかを、逆に浮き彫りにしているとも感じる。)

ただし、この法案をGHQの国会担当のウィリアムス氏のところにもっていったところ、むしろ日本政府寄りも反応が良かったという。

<「これは素晴らしい!」という言葉が、まず私の耳にとびこんだ。>
<「今日まで日本の国会でやって来たことは、すべて国内のことばかりだが、この法律が議決されれば、それは国際的にも大きな意義を持つことになるだろう。……国会の方から私に相談があったら、私からもこの法案の意義をよく説明して、早く議決するように勧めよう。国会から法案の承認を求めて来たら、私自身、マッカーサー元帥のところへ行って、サインをもらってくる」>
このように言ったという。
(このあたり、GHQの中にいた、いわば『理想主義』的な考え方の持ち主が共鳴していたことがうかがわれる。)

この法案は、特に広島出身の国会議員や市会議員たちが、活発に動いて成立に至った。
<ただ、市議会の民自党倶楽部の市議たちだけは、終始一貫してそっぽを向き、傍観者的態度をとった。この常軌を逸した運動が成功するとは思わなかったのである。>
とも浜井氏は書いている。
(この『民自党倶楽部』というのは、広島市議会のなかで、相当の勢力を占めてもいたようである。実際、浜井氏は、翌年4月  1955年4月の市長選挙で落選し、『3選』を阻まれている。)

そして、<「広島平和記念都市建設法」は、24年5月10日、衆議院を通過した。>
<法案は翌日、参議院でも満場一致で可決された。この法律は、7月7日に広島市の住民投票に付され(一地域を対象とする『特別立法』であるため−−引用者注)、絶対多数の賛成投票を得て、その年の8月6日、原爆4周年記念日に公布された。>
(つづく)








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