北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

全体表示

[ リスト ]

前にも、この記事で紹介したが、私が昨年から住んでいる台湾・台中市では11月24日に予定されている『統一地方選挙』に向けて、活気づいている。

(選挙が、台湾のなかでは、お祭りみたいなものになっているせいもあるみたいだ。まあ、1987年まで40年近く、戦後、『戒厳令』がしかれていたのだから、当然なのかもしれないが…。)

9月3日付<【台湾】統一地方選と合わせて、『福島』の食品輸入解禁反対の住民投票実施へ>


今回の選挙は、(4年前と同様に)『九合一』と呼ばれる9種類の地方選挙が一斉に行われ、その結果は、2020年の次の総統選挙と国会議員選挙に直結しかねないという重みをもっている。

(ちなみに、台湾の国会は、『一院制』であり、任期4年の全議員が改選される。『小選挙区』と『比例代表』の並立制だが、そのほか、原住民向けの中選挙区がある。また、比例代表の当選者の半分以上は、女性候補でなければならないというクォータ制もある、という。
投票行為によって、結果がドラスティックに変化する選挙制度のようだ。)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3


前に紹介した写真もあるが、台湾ではポスターのサイズは(日本のようには)規制されていないようで、このようにビルの壁面をおおうような、『垂れ幕』が街の至る所にかかげられている。

台中市内では、『市長選』と『市議選』それに、『里長』と呼ばれる一番、末端の役職の選挙が実施される。
なかでも、『市長選』は、台中市が6つある『直轄市』の一つであるため、最重要のようである。

(台中市は、6直轄市=6大市のなかで、人口が新北市についで第2位である。第3位は僅差で南部の高雄市、さらに、第4位は台北市になっている。)


上記の写真は、いずれも、『盧秀燕』という中国国民党(野党)の女性候補を含んだものになっている(市議候補と一緒のポスターになっている)。

イメージ 4


ちなみに、台中市の現職市長は、民主進歩党=民進党の林佳龍氏である(この写真の中央の人)。
また、盧氏は現在は、立法委員(国会議員)を務めている。

盧氏が、国民党内で予選(一般の人を対象とする『世論調査』の結果を重視しているようだ)を勝ち抜いて、国民党の市長候補になったという経過も興味深い。

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7


ところで、(これも前にもアップしたのだが)この人は、『公民投票』と呼ばれる住民投票(国民投票と訳することも可能である)の中心になっているので、このところ新聞やテレビのニュースなどで、姿をよく見かける。


というのは、蔡英文総統(民進党出身で、2016年5月に台湾初の女性総統に就任した)にとっては、『民主化を進めること』が中心政策である。

そのため、市民の政治参加をうながすため、従来からあった『公民投票法』(住民投票法)を昨年改正し、住民投票の請求に必要な署名を有権者の5%から1.5%に引き下げ、投票の成立要件も投票率50%から25%へと引き下げた。
(住民投票法は、『重要な政策』について、投票結果と異なる政策を2年間は実施してはならないと定めていて、政権の政策を事実上、縛る性格を帯びているという。)

このため、今回、11月24日の『統一地方選挙』と合わせて、住民投票を実施しようと、台湾のそれぞれの政治勢力が、さまざまな住民投票の請求を行っている。
(下手をすると、10件くらいの住民投票が同時に実施されることになる。)

そのテーマは、『脱原発』『同性婚』『2020年東京五輪に台湾名義で参加』などさまざまである。

イメージ 8



そして、最大野党である中国国民党(ちなみに、台湾では、民進党と国民党の2大政党がほとんどの議席を独占している。また、国民党は、実質的に中国共産党の動向と『連動』『連携』して動いている。)が推進しているのが、1.『福島などの日本の5県産食品の輸入解禁に反対』する『反核食(核被災食品)』署名、2.『反空汚(大気汚染)』として火力発電の比率を下げることを求める署名、3.新北市(首都=台北市の郊外に位置する台湾の最大の都市)の火力発電所建設中止を求める署名の3つである。


特に、『大気汚染反対』の署名は、台中市には台湾で最大級と言われる火力発電所も立地していて、またPM2.5による大気汚染も台湾のなかではひどい方であるため、台中市出身の盧氏が住民投票請求の代表者になっているようだ。

ただし、この住民投票は、実は国民党の『党利党略』にしたがって、民進党政権の揺さぶりのために行われているという性格が濃厚である。


というのは、台湾の大気汚染は、中国からの汚染物質の流入とか、台湾自身でのマイカーの増加(もともと多いオートバイの排気もある)など、さまざまな要因が複合的に働いていると考えられている。

それに対して、『親日的』な蔡英文政権への揺さぶり、あるいは蔡英文政権自身が推進している『脱原発』政策に対する揺さぶりといった意味合いを含めて、これらの署名集め(特に、日本の『核食』輸入禁止の継続を求める署名)を行っていると見られるからだ。

イメージ 9

イメージ 10

イメージ 11


しかも今回、国民党が集めた署名のなかに、筆跡が酷似した大量の署名、あるいは死者の署名などが多数含まれているとして、中央選挙管理委員会において不正の疑いがあるとして、問題とされていた。

50万人近くの署名のうち、(署名時点で既に)死者(であったはずの人)の署名は1万人以上、これを含め偽造の疑いなど、『不合格』とされた書名は、(3種類の署名で)それぞれ17〜18万、全体の37%にも及んだとして、『不正』であるとする報道があふれていた。


中央選挙管理委員会では、この問題に関する公聴会なども行い、『不正のため無効』とする判断の可能性も残して、かなり抵抗したようである。

しかし、最終的には、『無効票をのぞいたとしても住民投票の請求に必要な数を満たしている』という(苦渋の)判断で、『意図的な不正行為の疑いがある』との『刑事告発』を一方で行いながら、結局、『住民投票請求としては成立』、との判断を下している。
(この住民投票請求が成立するためには、最低、28万くらいの有効投票があればよかったようだ。ただし、『死者の署名』を1万人以上も集めた署名というのは、さすがに『これまでの一般の水準』を大きく、越えていたようだ。)



こうした問題は、今後、日本で実施される可能性のある『改憲のための国民投票』に関連しても、(ある意味で参考となる)『泥沼』あるいは『ドタバタ』劇である。もちろん、『住民投票』自体は、11月24日に実施されることになるのであるが…。
(いずれにしても決して、『笑い話』ですませられるような話ではない、という気がする。)


実は、台湾にはこのほかにも、11月24日の『政治決戦』に向けて、『政争』のタネが存在している。
(また、『国民党』だけが悪いというような、単純な話でもない。)

以上、いろんなニュースなどを参考にしながら、まとめたものである。
なお日本では、『産経新聞』なども、台湾の内情をあまり詳しく知らせると、彼らの主張する『親日国=台湾』のイメージが崩れてしまうという判断なのか、さほどていねいに、台湾のことを報道していないのが、残念である。









https://politics.blogmura.com/politicalissue/ranking_out.html にほんブログ村 政治・社会問題]
にほんブログ村のランキングに参加しています。
よかったら、クリックをお願いします。

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(0)


.


みんなの更新記事