北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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昨日(13日)のこのブログの記事にも書いたが、台湾の与党=民進党(民主進歩党)の総統予備選で現職の蔡英文総統が勝利した。
https://blogs.yahoo.co.jp/mochimoma/22499616.html


来年(20年)1月11日に行われる、次の総統選挙に民進党の候補として出馬することとなった。
これに関して、日本の新聞各紙は本日(14日)付の朝刊で、このニュースを伝えている。

イメージ 1

これは『朝日新聞』。

イメージ 2

イメージ 3


こちらは、台湾報道に伝統的に力を入れている『産経新聞』の報道である。
他の新聞と異なり、2面と7面の二つの面にまたがって関連記事を掲載している。

『朝日新聞』の記事の冒頭部分を紹介しておこう。

<台湾の与党民進党は13日、来年1月の台湾総統選に向けた予備選で現職の蔡英文(ツァイインウェン)総統(62)が勝利したと発表した。党が行った世論調査で、公認指名を争う前行政院長(首相)の頼清徳氏(59)よりも支持率で上回った。ただ、選挙戦自体は野党が優勢で、蔡氏の再選は楽観できない状況だ。

民進党は一般有権者を対象にした世論調査で公認候補を決める。10〜12日に約1万6千人を対象に実施した調査によると、蔡氏の支持率は35・6%、頼氏は27・4%だった。>


正直言って、私自身としては、(もはや、中国共産党の『同盟軍』のようになってしまった)中国国民党の候補が、来年の総統選で勝利してしまうことは嫌である。また、どちらかというと、(民進党の候補のなかでは)蔡英文氏に同情のようなものを感じているところもある。
だから、今回の結果に対して、特に『不満』を感じているわけではない。


しかし、昨日の台湾のテレビなどを見ていても(もちろん、中国語がよくわからないためという要因も大きいが)、今回の結果(あるいは、それをもたらした『要因』)について、よくわからない点がいくつもある。
そこで、そうしたことも含めながら、感想を書いてみたい。


まず、第一にわからないのは、この『民進党による世論調査なるもの』、誰を対象にしてどのように調査したのかよくわからない(あるいは、本日、台湾の新聞を購入して熟読?すれば多少、わかるかもしれないが…)。

そもそも、日本の新聞各紙の伝えている内容も、よく見ていくと不思議に感じる部分もある。


『朝日新聞』では、(先ほども引用したように)<民進党は一般有権者を対象にした世論調査で公認候補を決める。10〜12日に約1万6千人を対象に実施した調査…>と書いている。

また、(先ほど紹介しなかったが)『毎日新聞』では、<民進党予備選は、総統選で「勝てる候補」を選ぶため、党員投票などではなく党が調査機関に委託して行う複数の世論調査で決める。>としている。

さらに、ネットの『フォーカス台湾』(台湾の通信社のサイト)によると、<世論調査は党本部と党から委託を受けた民間調査機関など計5団体によって20歳以上の有権者を対象に10〜12日に固定電話と携帯電話で実施され、計1万6051人から有効回答を得た。>などと報じている。



よくわからない点というのは、仮に『一般世論調査』という形をとっていたとしても、実質的な調査対象としたのは、『民進党支持』の傾向の有権者なのではないかということである。

というのは、本当に、完全に『一般有権者』を対象としたものであるならば、蔡英文氏であるにせよ、あるいは頼清徳氏であるにせよ、(現状では)そんなに簡単に(国民党系の)対立候補に勝てないのではないではないかと思うからだ。

また、『産経新聞』は次のようにも報じている。

<世論調査は野党、中国国民党で総統候補を目指す韓国瑜(かん・こくゆ)高雄市長(61)、総統選への出馬が取り沙汰される無所属の柯文哲(か・ぶんてつ)台北市長(59)の2人と、蔡、頼両氏をそれぞれ比べる方法で行われた。蔡氏は頼氏に約8ポイント差を付けた上、韓氏(24・51%)、柯氏(22・70%)の2人も上回り、この情勢が続けば、政権を維持できる結果となった。>

だが、このような方法では、例えば国民党系の有力候補である鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(かく・たいめい、テリー・ゴウ)会長を支持している有権者であれば、どのように回答をすれば良いのか?

やはり、何らかの形で『民進党系』の有権者をあらかじめ(あるいは、調査の途中で)絞り込まないと、報道されているような結果は、得られないような気がしている。


もう一つの疑問は、この『予備選』の経過によって、民進党内部で(特に来清徳氏を支持していた人々の間で)『分裂』『離反』の傾向が今後、表面化していくことはないだろうかという心配である。
(まあ、これは『国民党系』の間でもしょっちゅう、起こっていることだからあまり心配してもしようがないことではあるが、やはり気になる。)

というのは、本日の新聞報道を見ても、
<劣勢だった蔡氏陣営が世論調査を引き延ばして支持率アップを図ったことや、蔡氏に有利になるよう世論調査の電話をかける対象に若者が使う携帯電話を加えた点など、予備選の経緯には党内に批判がくすぶる。>(朝日新聞)、
<蔡氏の支持派は、党執行部に強硬に働きかけて予備選の期間延長や世論調査方法を蔡氏に有利な方法に変更。届け出から結果発表まで約1カ月間の“短期決戦”を見込んでいた頼氏は計算が狂った上、独立派の長老らが新聞広告などで露骨な「蔡降ろし」を繰り返したことも、頼氏に不利に働いた可能性がある。>(産経新聞)など、いろいろ面白いことが書かれている。

今後、こうした『内紛』がくすぶって、次の局面で『混乱要因』となる可能性もあると思われる(それは、国民党系の候補の絞り込みにおいても、同様なことが生じる可能性があるが…)。


それにしても、蔡氏が、自分が若者に支持されているとして、(若者が多用する)『携帯電話による調査を加えさせた』という点など、日本の政治状況を考えても、興味深い。

またここで、台湾の政権与党である民進党内で、『候補者絞り込みのための世論調査』でこのような、いろんなことが行われているということは、現在、日本の大手メディアで行われている『世論調査』でも、(ある意味では同様に)権力者=安倍政権に有利なような『忖度』がさまざま行われていることを想起させるに十分である。


もっとも、私は、このように書いたからと言って、これでもって、蔡英文氏を『支持しない』というつもりはない。
台湾の政治状況を、この間、(よくわからないながらも)見てきて、蔡英文氏には『もっとしたたかにふるまってほしい』(そうでないと、中国の習近平政権にボロボロにされてしまう可能性があるし、逆にいうと、トランプ大統領の『ゲーム』のなかで、『使い勝手の良いカード』として、単に利用されてしまう危険性もある)と思ってきたからだ。


いずれにしても、この台湾の総統選の行方は、香港における情勢とも連動しているであろうし、日本に対しても『選択』をつきつけるものになってくる可能性が高いと思う。

安倍首相のように、『すべての独裁者(とその予備軍)』と仲良くつきあっていて、『外交の安倍?』『自由と民主主義』の旗を掲げ続けていられるものなのかどうか…。












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