北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

台湾生活

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このところ、ここの記事、台湾の総統選の予備選挙、それに香港での『逃亡犯条例』改悪案に対する抗議デモのことばかり書いてきた。

昨日(15日)、香港政府の林鄭月娥(りんてい げつが、キャリー・ラム)行政長官が緊急記者会見を開き、立法会(議会)での審議を無期限で延期すると発表したという。

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これらは、それぞれ『産経新聞』と『朝日新聞』の本日(16日)付朝刊の報道ぶりだ。
(台湾の新聞は、コンビニに買いに行かないと入手できないので、まだ見ていない。もちろん、ネットを探せば、ある程度情報を入手できるはずだが…。)


実は、私自身、香港の状況について、あまりよく知っているとは言えない状態なので、最近、いろいろ新聞を読んだり、あるいは(TBSラジオの報道番組である)『荻上チキのSession22』の番組のコンテンツをiPadで聞いたりして、この『逃亡犯条例』についての情報を改めて、収集しているのが、本当のところだった。

そうすると、上記の『朝日新聞』の記事の解説にも書かれているが、『昨年、台湾で殺人事件を起こした香港人の男が香港に逃げ帰り、台湾当局の訴追を免れたのがきっかけ。今年2月、男の身柄を台湾に引き渡すため香港政府が発表した改正案は、犯罪容疑者の身柄を中国本土に引き渡すこともできるようになる内容だったため、乱用を恐れた民主派が強く反発。』などと記されている。

また、6月12日付の『産経新聞』にも、『昨年2月、香港人の男が台湾で恋人を殺害し、逮捕される前に香港に戻るという事件が起きた。香港政府は、犯罪人引き渡し協定がない台湾への身柄移送ができないことを理由に、このような状態を解消するため条例改正が必要だと主張している。』などと書かれている。


台湾では、大陸がらみの犯罪の報道は、ほぼ日常的になされている。そういえば、そんな事件もあったかもしれない、くらいの記憶しかない。

それで、『台湾での殺人事件』の話が、なぜ、中国がらみの話になってしまったかというと、先ほどの『朝日新聞』の記事に戻るが、『改正案』のふたを開けてみると、『引き渡し先の対象に中国を新たに加えるとの方針を公表』するものだったために、大騒ぎになったものである。


中国の『司法制度』について、特に疑問を感じない人にとっては、『関係ない話』のように聞こえるかもしれないが、中国はとにかく、政治的意図などあれば、おかまいなしに当局が、『容疑者』を拘束したり拉致をしたりするのは、朝飯前の出来事である。

ジャーナリストであろうと、弁護士であろうと、ビジネスマンであろうと、そしてもちろん、無名の庶民であれば、世間に気づかれることなく、拘束され、拷問が加えられる。
(本人の身体が『弱かった?』などの理由で、『死んでしまった』などということも、無論、ありうる。)

このような中国に『容疑者』の『移送』が可能という『条例案』の内容が明らかになったために、香港の世論が噴出したものであろう。


実際、6月9日には、『103万人が参加(主催者発表)』のデモが敢行された。
これは、香港の人口が700万人であることを考えると、信じられないような数字である。日本の人口と単純に比較すると、人口の7分の1の1700万人のデモがあったということになる。

『主催者発表』などあてにならない、という人も当然いることだろう。
だが、家族連れの参加者などが多く、またデモの参加者の3分の1だったかが、『デモに参加するのは初めての体験だった』(あるいは『雨傘運動のときは、参加しなかったが、今回は危機感をもった』など)と言っていたというような記事も見かけた。

ビジネスマンや、むしろ、中国との関係の活動に携わっている市民の間での動揺も大きいという話も聞く。
(今回の刑事事件の『容疑者』の犯罪内容には、経済犯罪、汚職、買収など広範囲なものが含まれている。そうしたものに巻き込まれて、中国に移送されてはかなわないと心配する人が、増えてくるのも、ある意味では当然なのかもしれない。)


このような『背景』があって、今回、香港政府は、審議の延期を決定したものだが、普通に考えて、香港政府が独自の判断で、それを決めたというよりも、『中国の習近平政権が決定を下し、香港政府がそれにしたがった』とうのが、実態なのだろう。

では、なぜ、いま、中国政府がそのような判断を下したのか?
それは、G20とか、米中経済摩擦とか、あるいは台湾での総統選の予備選挙とか、いろいろあるなかで、これ以上、中国の評判が悪くなるような『テーマ』はしばらく、保留にしておこう、という判断なのであろう。



だが、香港政府は、審議の『延期』を発表しただけであり、いつまた、その審議を『再開』するかはわからない。
ここから先は、結構、難しい闘いになりそうな気もしている。

ともかく、本日(16日)、予定されている香港のデモにどれくらいの人数が参加するのか、それが(今後、粘り強い闘いで、この『条例案』を撤回させることができるかどうかの)一つの分水嶺にもなってくるのかもしれない。


また、日本ではとかく、『選挙』や『デモ・集会』『ストライキ』など、ほとんどあらゆる、『社会的意思表示』に対する無関心(無気力)が、特に若い人たちの間で広がっているような風潮がある。

こうした香港での闘い(これは、いわゆる『左』『右』を問わず、特に中国に対する警戒心を抱いている人々の間で関心を持たれているテーマでもある)が、何か日本のこのような状況を変化させる要因になりえれば、良いと思うのだが…。













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一昨日(13日)から書いている、台湾の与党=民進党(民主進歩党)の総統予備選で現職の蔡英文総統が勝利した話。

昨日(12日)の台湾の各紙がこれに関する記事を載せている。
ここでは、『りんご日報』(アップル・デイリー)という新聞が、グラフなどを多用して(根拠となるデータも含めて)報道しているので、主にこれにしたがって、どういうことなのか紹介してみたい。

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これが、12日付『りんご日報』の1面である。
現職の総統である(党主席は、昨年11月の『統一地方選』での大敗の責任をとって辞任している)蔡英文氏が『予備選』(台湾では『初選』と呼ぶらしい)を勝ち抜いたことを伝えている。

これは、『世論調査』(記事には『民調』と記されている)の結果でもって、民進党にとって『勝てる候補』は、立候補している蔡英文氏と頼清徳氏(前・行政院長=首相に相当する)のうち、どちらなのかということで、選出をしたということである。

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『民進党中央』のほか、4つの調査機関が『世論調査』を実施したとのこと。
その方法は、民進党の候補とともに、国民党の候補(韓国瑜=かん・こくゆ=高雄市長を想定)、それに無所属の候補(文哲=か・ぶんてつ=台北市長を想定)を選択肢として用意し、調査対象者のそれぞれに対する支持率を聞いていったとのことである。

民進党の候補としては、蔡英文氏のケースと李清徳氏のケースの2つを用意し、それぞれの支持率がどのように出るのかを聞いていった。


その結果、蔡英文氏と頼清徳氏のいずれが候補の場合であっても、他の2候補よりも支持率が上回るが、蔡英文氏のほうが確実に勝利することができるという結果が出たとのこと。

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もっとも、この調査結果、かなり民進党に有利なような結果となっているという気がしないでもない。

というのは、『りんご日報』ではこの間の自社の世論調査の数値と、今回、民進党が発表した数値と比較しているが、蔡英文氏の獲得したという支持率も(頼清徳氏の支持率も)、『りんご日報』のこの間の調査結果と比べると、高めの数字になっている。

たしかに、『りんご日報』の『世論調査』の結果を見ても、蔡英文氏は支持率が上向いている傾向にあり、逆に韓国氏は支持率が低下傾向にあったことは事実だろう。

それにしても、この傾向を、思い切り『都合よく解釈した』ような数値になっている。
(つまり、民進党の調査結果というのは、『客観的なデータ』というよりも、『希望を込めた数値』のようにも見える。)


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ちなみに、これらが台北市長の文哲氏と、高雄市長の韓国氏である。

韓国氏は、たしかに、11月に当選したばかりの時は、『庶民派』というような風貌や語り口(韓氏は、青果問屋の社長も務めたことがあり、自分は『菜っ葉売り』だなどと言って、アピールしている)は、これまで極端に『エリート層』『高学歴』(博士号を持っていて、外国の大学の卒業生である政治家がたくさんいる)を誇る人たちの多かった、台湾の政界にあって、一種の『新風』を吹き込んだ感があった。

しかし、韓国氏は、次第に(中国共産党寄りである)中国国民党・政治家のある意味では、『馬脚』を現しつつあるようだ。
(『中華民国』のことを『国家』ではなく、『地区』『地域』であるかのような失言をした。また、香港の『逃亡犯条例』について聞かれて、『良く知らない』などと答えたという話もある。)


さらに、同じく中国国民党の公認候補の座を狙っている(シャープを買収した)鴻海グループの会長・創業者である郭台銘(かく・たいめい。テリー・ゴウ)氏ともども、人気を挽回するために、そろって、『自分たちは庶民の出身である』などという宣伝を強めているようだ。


こうした状況にあるため、仮に現時点で、香港での『逃亡犯条例』改悪に反対する運動の盛り上がりもあって、蔡英文氏が人気回復傾向にあるといっても、来年の『総統選』の選挙日(1月11日)までまだ7カ月もある。

台湾の(中国による台湾支配を警戒している)人々にとって、決して安心できるような状態ではない、と思う。


ちなみに、先の民進党の『世論調査』であるが、わざわざ、民進党、国民党、無党派の3つどもえという選択肢の設定にしているというのも、よくわからない想定の仕方である。

現実の選挙では、『無党派』の立候補があるかわからないし、仮にあったとしても、最終的な候補者が3人になった場合、これまでは必ずといって良いほど、『2強』による『最終決戦』になっている。
だから、民進党の『世論調査』の設問の設定方法自体が、やや非現実的であるような気もしている。

いずれにしても、今後、次は国民党の候補者の間で、『予備選』が行われることになっている。


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ちなみに、今回の結果について、ある新聞は、『蔡英文氏は、(総統選への)入場券を獲得したが、期末試験(総統選)は過酷なものになるだろう』との見出しを打っている。

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さらに、こちらの新聞は、蔡英文氏が『同性婚』の法制化の件や香港の『逃亡犯条例改悪』の件で、若者の支持を回復したことが、今回の勝利の要因であるとしている。











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台湾では、『りんご日報』(アップルデイリー)という新聞が発行されている。
これは、同名の香港紙の姉妹紙であり、そのため、(普段は、どちらかというとスキャンダラスな社会面記事を売りにしているのだが)今回の香港での『逃亡犯条例』改悪案に対する闘いについては、他の台湾紙を上回る迫力で報道している。

その(最近の)紙面の状況を、お伝えしたい。

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これが新聞の題字部分。
催涙弾と鎖でつながれたこぶしの対比が印象的である。
(このカットは、今回の『逃亡犯条例』に対する闘いが報道されるようになってから、この題字部分にお目見えするようになった。)

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ここには、『反送中』悪法と書かれているが、『反送中』というのが、『逃亡犯条例』反対という意味である。
つまり、『逃亡犯条例』というのは、中国が『逃亡犯』と認定した人物を(処罰するために)『中国』にいつでも『送りつけることができる条例』というものである。

昔、(韓国の朴正煕政権から)命を狙われた反体制政治家の金大中氏は、白昼、東京・九段のホテルからKCIAの手によって、拉致されたことがあった。


『逃亡犯条例』というのは、中国によるそうした行為を、香港政府が認めてしまうということにほかならない。
(本当の意味で、犯人の『引き渡し』を求めるのであれば、『引き渡し協定』を結ぶなど、別の方法も採用できるはずであろう。『逃亡犯条例』というのは、もっと乱暴な者であり、だからこそ、中国と商取引のある香港の財界人の間でも、反対が多いのだと言う。
もちろん、日本人であっても、この『逃亡犯』に含められてしまう可能性がある。)

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このように大きな迫力ある写真が満載である。
新聞の2面分をぶち抜きで使って、大きな写真を掲載している。

この『りんご日報』は、1部20元(80円弱)と通常の新聞(だいたいが、1部10元)の倍もするが、この強気の値段設定でも、(この問題が起きてからは)いつも以上に売れているようである。
それは、ネットのニュースでは得られない迫力ある紙面を構成しているからなのだろう。


日本では、メディアはややもすれば、『公正中立』という幻想にひたりたがるが、この『りんご日報』はそんなものを踏み越えてしまっている。

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というのは、既に『公正中立』な報道など存在していないからである。
これは、香港紙の報道ぶりを比較したものだが、香港では当局に従順に、今回の市民の闘いを『暴動』などと表現する新聞がむしろメインのようだ。

つまり、『暴動』と表現すれば、いつでも当局は、むき出しの暴力(天安門事件なみの)でもって、軍事的に制圧することが可能になる。
それを正当化するかのような報道を、当局の圧力に屈した、メディアは展開している。

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それに対して、『りんご日報』は明らかに(抵抗している)香港市民の目線で、事態を伝えている。

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これは、香港警察が使用している『布袋弾』と表記されている、一種の『散弾銃』のようなものである。
『布袋様』ではないが、袋のなかに、多数細かな鉛の粒が入っていて、それが命中すると袋が破れて、多数の鉛の粒が一挙に身体を襲う。

致死性もある凶器だという。
日本では、『催涙弾』などと報道されていると、『涙が出る程度で、大したことがないのだろう』と思っている人もいるようだが、実はこれも、『毒ガス』であるし、おまけに薬きょうが当たれば、これも大きな破壊力を有している。

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今回の香港での事件を、台湾のテレビは衝撃を持って受け止めていて、『今日の香港の出来事は、明日の台湾を示している』とうたっている。

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考えてみると、台湾で来年の総統選に向けての予備選挙が行われている現在、こうした『狂暴さ』を香港で露呈させてしまうことは、習近平・中国共産党政府にとって、決して『うまいやり方』『最上の進め方』とは言えない。

しかし、ここまで来ると、習近平政権にとって、(メンツを保ちながら)こぶしを一旦は、降ろす?といったやり方が、出来にくくなってしまっているのだろう。


このままでは、香港と台湾と、(中国共産党にとって)『あぶはち取らず』の状況になりかねない。

わざわざ今のタイミングで、中国共産党(やそれに追随する)中国国民党の甘いささやきに乗ってしまえば、香港や台湾の自由など『風前の灯』だということを、中国自身が自らの行為で宣伝してしまっている。

独裁者のやることなど、いつもこの調子で悪事が露呈していくのだろう。











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昨日(13日)のこのブログの記事にも書いたが、台湾の与党=民進党(民主進歩党)の総統予備選で現職の蔡英文総統が勝利した。
https://blogs.yahoo.co.jp/mochimoma/22499616.html


来年(20年)1月11日に行われる、次の総統選挙に民進党の候補として出馬することとなった。
これに関して、日本の新聞各紙は本日(14日)付の朝刊で、このニュースを伝えている。

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これは『朝日新聞』。

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こちらは、台湾報道に伝統的に力を入れている『産経新聞』の報道である。
他の新聞と異なり、2面と7面の二つの面にまたがって関連記事を掲載している。

『朝日新聞』の記事の冒頭部分を紹介しておこう。

<台湾の与党民進党は13日、来年1月の台湾総統選に向けた予備選で現職の蔡英文(ツァイインウェン)総統(62)が勝利したと発表した。党が行った世論調査で、公認指名を争う前行政院長(首相)の頼清徳氏(59)よりも支持率で上回った。ただ、選挙戦自体は野党が優勢で、蔡氏の再選は楽観できない状況だ。

民進党は一般有権者を対象にした世論調査で公認候補を決める。10〜12日に約1万6千人を対象に実施した調査によると、蔡氏の支持率は35・6%、頼氏は27・4%だった。>


正直言って、私自身としては、(もはや、中国共産党の『同盟軍』のようになってしまった)中国国民党の候補が、来年の総統選で勝利してしまうことは嫌である。また、どちらかというと、(民進党の候補のなかでは)蔡英文氏に同情のようなものを感じているところもある。
だから、今回の結果に対して、特に『不満』を感じているわけではない。


しかし、昨日の台湾のテレビなどを見ていても(もちろん、中国語がよくわからないためという要因も大きいが)、今回の結果(あるいは、それをもたらした『要因』)について、よくわからない点がいくつもある。
そこで、そうしたことも含めながら、感想を書いてみたい。


まず、第一にわからないのは、この『民進党による世論調査なるもの』、誰を対象にしてどのように調査したのかよくわからない(あるいは、本日、台湾の新聞を購入して熟読?すれば多少、わかるかもしれないが…)。

そもそも、日本の新聞各紙の伝えている内容も、よく見ていくと不思議に感じる部分もある。


『朝日新聞』では、(先ほども引用したように)<民進党は一般有権者を対象にした世論調査で公認候補を決める。10〜12日に約1万6千人を対象に実施した調査…>と書いている。

また、(先ほど紹介しなかったが)『毎日新聞』では、<民進党予備選は、総統選で「勝てる候補」を選ぶため、党員投票などではなく党が調査機関に委託して行う複数の世論調査で決める。>としている。

さらに、ネットの『フォーカス台湾』(台湾の通信社のサイト)によると、<世論調査は党本部と党から委託を受けた民間調査機関など計5団体によって20歳以上の有権者を対象に10〜12日に固定電話と携帯電話で実施され、計1万6051人から有効回答を得た。>などと報じている。



よくわからない点というのは、仮に『一般世論調査』という形をとっていたとしても、実質的な調査対象としたのは、『民進党支持』の傾向の有権者なのではないかということである。

というのは、本当に、完全に『一般有権者』を対象としたものであるならば、蔡英文氏であるにせよ、あるいは頼清徳氏であるにせよ、(現状では)そんなに簡単に(国民党系の)対立候補に勝てないのではないではないかと思うからだ。

また、『産経新聞』は次のようにも報じている。

<世論調査は野党、中国国民党で総統候補を目指す韓国瑜(かん・こくゆ)高雄市長(61)、総統選への出馬が取り沙汰される無所属の柯文哲(か・ぶんてつ)台北市長(59)の2人と、蔡、頼両氏をそれぞれ比べる方法で行われた。蔡氏は頼氏に約8ポイント差を付けた上、韓氏(24・51%)、柯氏(22・70%)の2人も上回り、この情勢が続けば、政権を維持できる結果となった。>

だが、このような方法では、例えば国民党系の有力候補である鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(かく・たいめい、テリー・ゴウ)会長を支持している有権者であれば、どのように回答をすれば良いのか?

やはり、何らかの形で『民進党系』の有権者をあらかじめ(あるいは、調査の途中で)絞り込まないと、報道されているような結果は、得られないような気がしている。


もう一つの疑問は、この『予備選』の経過によって、民進党内部で(特に来清徳氏を支持していた人々の間で)『分裂』『離反』の傾向が今後、表面化していくことはないだろうかという心配である。
(まあ、これは『国民党系』の間でもしょっちゅう、起こっていることだからあまり心配してもしようがないことではあるが、やはり気になる。)

というのは、本日の新聞報道を見ても、
<劣勢だった蔡氏陣営が世論調査を引き延ばして支持率アップを図ったことや、蔡氏に有利になるよう世論調査の電話をかける対象に若者が使う携帯電話を加えた点など、予備選の経緯には党内に批判がくすぶる。>(朝日新聞)、
<蔡氏の支持派は、党執行部に強硬に働きかけて予備選の期間延長や世論調査方法を蔡氏に有利な方法に変更。届け出から結果発表まで約1カ月間の“短期決戦”を見込んでいた頼氏は計算が狂った上、独立派の長老らが新聞広告などで露骨な「蔡降ろし」を繰り返したことも、頼氏に不利に働いた可能性がある。>(産経新聞)など、いろいろ面白いことが書かれている。

今後、こうした『内紛』がくすぶって、次の局面で『混乱要因』となる可能性もあると思われる(それは、国民党系の候補の絞り込みにおいても、同様なことが生じる可能性があるが…)。


それにしても、蔡氏が、自分が若者に支持されているとして、(若者が多用する)『携帯電話による調査を加えさせた』という点など、日本の政治状況を考えても、興味深い。

またここで、台湾の政権与党である民進党内で、『候補者絞り込みのための世論調査』でこのような、いろんなことが行われているということは、現在、日本の大手メディアで行われている『世論調査』でも、(ある意味では同様に)権力者=安倍政権に有利なような『忖度』がさまざま行われていることを想起させるに十分である。


もっとも、私は、このように書いたからと言って、これでもって、蔡英文氏を『支持しない』というつもりはない。
台湾の政治状況を、この間、(よくわからないながらも)見てきて、蔡英文氏には『もっとしたたかにふるまってほしい』(そうでないと、中国の習近平政権にボロボロにされてしまう可能性があるし、逆にいうと、トランプ大統領の『ゲーム』のなかで、『使い勝手の良いカード』として、単に利用されてしまう危険性もある)と思ってきたからだ。


いずれにしても、この台湾の総統選の行方は、香港における情勢とも連動しているであろうし、日本に対しても『選択』をつきつけるものになってくる可能性が高いと思う。

安倍首相のように、『すべての独裁者(とその予備軍)』と仲良くつきあっていて、『外交の安倍?』『自由と民主主義』の旗を掲げ続けていられるものなのかどうか…。












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本日(13日)、来年1月11日に実施予定の次期・台湾の総統選挙に向けて、与党民進党(民主進歩党)の候補者を決定する予備選挙の結果が発表になった。

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結果を発表する、民進党主席の卓榮泰氏。
(この人は、昨年11月の統一地方選挙で、民進党が大敗したことを受けて、蔡英文氏が党主席を辞任したのちに、党主席に就任した。)

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今回の予備選挙は、民進党が(先週)実施した『世論調査』のデータをもとに結果が出された。
その結果、8.2%の差を付けて、蔡英文・現総統が前・行政院長(首相に相当する)の頼清徳氏を退けて、勝利した。
(この写真は、予備選の期間中に支持を訴えている両氏の様子である。)


蔡英文氏は、一時は、『世論調査』の支持率で、頼清徳氏に大差をつけられて、負けている状態だったという(そういう『世論調査』の結果を、台湾の新聞で何度も見てきた)。

それが今回、蔡英文氏を支持する者が34.5%に対し、頼清徳氏を支持する者26.6%という結果が出て、蔡英文氏が勝利した背景には、おそらく、『中国の脅威』に対する台湾の人々の不安があるのではないか、と思う。

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というのは、現在、台湾のテレビでは、(刑事事件の容疑者を中国に引き渡すことを可能にする)『逃亡犯条例』の強行に反対している香港の若者たちの戦いを、連日、生中継を含めて放送している。
そのなかでは、『今日の香港は、明日の台湾だ』ということがニュースでも強調されている。

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また、香港での戦いに連帯して、台北の総統府前でも、(2014年に、『ひまわり学生運動』と呼ばれて、台湾の『立法院』を占拠して、中国の横暴に対して闘った)台湾の若者たちが集まって抗議集会やデモなどを繰り返している。

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さらに、台湾のニュース番組では、香港で外国メディアの記者たちが、香港警察の蛮行に対して抗議しているさまも放送されている。

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それだけでなく、香港警察の使用している武器(1つの弾に100個の鉛の粒を含んだものを発射=一種の『散弾銃』にも見える=したり、プラスチック弾ではあるが、致命傷を負わせることも可能な銃を使用したりしている)と、学生たちの抵抗の手段(雨傘、ゴーグル、ヘルメット、マスクなど)を対比させて、明らかに香港の学生たちの戦いを応援するような報道の仕方をしている。


こうした報道を見て、改めて、『中国の言う「一国二制度」など全くあてにならない』『民進党が分裂していたら、中国に付け込まれる。今は、蔡英文総統のもとに団結して闘うべきだ』という意見が、台湾のなかに広まったとしても不思議ではない。
(もっとも、他方では、『民進党政権になっても、ちっとも生活が良くならない』という不満も存在していることもたしかである。

国民党の側の予備選挙はまだ終了していないが、国民党の総統候補と蔡英文氏との間で、熾烈な戦いが、今後、展開されることが予想される。)


私は、今年の春の段階では、来年の総統選は、(中国のバックアップを受けた)『中国国民党』の候補が勝利してしまうのではないかと考えていたが、少し状況は変わってきたような気がする。

日本も、香港や台湾のことを、『どうせ、外国の話だ』とか、『結局、大国である中国がやりたい放題をしてしまうのでしょ』などと、投げやりにならずに、しっかりと状況を見つめていく必要があるのではと思っている。












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