茂木大輔:もぎ議録

クラシック音楽は理解して聴けば感動100倍!が活動のモットー。まずは自分が理解しよう・・・(笑)

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12月26日、昼は「桃が丘編」、夜は「パリ編」ということで2公演。
愛知県芸術劇場はN響でよく演奏するホールだが、それは中ホールであって、今回は2500席の大ホール。5階建ての客席は完全にオペラ劇場という雰囲気だが、昼夜とも完売満席を頂きました。御来場、本当に感謝いたします。
準備にも企画にも苦しんだところのある公演で、最終的にはそのほうが結果がよかった。

なにしろ大変だったのは、本来1公演で進めていたのが途中から(西ノ宮の時期)2公演で、という有り難いグレードアップがあったのはよかったもののリハーサルスケジュールが2日、それも4時間ずつしかなく、結局非常に困難な作品を多く含むプログラムを過密なスケジュールでオケに練習してもらわなくてはならなくなったことだった。(セントラル愛知が、第九公演の本番があってリハ開始を前倒しできなかった)
オケにいる人間として、オケにキツイ思いをさせることはもはや恐怖ともいえるし、自分もキツイのは嫌いであるから、余裕をもって、ゆっくりと練習し、よい気分で本番に進みたいと言うのは悲願だ。しかし今回、ベト7、ボレロ、マ・メール・ロワにハイドン、バルトークという難しい作品を(指揮コンクールメドレー)抱え込んでいたために、リハは1秒も早く終ることが出来なかった。外山門下になった初日に、「あなた、英雄の1楽章を最後まで行って、ああ、こりゃマズイ、と思っても、もう一度お願いします、と言えますか?」と訊かれたのを思い出す。気楽で好かれるいい加減指揮者を装うこともカンタンだし、棒がちゃんと振れば半分の時間のリハどころか、練習なんかいらねーんだ!といつも怒っているのは自分だが、4時間のリハと言うのは1回通してちょっと話すだけ、その翌日はホールで段取り、明かり、場所決めなども含めたランスルーをかけなくてはならなかった。いままでの指揮活動でもっともツライ2日間だった。オケの皆様、本当に御苦労をおかけしました。

「桃が丘編」としたのは新企画に変えて行きたかったからで、後半をブラ1からベートーヴェンの7に、前半も悲愴、ラプソディ、ラフマニノフなどはオケピアノの共演としては外し、残したのはモーツアルトのみ。

冒頭、2ピアノのソナタ、いきなり「2小節で間違えるな!」バージョンをお願いしました。
プリムローズ・マジックは落ち着いてていつでも明るくノリがよく、面白い企画にはどんどん乗ってくれるのでありがたい。

ドラマメドレーはチェコ組曲、ロミオとジュリエットなども聴いて頂く。ピアノ版のベト7、ラフマの2台バージョンなども。
ドラマに音源提供し、上野さんにも玉木さんにも指導していただいたお二人は本当に「のだめ」ドラマの雰囲気をまだ漂わせていて、大変素晴らしかった。
しかし、各方面絶賛の東京フォーラムにも出演された唯一の共演者であるため、こちらがヒドイ、ということになってはいけない、と緊張した。

モーツアルトの協奏曲では、まったく普通にソリストを紹介するところで「オーボエは、黒木泰則さんです!」というコールでシークレットの福士さんに出て頂いたが、客席はもはや絶叫に近く、ハッキリここが一番受けていた。
、御本人は「玉木宏ではありません」と開口一番謙虚なボケをかまして下さってがっちり掴みまくって下さり、もう、これだけで成功?というくらい盛り上がった。

楽屋でお話ししていても、福士さんは実に面白い人であって、音楽家と同じくらい、辛口のギャグなども連発していて違和感がない。めったに人の頭脳をほめない池田昭子が「頭の良い方(かた)なので・・」と誉めていたのは共感できるところだった。
いい人で、やっぱりそばで見てもカッコイイ。これからの活躍にも注目したいと思った。

後半のベト7、スライドが大変で、春日井の3人はまたしても徹夜の連続。名古屋到着直後からホテルの自室でマングースピアニカのオーディションや曲決め、そのあと飯も食わずに4人で徹底的にスライドシンクロと画像のイメージ交換。この3人は、三鷹の足立さん、いまのマネージャー水田と並び、自分の仕事の決定的な恩人、スタッフになりつつあり、この人々抜きにはもう先の活動が見えなくなりつつあるほどだ。おれが人気指揮者なら3人を引き抜いて会社を作ってしまうのだろうし、それで成功できるほどスライドと生の音楽のシンクロ、三鷹で長年実行し、自分の考えてきた解説や説明の内容、方法論などがすべてここにきて立体化した気持ちだ。

マングースはかわいらしいピアノ科出身の女の子で、東海テレビがすごくいれこんでいたが、キツイ仕事なのに立派に努めて下さった。

ベト7は暗譜していたが、開いて振った。いろいろ思うところがあったし、ゲネプロの3楽章でダ・カーポの合図がほんの少しまずかったために安全をとった。覚えているシンフォニーを開いて振るのは意外と難しく、勉強になった。

アンコールのラヴェルではさまざまな理由で演奏上小さな混乱があり、収拾できないまま最後まで行ってしまい、内心は本当に迷いの嵐だったが、結局もう一度やった。気付いていた聴衆はわずかであったとは思うし、もう一度やったら、夜公演も控えているオケの気持ちや負担は重くなるだろうし、なにより、なんかあったらやり直し、という実績(?)は演奏者に大きなプレッシャーを与えることにあんるだろうからだ。しかし、二のプロ(二ノ宮先生の会社)が、「CDブック2」の小さなエラーについて、大損害であっても即断して作り直したということが脳裏を駆け巡り、どんなに嫌われる指揮者になってしまっても、もう2度とセントラルを振れなくても、もう一度やろう、という決心をした。
つらかったです。

本番のあと大澤先生や出演者が、「いや、2回やってよかった」と言ってくれたが、気軽にさわやかになっているはずの音楽会の終りの空気は、自分の真剣勝負のために壊されていた。なにが正しく、なにが間違っているのか。外山先生に電話したくなりましたです。



パリ編についてはまた明日。

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昼夜両方参加させて頂きました。本当に楽しくて今もなお余韻に浸っています。昼の部はお子様連れも多くクラッシックコンサートではなかなかおとなしくできない子供達まで退屈する暇もないくらい。ブラボー少年の掛け声に会場も温かい笑顔に包まれていました。ベト7screenの解説が素人の私にはわかりやすく楽しくて!!アンコールの2度演奏にそのような事情とはつゆ知らず。前日最終回の余韻そのまま2度の演奏に得をした気分で聴かせて頂いていました(^^ゞ真剣勝負の厳しさを知らされた思いです。

2006/12/29(金) 午前 8:35 [ smi*el*700* ]

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サプライズゲストのクロキンには会場から歓喜の悲鳴でしたね。私もその一人でした(笑)前日最終回後出演者打上げと聞いていましたので名古屋の地まで来てくださったことが大変嬉しかったです。お姿も素敵でしたがトークも楽しくて♪タキシード姿でしたので少しだけでも音を出してくれるのかナ?なんて欲張りなことを思ってしまいました(^^ゞマングースも可愛くて子供たちの笑顔をお見せしたかったです。パリ編のお話も楽しみにしています。一日遅れでしたが最高のクリスマスプレゼントとなった日でした(*^_^*)

2006/12/29(金) 午前 8:43 [ smi*el*700* ]

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茂木先生、詳しいレポートで、演奏会をまた追体験できてうれしいです。昼の部にしか行かれませんでしたが、生の音の力に魅了されました。どんなに素晴らしい演奏をCDで聴くことができるとしても、その会場にいて、演奏を共有できるという体験には、何か特別のものがありますね。そしてチェコ組曲、ピアノ版のベト7、ラフマの2台バージョンなどは、多分普通のコンサートではめったに聴くことができないので、うれしかったです。

2006/12/29(金) 午後 6:00 [ OWL ]

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でも、家に帰ってから耳にエンドレスで鳴り響いていたのは、ベト7のオーケストラの音。やっぱり茂木先生が演奏会の時おっしゃっていたように、ベートーベンには何か不思議な力がありますね。迫力というか。特に私は天井桟敷というべき安い席で聞いていたので、ティンパニが下からドンドンと響いてくるのに圧倒されました。あとドラマ版のヴィエラ先生のテーマが、ドボルザークのチェコ組曲に決まった経緯のお話もよかったです。

2006/12/29(金) 午後 6:02 [ OWL ]

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一つの企画を完成させるための、関係者の方々の底力、チームワークに圧倒されました。もぎぎさまの「あの空を飛んだのか」、これからも追体験できればと思います。

2006/12/29(金) 午後 10:49 [ てんねんまま ]

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先日の桃が丘編、感動しました。大好きなラフマニノフも聴けたし、ラプソディー〜もマングースくん登場でドラマの時みたいでしたし、プロコフィエフもミルヒーの顔が頭に浮かんでドキドキ?しました。ドヴォルザークのチェコ組曲っていうのもすごくきれいな曲でよかったです。(CD探してみようと思います) 一人で行ったので、最初緊張してたんですが、ブラボー少年のお陰で緊張がほぐれ茂木さんのお話も楽しく伺うことができました。最後のベト7の時は感動で涙がでてきちゃいました。でも演奏が終ったときのどなたかの「ぎゃぼ〜!」という掛け声に思わず笑ってしまいましたが。 日記を読んでると色々ご苦労もあったようですが、本当に素敵なコンサートをありがとうございました。

2006/12/30(土) 午前 10:30 [ fuj*i40* ]

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名古屋公演、お疲れ様でした。幸せな1日をありがとうございました。ラヴェルにはそんな事情があったのですね…でも、我々シロウトにも正面から向き合ってくれたもぎぎさんの気持ちはオケの皆さんにも伝わったことと思います。恥ずかしながら、演奏会の感想をブログに書かせていただきました。稚拙で長々とした文章ですが、よかったら覗いてみてください。

2006/12/30(土) 午後 0:03 [ くー ]

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昼夜と拝見させていただきました!! 本当に楽しい時間をありがとうございました! 大満足でおなかいっぱいになりました〜(^^) 春日井第二段オケ募集、またまた応募したいと思ってます! 今度は競争率高そうですが・・・。 つたない感想ですが、ブログに書いたのでまた覗いてみてください。

2006/12/30(土) 午後 11:02 [ ゆみこ@フルート ]

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こんばんは。聞きに行けなかったのでちょっと迷ったけどコメントいたします。コンサート、大盛況でおめでとうございました。芸文の大ホールが満席なんて、一度観てみたかったデス。ところで最後のお言葉、とっても重く受け止めました。今できる最高の演奏を提供したいと思う気持ちと、きっぱり割り切ってしまう気持ちの差を感じたとき、寂しいですね。二のプロの話の件で、もぎぎさんの気持ちの硬さがうかがわれて、すごく身にしみました。こういうお話を聞けたことにとても感謝し、またそれでもご自分の意志を貫かれるもぎぎさんを本当にすばらしいと思います。初心に帰る思いです。生意気なコメントほんとにゴメンナサイ。お邪魔しました。

2006/12/31(日) 午後 8:16 [ klavierchan ]

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