茂木大輔:もぎ議録

クラシック音楽は理解して聴けば感動100倍!が活動のモットー。まずは自分が理解しよう・・・(笑)

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フィリアホールのモーツアルトイヤーを締めくくるコンサートで演奏させて頂きました。
ピリオド傾斜奏法にしてから5年くらいたつわけだが、自分なりに様々研究してきたことがとても試される仕事であったし、ホルン、クラリネットという、もともとヴィブラートをかけない楽器と組み合わさって和声を作ることには、古い奏法(モダン奏法)では聞き取れなくなっていた様々な刺激があるはずであった。
録音を聞いて見たが、とにかくヴィブラートをかけないこと、高音域は圧縮(オクターブメカを使って余裕で響かせるのではなく、倍音で出そうとしている:誤解を恐れず書けば、リードをあえて「締め上げて」)して出していること(古いオーボエにはオクターブ・キイがなかったことと、フルート:ドルチェ、トラヴェルソ:、ソプラノに倣っている>このほうが、ソプラノ音域としての旋律的な緊張はよりよく表現されると考えている。)、そのぶん、個々の音の意味合い(主に和声的。フレーズのなかでの言葉としての)を様々な可能性で表現しながら、全体を宮廷的な優雅で高貴な演奏法で統一することが目標である。
雑な、乱暴なアタックや圧迫的な多声部への妨害、音の最後の乱雑な処理や張り上げ型のラウドスピーカーフォルテを避けて、自然界にイメージ的につながるように演奏してゆきたいものなのであります。
しかし、録音を聞くと、やはりこの道は容易ではないことがわかる。まず音程が悪く聞こえてしまう。モダン奏法では音を出して瞬時に、ヴィブラートの範囲内での修正が弦楽器、管楽器ともに可能であって、実は弦楽器の和声の不快感はすべてここに原因がある。だが、おれのように音程が悪いと言う素人であると、せめてヴィブラートでもかかっていれば・・というヒドイ印象になるわけなのだった。

しかし、正しいことは正しいので、やっていくしかないわけだ。10年くらいすると、そういう吹き方は当然、と思われているだろう。ホールに行く車のなかで、まったく偶然にこの協奏交響曲が聴かれた。70年代ドレスデンの演奏。違った意味で、ヴィブラートさえもかかっていなかった。こういう人でもレコード出せた時代があったわけなんだな。

解説をしていたひとが「モーツアルトならではの管楽器の世界が__」とか迂闊極まりないことをおっしゃっていたわけだが、これはもう、どうなっても偽作であり、モーツアルトの曲ではない。とはいえ、オケとの共演で管楽器奏者に演奏の喜びを与えてくれる曲、これに勝るものはない。パリで失われた真作が出てきても、それはフルート入りでオーボエは2番目になるから、あんまり嬉しくない曲なのかもしれないしなあ。

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あんずです。昨日、フィリアホールに参りました。 上記のもぎぎ様のお話は、私には難しすぎて全く分かりませんが、オーボエとクラリネットの掛け合いは、小動物が戯れ合うかのような、可愛らしさでした。「ピカソ」での高音は女性、低音は男性、クラリネットは中性的という解説が早速影響した聴き方になったのかな。 長女がもぎぎ様のお話を聞いて、「幻想交響曲」のCDを聴いてみたくなったようなので、貸し出しました。クラッシックファンがまた一人増えたようですよ。

2007/1/15(月) 午後 2:29 [ kon*suf**oto*3 ]

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K297bとK297Bとでは後者がモーツァルトの「真作」らしいのですが、前者にもそれなりの魅力があって(こちらがデフォルトでもあり)どちらも捨て難いです。これぞ「一粒で二度美味しい」ってことでしょうか。

2007/1/15(月) 午後 3:42 よねぴぃ

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これ、旧全集の番号ということでしょうか?4つの管楽器のためのサンフォニー・コンセルタントは散逸、行方不明であり、今日演奏している作品は偽作ですが・・・「真作」という資料をどこかでご覧になっておられたらぜひ御教え下さい。

2007/1/15(月) 午後 3:46 [ 茂木大輔 ]

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先生が「パリで失われた真作」と書かれたものを指しています。いわゆるレヴィン版のことでコンピュータ解析をして復元させたとのことで「真作らしい」とカッコ付きで書かせていただきました。マリナー/アカデミー室内管のCDを持っているものですからコメントさせていただいたのですが、誤解を招く中途半端な表現ですみません。

2007/1/15(月) 午後 11:00 よねぴぃ

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う〜ん・・・残念ですが、これはウイーン近辺に浮上した、一昨日我々が演奏したもの(楽器編成が違っている)を、判明している4つの楽器のために編曲したものに過ぎません。もとが間違っているのでコンピューターを使っても結果は同じことになります。このまま第2声部をオーボエに持ってくると(レヴィン版:彼は、原曲を4つの異なる楽器に編曲したのが現在みつかっている作者不詳・伝モーツアルトである、という立場です)モーツアルトの通常の楽器法としてはかなり苦しく(異常に)なってしまうこと、さらに一番の問題はそもそもの形式で、第1,第3楽章の作り方がそのほかのモーツアルトの作品とはおびただしく異なっていて、編成などが類似しているモーツアルトの管楽器セレナーデ(グラン・パルティータなど)の変奏曲書法、管楽器とピアノ5重奏曲の転調の妙などと比較しても、やはり単純にすぎる感は否めません。

2007/1/16(火) 午前 0:33 [ 茂木大輔 ]

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ただし管楽器書法に精通した作曲家の筆になることは確かで、金昌国さんは「ダンツィではないか?」という説を唱えていて、息子の青山君(もぎぎの同僚)は、最近これを短縮して密度を上げたバージョンを作って演奏していたそうです。いずれにしても、このパリで散逸した曲については書簡にも明確に書かれている通り行方不明としか言いようが無く、もしホンモノが発見されれば世界の音楽の世界の一大事ですので、「イドメネオ」の4管つきアリアなどを手がかりに、その響きを推測するしかないのです。現在の音楽学としてはこれははっきり、偽作です。失礼しました。

2007/1/16(火) 午前 0:33 [ 茂木大輔 ]

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ご教示ありがとうございます。ということはあくまでレヴィンの独断でしかないということなのですね。レヴィン版があたかも本物に限りなく近いかのような誤解をしていました(恥ずかしい!)。勉強になりました。ありがとうございました。ご指摘いただいた、モーツァルトの管楽器の諸作品との比較試聴もやってみたいと思います。お騒がせいたしました。

2007/1/16(火) 午前 3:08 よねぴぃ

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火曜朝のNHKラジオ第一の『わくわくラジオ』に はからずも もぎぎ氏を”発見”しました。 今も ドイツ語学習に関する エッセーを書いておられたのですね。 もぎぎ氏のお話を伺いながら、思ったことは、アフリカ系アメリカ人の 教会で生まれたゴスペル音楽の深さを味わうためには音楽だけではなく キリスト教文化の涵養が大切であるように、クラシック音楽についても 同様のことが言えるのだなあということでした。 (たとえば、 ”CREDO”も 教会の『使徒信条』ですし・・・)

2007/1/16(火) 午前 11:06 [ cov*na*t*643 ]

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あけましておめでとうございます!かなり遅れましたが「大都市交響詩」読了いたしました。留学先でのご経験を私も興奮しながら読ませていただき、一人の青年の危なっかしいけれど(こんな言葉で失礼します)真剣で恐れるモノがない、まっすぐな生き様に感動デス!有り難うございました。

2007/1/16(火) 午後 4:35 [ noe*522* ]

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私が所属しているオケ以外のアンサンブルに「バロック音楽」専門のグループがあり、リコーダーやフルートトラベルソを吹いてます。(この団体でオーボエといえばバロックオーボエです)フルートならEメカどころか、キーすらもついていなくてノンビブラートで吹く怖さといったら・・・・。そこではモーツァルトは新しい!?音楽なのでやりません。バッハ以前の音楽ばかりやってるマニアックな団体。一度足を踏み入れるとかなりハマる世界です。そこでピリオド奏法やへミオラなどという言葉を知ったのです。↑の演奏会聞きたかったです。

2007/1/17(水) 午後 0:32 [ たぬき ]

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