|
フィリアホールのもぎオケシリーズ、第2回がまもなくです。
昨年はモーツアルトの歌姫たち、と題して彼の生涯を彩った多くの歌手たちにちなんだ音楽を特集しました。
そのなかでも、妻コンスタンツェ、かつての恋人アロイージアを含むウェーバー家の4姉妹は重要な役割を演じていました。この4姉妹と従兄弟にあたるのが、作曲家カール・マリア・フォン・ウェーバーです。
今年はこのウェーバーに注目し、彼がモーツアルトの「魔笛」を出発点とするドイツ語オペラを、より大きな、力強いものとして、ロマンティックに発展させようとした業績を、彼の知られざる人生を追いながら聴いて行きます。
まず、スタートにはそのモーツアルトの「魔笛」序曲と、ドイツ語歌詞によって深い心情を描いた傑作であるパミーナのアリアを演奏します。
ソプラノは、本場ドイツの歌劇場で活躍する可憐で知的な市原愛さん。
「のだめコンサート」での出会いから数年、やっとスケジュールが取れて再会することができました。ドイツ国民歌劇としての魔弾と、本場歌劇場の舞台経験を持つ市原さんのコンビネーションは本当に楽しみです。 さて:すでに少年時代からオペラを発表し、宮廷楽長にさえ就任していた早咲きの天才ウェーバーが16歳で作曲した交響曲第1番は、ベートーヴェンの4番よりも前の創作でありながら、すでにシューベルト、シューマンの響きに届く斬新な、しかも大胆きわまりない名曲です。めったに聴くことのないこの曲には、依頼主であった貴族がオーボエの名手であったことから多くの美しいオーボエ・ソロが織り込まれています。今回は、もぎオケに、日本フィルの期待の新人:杉原由希子さんをお招きして、これらのソロを演奏していただきます。お楽しみに!
ウェーバーがしかしヨーロッパ全土を一夜にして魅了したのは、歌劇「魔弾の射手」の成功でした。
ドイツ語による台本、森、狩、伝説、魔法、恋人の救済の祈りなど、この後の19世紀ドイツ・オペラを一気にワグナーまで導いて行く方向性が、このオペラによって確立されたのでした。
ここから序曲と、再び市原さんによってかわいらしいエンヒェンのアリア(ここにもオーボエ・ソロがあります。)を聴いて頂きます。
以後、ウェーバーの傑作オペラ「オイリュアンテ(ウィーン)」と絶筆となった「オーベロン(ロンドン)」それぞれの画期的で楽しい序曲を追いながら、音楽会を進めます。
台本や題材を共有し、「ドイツ・ロマン派」の音楽を「魔法」というキーワードのもとで創り上げていったシューベルト(ロザムンデ)、メンデルスゾーン(「真夏の夜の夢」)の音楽にも立寄りながら、秋の午後の一日を素敵な音楽で過ごして頂こうと思います。
なお、演奏会に先立つ日程のなかで、学術的な御教授を頂いている音楽学の権威であり、桐朋学園音楽部長である西原稔先生の御講演も予定しています。(10/20:午後6時よりフィリアホールリハーサル室)
カール・マリア・フォン・ウェーバー
モーツアルトの従兄弟として旅芸人の家に産まれ、ベートーヴェンと同じ時代を生き、ベートーヴェンよりも先に世を去ったことが信じ難いほど、そとの音はロマン派の新しい夢と響きに満ちています。
少年時代にオペラ作曲、宮廷楽長を歴任、2つの交響曲を数週間で書き上げ、ピアニストとして世界を回り、プラハ、ドレスデンなど超一流歌劇場の監督に就任。「魔弾の射手」をはじめ、多くのドイツ国民歌劇を創作し、結核に苦しむ。最後は、家族のために死を覚悟し、遺産を残すためロンドンからの招聘に答えて英語で「オーベロン」を作曲、ロンドンで初演直後に客死した。ワグナーは4歳のとき、ドレスデンで楽長ウェーバーの指揮で天使の役を歌ったことがあり、終生ウェーバーを深く尊敬していた。ロンドンからウェーバーの遺体を引き取って埋葬したのはワグナーである。
19世紀ドイツを深く彩った魔法、妖精、伝説、変身、楽器などを含む「魔法オペラ」の時代に、「ドイツ・ロマン派」はその芳醇な世界を花開かせて行ったのである。
みなさま、ぜひお越し下さい!
もぎぎ
|
全体表示
[ リスト ]




