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http://www.ryutopia.or.jp/schedule/11/1119c.html
りゅーとぴあ2011 「田園・徹底解説」 ごあいさつ ようこそいらっしゃいました! ハイドン、モーツアルトと進んできたりゅーとぴあのツィクルスですが、今年はついにベートーヴェン! 「もぎオケ」は、「田園」の徹底解説でお願いします、と言われました。(笑) 実は、演奏・解説曲目を指定されたのは今回が初めてで、「田園」は自分ではまず選ばなかった曲です。というのは、音楽家の一般的なイメージとして「田園振る指揮者に成功なし!」と言われ、6番は地味、退屈、最後が盛り上がらない=拍手が来ない、演奏会が成功しない音楽の代表格と位置づけられているからなのです。派手なクライマックスも、それを盛り上げる直前の緊張したスリルも、金管楽器のファンファーレも、田園には備わっていないのです。ティンパニがあるのはなんと途中の楽章一つだけ。 「ああ、おれ運命か第9がよかった・・」(「運命」「英雄」はこちらですでに徹底解説させて頂きました。)と溜め息をつきながらツィクルスの予定を見てみると、! なんと、巨匠秋山先生が「田園」を指揮されるではないですか。ダブルパンチ・・・ と、ぐったりしながら解説の勉強を始めると、やっぱり退屈でした。 なにしろ、同じことの繰り返しが多い。こんなに長い間和音が変わらず、リズムも同じままで繰り返す。第2楽章も、第5楽章も、茫漠として、はっきりした段落が感じられないまま、長い。唯一救いは第3楽章の祭りと第4楽章の嵐だな!と。最初はそんな風に取り組んで行きました。 いつまでも憂鬱だったのが第5楽章。好きになれない。理解できない。覚えられない。幾度もピアノで弾き、その、一見単純に見えて複雑繊細に縒り合わされた糸のような音楽を一つ一つ解きほぐして行くことにしました。 すると、あちこちに、とてつもなく美しい、しかし大胆な、光り輝くような響きがあったことに気がつき始めました。 この交響曲の中核はフィナーレにあるのではないか。 そう気付いたことが、入り口でした。 兄弟作品である「運命」が、3つの楽章で苦悩を重ねて解放されるフィナーレを持つのとは全く違うやりかたで、しかしベートーヴェンは、やはりフィナーレに結論を置いていた。やがて「第9」を産んで行く、彼の、どこかにある理想郷を音楽として描いて見せる試みが、「田園」にこんな美しいフィナーレを書かせていた。 そう思った時から、高台に登って、今日散歩してきた地面を一望するように、「田園」のほかの楽章は、そこに書き加えられたベートーヴェンの標題は、その意味と正しい姿を、実に解りやすく伝えていたことがわかったのです。 9つあるベートーヴェンの交響曲の中で、全く異色の作られ方をした「田園」、その後の時代の交響曲には多くは受け継がれることがなかった「パストラーレ」の意味、ベートーヴェンが言っている「これは絵ではない、感覚の表現である。」という謎めいた言葉。多くのことへの楽しい勉強に、この交響曲解説演奏会の企画は、自分を導いてくれた。その新鮮な発見の感動を皆様にお話しできることを、今とてもワクワクして待っています。 最後までごゆっくりお楽しみ下さい。 機会を与えて下さった「りゅーとぴあ」の皆さんに感謝いたします。 茂木大輔 プログラム 第1部 「田園」交響曲徹底解説!(各部解説と部分演奏) ・「田園」の各部の聴きどころをお話ししながら実演し、また、ベートーヴェン以前に存在したパストラル音楽の伝統や、「田園」と関連し、また「田園」に影響を受けた、その後の音楽史に登場する作品も参考演奏として御紹介して行きます。スクリーン投影にも御注目下さい。 オープニング:「描写音楽の歴史」 ヴィヴァルディ;合奏協奏曲「四季」より「春」(抜粋) 第1楽章「田舎に到着した時、人の中に目覚める愉快で心地よい気分」 *パストラルとドローン *景色の音楽 ほか 参考演奏: メンデルスゾーン;交響曲第3番「スコットランド」より第2楽章抜粋(幻想を5楽章に移動した。トルツメ) シベリウス;交響曲第2番ニ長調より第1楽章抜粋 第2楽章 「小川のほとりの情景」 *水の描写 *ベートーヴェンの訂正、どっちが正しい? ほか 参考演奏 ドナウをトルツメ スメタナ:交響詩「モルダウ」より 第3楽章 「田舎の人々の愉快な集い」 *下手くそ楽隊の音間違い? *酔っ払いの楽隊 ほか 参考演奏: スメタナ:「モルダウ」より チャイコフスキー:交響曲第4番より第3楽章抜粋 第4楽章 「雷・嵐」 *初めて出て来る楽器たち *コントラバスは大活躍 ほか 参考演奏: ヴィヴァルディ;「夏」より第3楽章 第5楽章 「羊飼いの歌:嵐の後の、心地よい、神への感謝に結びついた愉快な感覚。」 *羊飼いの笛 *変奏、「第9」との関わり ほか 参考演奏 ベルリオーズ:「幻想交響曲」より第3楽章抜粋 早めのアンコール: 「田園」から影響を受けた名曲(嵐〜雨上がり〜羊飼いの笛) ロッシーニ:「ウィリアム・テル」序曲 休憩 第2部:全曲演奏 ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調作品68 「田園交響曲、または、田舎の生活の想い出。絵画としてよりも、感情の表現として。」 第1楽章「田舎に到着した時、人の中に目覚める愉快で心地よい気分」 Allegro ma non troppo
第2楽章 「小川のほとりの情景」 Andante molto moto
第3楽章 「田舎の人々の愉快な集い」 Allegro
第4楽章 「雷・嵐」 Allegro
第5楽章 「羊飼いの歌:嵐の後の、心地よい、神への感謝に結びついた愉快な感覚。」 Allegretto
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