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ベートーヴェン
交響曲第9番の楽器編成・楽器法メモ
初演時(1824.5.7:ケルントナートーア劇場:夜7時)人数:管楽器2重:弦楽器12.12.10.12(合計で?)
初演時、ピアノで補強していたという資料あり。伝タールベルク:「ウムラウフとベートーヴェンの指揮のほか、コンラーディン・クロイツァーがピアノ演奏を務めていた。」(西原稔「音楽家の社会史」p63)
再演時:(Redoutensaal)14.14.10.
合唱:ケルントナー門劇場:少年合唱S16A16,男性34+アマチュア4声部に(女性)8〜9人づつ。
ヘンリエッテ・ゾンターク(S)18歳1806-1854>1823年10月、ウェーバー「オイリュアンテ」初演Wienでタイトルロール(大変な役)
カロリーネ・ウンガー(A)21歳1803-1877
アントン・ハインツィンガー(T)(28?)1798-1867
ヨーゼフ・ザイベルト(B)(36?)1796-1865
参考
7番初演:倍管:18.18.14.12.7(コントラファゴット2)
全体的な問題:
長さ(80分?)密度、緊張感
最も画期的な構造>3つの前提楽章の終局における否定。理想郷の追求。
声楽導入はその理想郷の「未だ見ぬ世界」?
楽器そのものは教会(トロンボーン)劇場(トルコ楽器)などで耳慣れたもの。
創作史的に:交響曲フィナーレの構造はハイドン以来、いまだに決定的な姿に到達していない。
(例)
モーツアルト最終3部作
変ホ長調:ロンド
ト短調:ソナタ
ジュピター:疑似フーガ
ハイドンのロンドン交響曲:快速ロンド。内容は軽妙で喜劇的。
ベートーヴェン:
1,2番:ソナタ
エロイカ:変奏曲
4番:ソナタ
運命:ソナタ、3楽章回想を含む(重要関連)
田園:フィナーレがない。踊り>嵐>賛歌。
7番:ソナタ。エネルギッシュで単調。
8番:ソナタだが、構造が3段構え実験的。長いコーダ。
楽章別楽器法ポイント
第1楽章
2.2.2(Bb).2./4(D,Bb-basso).2(D).0.0./Pk(D,A)
・冒頭からセロとコントラバスの独立用法(セロ:6連符、コントラバスはリズム動機を受ける。)
・ホルン1,2には頻繁にEb-E,F,Bbなどが用いられている。ことに調性決定音である実音F-F#の急速な交代(T51〜74)。
・3,4ホルンはより自然ホルン的な用法だが、第2主題調で選択されている。(T76の主題の2重奏:再現部341ではD、1,2番に。)>用法に差がある。
(446−3番にもEb=C#dim.7として)
・第1楽章全体に、solo-Tuttiという明確なブロックがなく、全体的に常に演奏している、弦楽器、木管楽器的に密度の高い用法。ホルンもそれに準ずる。
管楽器だけのフレーズは:
104のみ
138〜(断続的弦楽器の合いの手を含み)
144〜4小節間
192(F)〜6小節間(rit.-a.tempo)>印象的
210(G)〜6小節間(rit.~a tempo)
266〜は、低音を伴うが木管のみの16分音符埋め尽くし。
371.375(2小節づつ)
407(N)~416(合いの手を含み)
469(Q)〜弦楽器の保続を伴いつつ:ホルンの長いソロ。2番ホルンに閉塞用法。(半音)
505〜4小節
弦楽器のみのフレーズ:皆無
・保続が非常に多い。呈示部分ほか。(弦楽器は6連で)
一例:160-187までのホルン
・301(K)再現部からのVc.Kb.F#音3オクターブ跳躍・主和音の第1展開型
Pkは32分音符の保続。(D)
第2楽章
編成:
2.2.2C.2./4(D,Bb)2(D)3.0/Pk(F-f)/Str.
クラリネットがC管に:同じ調なのに楽器が変わる。
Pkの調律。音域ギリギリのオクターブ(F−f)主音も属音もない。
参考:「魔弾の射手」序曲(1821:ベルリン)に音替えの指示。>楽器は手締めではなかった?または数を多く使用した?
9〜主題の弦楽器の入りを木管の短音で縁どる用法。
77(B)〜木管のベルトーン的(入った楽器を追うとメロディに聴こえる)用法。
3拍子部分(186〜)Pk.の、異なった強弱で割り込む用法。
248(F)〜ホルンの交代で旋律を作る用法。転調までする。Bb管では「ドミソ」で、演奏可能な音なので、分散は意識的?用法である。
・414トリオ:木管のコラール用法、オーボエとクラリネットを密に。この主題全体に保続、ベルトーンも。(ホルン:438(L)〜)
・454:対旋律はオーボエの難所。
・475(M)〜トロンボーン:バスの補強:活動的パート
トロンボーンは、そもそも合唱導入を意図したための投入。
・この楽章では、弦楽器のみで演奏するのは冒頭の4小節のみ。
・管楽器のみで演奏するのは:360-366まで(ごく僅か)
第3楽章
(変化事項)クラリネットがBb管に。
ホルンは1,2Bb,3,4Es
TpはBb管に。(重要:軍隊的?)
Pos沈黙
PKはBb-f(トニカが下。)>下のFの鳴りが悪いためでもあるが、上のFも鳴りが悪い。>第8番の調律はF-c(下のF使用)
・冒頭の管楽器のみの開始。2番ファゴットの難所。Kl.Fg.Hr.をユニットとして、弦楽器を応答として交互に。今まで密度が高かったため印象的。
・15:4番ホルンの特別な活躍が開始。
・19.20:Pkの印象的ソロ
・25〜拍子も変わるが、楽器用法は古典的(ユニゾン)管と弦は対比でなく混色。
・65〜同じ3/4で、管と弦の役割が入れ替わる。混色用法。クラリネットが休んでいるのでバロック的。
・83Adagio:墓場の音楽?ピチカートだけを伴う管楽器コラール。4番ホルンは音域を跳躍しながら名人芸を。(今日では分業すること多し)
・96:4番ホルンのソロ。演奏法は謎。111/117も。
・99:Pkの、ピチカート的用法。139なども。
・121Tp:F音が堂々と。Es管的用法。
・153〜Pkの重音。
第4楽章
追加楽器:picc,Kfg.Pos,Bk,Gt,Tri.
Kl=Bb
Hr,=D,Bb
Tp-D
Pk=A,d(アタッカの場合:両方の楽器を調律する必要がある。)
冒頭騒乱;実音F(一番ホルン)閉塞音か?
・8〜:Vc,Kbの長いRecit.歌詞のあったものを器楽にした。回想部分。
結果として重要主題の呈示(92)も低弦のみ。ドラゴネッティがロンドン初演で独奏で弾いた(ソース未確認)。
・116〜Fg,のオブリガート問題:LvBの「colBasso」記入の見落としにより長く第1ファゴットの独奏オブリガートとなっていた。
・164(B)〜Tuttiによる主題。Hr,TpにF音。
・216〜声楽の導入。
・237〜合唱の投入。>初演事情:初演演奏会では荘厳ミサ3章が先立つ。声楽は「温存された」最終兵器ではない。むしろ各所に響き合う共有イメージ。
・297〜2番ホルンのみのバス(刻み)
・330“VorGott!”のdim混乱。Pkのみ?
・331トルコ楽器の投入。(ピッコロ・ソロ含む)
*コントラファゴットのオクターブ問題
・367:マーチへのTp参加は2番のみ。Bb管持ち替え。軍隊ラッパの調。
参考:「荘厳ミサ」AgnusDeiの軍隊トランペット(1,2番、Bb)
>ハイドン:交響曲第100番軍隊(2番、C)
・595トロンボーンの投入(オラトリオ?)
・627:ヴィオラの見せ場。宗教的。古代的。
・648〜木管に星の瞬き。
・655〜2重フーガ(「抱き合い」)
・751〜昇天:荘厳ミサ(Credo464~)との比較
・851フィナーレ:トルコ楽器投入。
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