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もぎぎ:最近の活動情報!(HP)
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もぎぎの最近のコンサート活動、出版、放送出演そのほかの告知です。HPの代わりとしてご利用下さい。
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(1)
中部フィルハーモニー交響楽団;第3回犬山定期演奏会
オッフェンバック:喜歌劇「天国と地獄」序曲
ハイドン:交響曲第94番ト長調「驚愕」(新全集版:ピリオド奏法)
ビゼ:歌劇「カルメン」組曲第1番+第2番全曲+第4幕「闘牛場の場」+「カルメンの刺殺の場」(ナレーションつき)
演奏:中部フィルハーモニー交響楽団+合唱団
指揮:もぎぎ(茂木大輔)
今年1月ののだめツアーで、素晴らしい演奏をして下さった中部フィルハーモニー交響楽団からご招聘をいただき、愛知県犬山市における定期演奏会を指揮してきます。
天国と地獄はそのときにも指揮した演目、ハイドン94は、もぎオケのライブCDではランドン版(HMP,Univers.edition)を用いていましたが、今回はハイドン研究所校訂による新全集(ヘンレ・ベーレンライター)を用いて、よりロンドンにおけるハイドン初稿に近い状態を再現します。
カルメンは、意外にちゃんとは知られていない物語をナレーションで追いながら、2つの組曲の全曲を演奏し、終幕のクライマックスである闘牛場の場(合唱つき)と、歌劇の最終場面も追加しての演奏になります。
犬山は、高校一年のときに初めて学生だけで旅行して犬山城に登った、懐かしい土地でもあります。愛知県芸バッハカペレの本番当日に高速インターを間違えて犬山に来てしまったくらい縁の強い場所のようなので、きっと成功するでしょう。音楽監督に秋山和慶先生が就任して新進期待のプロオケ、中部フィルの若々しく柔軟な美しい演奏を楽しみにしています。ぜひ多数御来場下さい!
(2)
オンディーヌ室内管弦楽団第40回記念定期演奏会
9月12日
フィリアホール
13:30開演
モーツアルト:交響曲第40番ト短調K550
ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス;第1番、第2番
ヴァイオリン:礒絵里子
ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調
全曲ピリオド奏法、古典ティンパニによる
2年前に御一緒させていただきましたオンディーヌ室内管弦楽団。アマチュア離れした演奏精度と知的なアプローチ、弟がファゴットを吹いていた御縁で、前回はこの初夏に死去した母が「兄弟共演」を聴いてくれた唯一の演奏会でした。フィリアホールには道を間違えなくともまた10月2日には登場する(「もぎオケシリーズ第1回:モーツアルトの歌姫たち」)御縁の深さであります。今回は40回記念演奏会とのことで、40,作品40,4番と4づくし。ヴァイオリンには戦友礒絵里子登場で非常に素晴らしい演奏を予定しています。(もう合わせましたが、音の力が本当に凄かった。)多数御来場下さい。
全席自由:1000円
問い合わせ:045-962-0765
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お盆開けから働きます。
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朝日カルチャー:新宿校
ベートーヴェン交響曲解説シリーズ。
7/9+10の講座のレジュメ先読みです。
数字は小節数。無断転載などを禁じます。
朝日カルチャー
茂木大輔の
御一緒にベートーヴェン(の交響曲)を聴きましょう!シリーズ
「第2番」の巻
*御一緒に、ベートーヴェンの交響曲を聴いて行きながら、みなさんの感じた事を語り合って頂き、興味のあるポイントなどをお話ししてゆく時間です。
・まず、第1番をちょっと聴いて、復習します。
つぎに、交響曲第2番を、第1楽章の冒頭から聴いて行きましょう。
この紙に、皆さんの感じた事を、どんなことでもよいので、できるだけ沢山書きつけて下さい。できればそれが開始から何分後、また、スコアをお持ちのかたは、何小節あたりでのことかも書いて下さい。
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参考資料
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調:作品36
*成立年代
1802年、初演1803年4月の自主演奏会(ウィーン)
1802年の4月から10月まで、ベートーヴェンは耳の治療と療養のため、ウィーン郊外のハイリゲンシュタットに滞在していた。
*その時期のベートーヴェン
・先立つもの:
交響曲第1番(1800年4月、自主演奏会で初演。)
6つの(最初の)弦楽4重奏曲op18(1800)
ヴァイオリンソナタ「春」(1800〜1)
ピアノ・ソナタ「月光」を含む作品27(1801)
ピアノ協奏曲第2番の改訂稿(1801)
サリエリのレッスン(1801)>イタリアオペラ作曲への意欲
・交響曲第2番作曲当時
「不滅の恋人」との恋愛
ハイリゲンシュタットの遺書(1802年10月)
・その後に続いた事
交響曲第2番初演、第1番再演、ピアノ協奏曲第3番初演、「橄欖山のキリスト」初演を含む大演奏会を自主公演。(1803.4.5)
交響曲第3番「英雄」(1803)
歌劇「レオノーレ」の作曲開始
*交響曲全体として
全9曲
第2番は最も演奏頻度が少ない。
理由は?
>小規模?
>文学性が少ない?
「ニ長調」という調性の選択について
ハ長調と並び、圧倒的な祝祭調。トランペット、ティンパニともよく響く。弦楽器も弾きやすい。>逆に、前例が多すぎると感じたかも知れない。
・バッハ「ロ短調ミサ」
・モーツアルト:「パリ」「ハフナー」「プラハ」
・ハイドン:「朝」「帝国」「狩」「時計」「ロンドン」
ベートーヴェン自身の創作では、のちの第9番のフィナーレがニ長調。
シューマン:第4番のフィナーレ
ブラームス:第2番
マーラー:第1番
フランク:交響曲二短調のフィナーレ
シベリウス:第2番など。
******************
交響曲第2番
外見上の特徴
楽器編成
フルート、オーボエ、クラリネット(終止A管>第1番はC管)、ファゴット、ホルン、トランペットそれぞれ2。
Timp(ティンパニ)2台
弦楽器
(2管編成:第1番と同じ。)
第2楽章のホルンはE管で、楽章の途中での差し替え(A管へ:117小節)がある。(珍しい)
楽章構成
1:
序奏部Adagio3/4つきのAllegro con brio,4/4
ソナタ形式
360小節
2:
Larghetto,3/8
ソナタ形式
276小節
3:
Scherzo
Allegro,3/8
130小節
4:
Allegro molto,2/2
412小節
ソナタ形式
観察
*ソナタ形式楽章を3つ持つ。
*3拍子楽章(序奏)を3つ持つ。
*第1番の小節数との比較(/2番の小節数)
1:298/360(120%)
2:195/276(141%)
3:137/130(ほぼ同格)
4:304/412(135%)
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ベートーヴェン:交響曲第2番
各楽章の特徴
第1楽章
序奏部
・開始の、よくあるリズム>ユニゾン>が、実は全曲(ことに第4楽章)で重要
・管楽器のみでの開始、弦楽器でのやり直し(T5)
・トリル(tr.フリフリ〜〜〜〜)が頻発するが、後で第4楽章で重要になる。
・すでに展開さえする(T9)
・材料が多い(1〜、11〜、17〜、23〜、24〜、29〜、は、それぞれ違った音楽である。)序奏部としては異例な材料の多さ!
・トリルが頻発(29〜、フルート、ヴァイオリン)
・不安定、音量の差が大きい。
呈示部(34〜)
・主題がヴィオラ!(+セロ)
・ヴァイオリン、コントラバスを外している事、どちらも異例。
・「空気感」のようなヴァイオリン。管楽器。(第1番にはなかったこと。)
・半音階の「ひらひら」が多い。主題の1部。
・序奏部開始リズムの活用(57〜)
・弦楽器だけでの突進(61〜)
・クラリネット群による第2主題、豊かな和音。クリアーなコーラス。(73〜)
・序奏部開始リズムの連打(97〜)
主題リズムの応答(pp)(105〜)
展開部(134〜)
・第1番と似た作り方(寒さ。第1主題リズムに執着):ほかにも随所に類似点
・偽の再現部(ハイドン風)(182〜)その後「フィガロ」風(186〜)
>全体に、ユーモラスな展開部であるが、その後闘争的(198〜)
・まとめとして:序奏部リズムの呼応(206〜)
再現部(216〜)
順当。
・第2主題はオーボエに(245〜)
・1度、完全に盛り上がって終れていることに注意。(298〜)
コーダ(302〜)
完全段落。
・実はここからが第2番の真価!!
全く新しくまた始める。よく聴きましょう。あまりにも圧倒的な盛り上がりと英雄性。
第2楽章
・楽器編成が、トランペット、ティンパニを外す。
・非常に美しい、田園的な雰囲気=ハイリゲンシュタットの田舎?
・開始時点から、先立つ第1楽章の輝かしい闘争的なコーダとの大きなコントラストが感動的。
・クラリネット、ファゴット、ホルンによる「森の響き」(第1主題の確保)
(9〜)>この交響曲を「小・田園交響曲」と呼びたいほどである。
・主題(第1主題)は、3つの部分を持ち、それぞれを、管楽器と弦楽器が呼び交わす形で進める。(17〜、23〜)(33〜、細かく)
第2主題:(48〜)
・小川の流れ>ピアノソナタ「田園」、第6交響曲の準備
水車、鳥、跳ねるしぶき。自然描写と喜び。散歩の雰囲気。
第2主題部、コデッタを、多くの材料(鳥の声?)から長く作っている。
・ホルンの妙技は聴き所(85〜)
・繰り返しはなく、展開部に。(異例。長過ぎると思ったか?)(100〜)
展開部
・イ短調。深刻さはなく、「曇り空」の散歩程度。(117〜)
・田園交響曲第4楽章(にわか雨)(128〜)
・そのあとの晴れ間の喜び(148〜)
再現部
順当(158〜)
コーダ
(264〜)
・一旦音楽を停めて鳥を鳴かせるのも「田園」(第2楽章)。
このコーダは短い。
第3楽章
・交響曲史上初めて「スケルツオ」と表記された。
スケルツオ>いたずら、冗談。
通常は第3楽章には3拍子の宮廷舞曲メヌエットが置かれてきた。
スケルツオは同じ3拍子だが速度が速く、踊りはない。気品というよりは刺激、知性を強調した音楽である。
・激しい強弱の差。(1〜、8〜)
・とぼけたように鳴るホルン。(5〜)
トリオ(中間部)
(85〜)
・のどかな、やや宗教的にも聞こえるオーボエなど管楽器のコラール=第9にも同様の構成あり。
対比して、いきなり乱暴な弦楽器(94〜)
ファゴットのスタカートが飾るコラールはまさに「第9」(109〜)
・楽譜の末尾にある「Scherzo Da Capo」、「D.C.」などは「冒頭に戻る」という意味。メヌエット、スケルツオはすべてこの構成になっている。
2回目に、トリオの前で終る。
・交響曲第1番の第3楽章も、メヌエットと書かれているが実質上のスケルツオである。
第4楽章
・主題の、極端な奇抜さ。(開始)、強弱のコントラスト。非常に速いテンポ。
第1楽章序奏部の開始動機とトリル。
多くの、細かい材料が含まれている。
(開始、トリル、3からの跳躍型、6での「連打」。12から、「開始」と連打が成長する。20からの管楽器にあるなだらかな下降二分音符、さらに26からのセロの旋律も。)
>第3楽章でくすぐられていた興奮が爆発する。
・新しい、対照的なゆったり旋律(第2主題ではない。)。(26〜)セロ、ホルンなど中音域の使い方。この旋律はコーダで使う。
第2主題
(52〜)
・非常に旋律が長い。
・悪ふざけなバスの跳躍(94〜)
・開始リズムの反復(98〜)とファゴットの冗談跳躍に導かれて主題から展開部に。
展開部
(108〜)
主題が主調なのでロンド的。
・主題を徹底分解+徹底反復(131〜)
・主題と、冗談跳躍。(139〜)
・開始動機の展開(165〜)=主題の導き入れになる。
再現部
(185〜)
「驚愕」して再現される強弱のコントラスト。
・210からの旋律は呈示部と同じ調で、第2主題ではない。
・第2主題はホルンで(236〜)
コーダ
・同じく、開始動機に導かれて主題が始まる(4回目)(294〜)
第1楽章と同様、ここから非常に充実した長さを持つ、独立した音楽(第2展開部)とも言えるコーダになる。
・セロの旋律の活躍(312〜)
・あまりにも思いがけない停止(335,337)
・盛り上がるのかと思ったら、また静かに・・・(338〜、346〜)
・圧倒的な不意打ち(372〜)
それでもまだ終らない。ひらひら動機が強烈なブルレスケに。
ティンパニ、金管楽器の活躍。
・またしても停止!(414)コーダの中に構造の反復さえもがある。
・ティンパニの乱打(431〜)
・最後は全員「レ」(D)。第9と同じ。
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総合観察
ベートーヴェンの交響曲第2番は>
第1交響曲の発展型であり
第3番「英雄」を、スケルツオや、大きなコーダという構成実験で準備し
第6番「田園」の小型版である第2楽章を持ち
第9と同じ調を持ち、トリオを実験している。
内容的には:
第1番で強固な構成、大きな管弦楽、管楽器用法などで重ねた実験と実績を、古典的(ハイドン型)の4楽章の中でさらに発展させようとした。
その結果がコーダの巨大化であり、スケルツオであり、自然描写を長々と楽しんだことでバランスを取ろうとする、全体的な爆発力になっている。
しかし、これ以上を想像してみても、「音だけの音楽」における限界が感じられている。
考えられた方向性>オペラ化、オラトリオ化、文学化・・・・
実際の決断>交響曲第3番「英雄」(シンフォニア・エロイカ)の創作。
古典交響曲には、第4番で再び、「洗練」を伴ってベートーヴェンは戻ってくることになるだろう。
第3番、第4番も、「御一緒に聴きましょう!」
ありがとうございました。
茂木大輔(2010年7月9+10日:朝日カルチャー新宿校
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朝日カルチャー(新宿校:住友ビル)にて集中講座:(ベートーヴェン交響曲全曲解説シリーズ)
7月9,10の2日間連続。18;30〜20:30
詳細は
ベートーヴェンの交響曲第2番は、9曲のうち最も演奏回数の少ない、地味で小規模な交響曲と思われています。
イメージ上ではちょうど、太陽系の惑星における金星のような位置づけになっているのですが、これは、ほかの8曲があまりにも演奏回数が多いのだ、ということをまず差し引いて考える必要があります。
2番の交響曲をは、まずそれ自体として、非常に大規模で爆発的な交響曲であり、第1楽章のあまりのエネルギーの大きさ、その直後に来る田園的第2楽章の美しさの対比は、器楽の音楽であるシンフォニーの、ひとつの究極にまで到達している感動を持っています。続く第3楽章の面白さ、それらを伝統的な枠組みでかろうじて積み重ねた後にやってくるフィナーレの輝かしい独創性、快活な冗談に満ちたオペレッタの世界に身を委ねる心地よさは、このシンフォニーを聴かずにスルーしてはあまりにも人生がモッタイナイ、と思えるほどです。
しかし、その、作品自体としての内実と同じくらい重要なことは、このシンフォニーが、交響曲の歴史と、ベートーヴェンの創作史に占めている非常に大きな意味であると言えるでしょう。それは「古典交響曲の最終到達形態」だった、ということです。
ハイドンたちの、多くの必要と実験から多数の創作が残されて、やがて定型を作るに至った古典交響曲は、ベートーヴェンの第1番(前回の講座;その、すべての交響曲に共通する基本構造はすでに御説明しましたが、今回は別の観点からお話しすることになります。「1番」を聴いてなくても大丈夫です。)でその形態を洗練され、規模を拡大し、密度を高めた形として継承されたわけですが、この第2番において、早くもその最終的完成形に至ってしまったと言えます。
というのは、このあとに創作されたのが「シンフォニア・エロイカ」(英雄的交響曲)である第3番になるという、音楽史、交響曲史において最も重要と言える変質が起きるからです。
ハイドンから受け継いだ古典交響曲の到達点、これ以上進めないという臨界点にある第2番、ぎりぎりまで来るとはどういうことなのか、音のあちこちにベートーヴェンの満ちあふれて壊れそうなほどの、歴史を予感させるエネルギーを聴き取る事が出来ます。
この先、3,4,5番とベートーヴェン交響曲をご紹介し続ける上で、ベートーヴェンの、あるいはほかの作家も含めたシンフォニーの楽しみを大きく増やして頂きたい中で、第2番を一通り見ていることはとても役立つ、必須の経験と言えると思います。
楽譜が読めなくてもなんとかなりますので、このあまりにも面白い番組(交響曲)を4時間でお話ししてしまう(本当は4日間欲しい所です!)連続講座、御一緒にベートーヴェンを聴きましょう!
もぎ
場所は
です。
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