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さて、前回の記事で
「背骨のしなり」についてのお話をしました。
今回は、より具体的に、スキーでの背骨の使い方へと
話を進めていきたいと思います。
背骨のしなりの役割は、大きく2つ。
前回、多くの人は背骨が上手くしならなくなっているというお話をしました。
背骨は24個の椎骨という骨が積み上がって出来ていて、
それぞれが関節になっています。
ですから、それぞれが可動し、前後左右に曲がります。
このしなりが、姿勢の維持や動作時において、
重要な役割をすると考えています。
スキーにおいての重要な役割としては、
大きく2つに分けられます。
その1つ目は、
「重心位置の保持」に役立つ
スキーのターン時、とりわけターン弧が大きい時は
体が遠心力に抵抗するために傾きます。
その時に、軸足から荷重が外れないようにするのに
背骨のしなりが必要になります。
基本的な事として、
背骨がきちんと積み上がり、重心(腰の辺りにあります)が
足の上にあると地面に対して垂直方向から真っ直ぐ荷重がかかります。
(イラスト左)
スキーのターンなどで遠心力がかかる場合には、
この体軸を傾ければいい訳です。
体が真っ直ぐのまま力が釣り合えばこのままの格好でもいいと思いますが、
重心は骨盤の辺りだけではなく、頭や胸の辺りにもありますので、
ここらを背骨をたわます事によって、
接地面(軸足)に上半身をさらに近づければより荷重が強くかけられます。
しかし、多くの人は背骨がうまくたわまないので、
骨盤が移動してしまいます。
頭や胸は軸足に近づきますが、骨盤が軸足から離れてしまうので、
荷重が逆に弱まってしまいます。
こんな違いが動作に現れますが、
普通の人ではなかなか見分けが難しいところでもあります。
ちなみに背骨は前後にもたわんでいます。
股関節の屈曲が大きい時には背骨は後湾し、
伸展する時は元に戻ります。
重心を前後に調節する場合も、たわみが出ると有利なのですが、
腰椎を過剰前湾させている(いわゆる腰反り)スキーヤーが多く、
これだと使えません。
過剰前湾した状態だと、背骨回りの筋肉が緊張しているので、
左右のたわみも出にくくなります。
背骨のしなりを出すためにはまず、
腰椎回りのコンディショニングを正しくしておく事が欠かせません。
シーズンインまで、まだ間に合うので、
気になる方は、こちらへご相談ください。
次回はもう1つの役割についてお話します。
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黒所長です。再度、質問させてください。
「体が真っ直ぐのまま力が釣り合えばこのままの格好でもいいと思いますが、重心は骨盤の辺りだけではなく、頭や胸の辺りにもありますので…」
身体各所の合成重心である身体重心の位置は、ヘソ近辺となりますが「頭や胸の辺りにもあります」とは部分重心のことを仰っているのでしょうか?
「接地面(軸足)に上半身をさらに近づければより荷重が強くかけられます。」
との点について、荷重している根本は身体の質量(+用具の質量)だと思いますが、何故この姿勢をとることで荷重が強くなり得るのかお考えをお聞かせ頂ければ助かります。
身体重心→雪面に接地しているスキーのエッジを結ぶ線の向きに荷重がなされているのであれば、頭部や胸部の部分重心がこのラインから外れる方が、エッジングには不利になりそうに思いますが、荷重は増えるのでしょうか。
2017/10/11(水) 午前 10:04
脊柱を左右に曲げ・たわませることは実際に私も使っているのですが『荷重』という観点からは、真っ直ぐにしておく方が有利だとしか思えません。ですから私もこの左右に曲げ・たわませることについての説明に苦労しています。
姿勢改善トレーナーの視点から、何かヒントを頂ければ助かります。
2017/10/11(水) 午前 10:04
> 黒所長さん
1つめのご質問についてです。
単純に、遠心力がかかっているとはいえ、体が完全に斜めになっていると頭が重力方向に落ちようとする力が働きますよね?
体が斜めになっていて、板のほうに向けて垂直に荷重がかかりますが、それに加えて地球の重力方向にも垂直に力がはたらいていますので、頭や上半身が板の上に近い方が、地球の重力方向への力もプラスされると思います。
停止状態で平地で真っ直ぐ立っていれば、その二つの力は一致していますので、体が直立になっていた方がいいのは当然です。
実際はこれに体の回旋動作が加わりいわゆる外向傾姿勢が成っていると考えてます。
2017/10/11(水) 午後 11:51
ここからは体の感覚のお話になりますが、もしイラスト左の格好がそのまま斜めになった状態から、腰椎をたわませると荷重が抜ける感じがするならば、それはイラスト真ん中ではなく右の姿勢に近い可能性大です。これはわずかの違いでも感覚が違ってきます。
2017/10/12(木) 午前 0:37
> 黒所長さん
2つめについて。
次の記事にも書いてあるとおり、背骨の積み上がり・湾曲を保持するためにたわみが必要と記しています。
以前私はスキーの雑誌で「免震構造のビル」で例えてこの背骨のたわみをお話した事があります。
当然、平時は真っ直ぐ立っています。普段から撓んで傾いていたら安定感が無いのは当然です。ただし、地震など揺れがあった時こういうビルは建物自体が大きく振れて倒壊を防ぐといいます。
背骨も同様で、しなるのは動作によって外力がかかるときのみと考えてください。スキーなら左足⇔右足と荷重が移る重心移動の時にたわみ、ニュートラルに戻った時は真っ直ぐです。
真っ直ぐを保つためにフレキシブルにたわんでいると考えていただいたければいいのではないでしょうか?
次の記事でも書いていますが、意識的にたわましながら滑るのはおすすめしません。
無意識に出てくるように、陸上で動かせるよう訓練しておく事をおすすめします。
2017/10/12(木) 午前 0:59