ニューヨーク便り

でも今は日本に住んでます。ニューヨーク州北西部での思い出や、日本での日々の出来事を綴ってます。

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桐野夏生「メタボラ」

最近集中力が落ちてて、本も最後まで読まずに放棄する
事が多い自分だけど、この本は週末に一気読みしました。
 
記憶を無くして無一文な青年と、家出してホストになった
青年が沖縄で必死に生きる話。
 
かなり大変な出来事の連続だったし、ホストの方は最後は
・・・な結末なんだけど、読後感は良く、主人公たちの生命力の
凄さに、頭をゲンコツでボコボコに殴られたような衝撃を受けました。
記憶喪失青年の方(ギンジ)は今後の人生も困難が予想されるけど
必ず生き延びて行く事が確信できるのが読後感の良さの主因です。
 
桐野夏生の長編作品はどれもグイグイ引き込まれて
一気読みさせられてしまいます。
「柔らかな頬」も
「グロテスク」も
「ダーク」も
そして意外なことに「魂燃え」も
一度読み始めたら止めるのは不可な勢いでした。
 
思うに、人物やエピソードの描写が説明的でなく
「事実を見たままに書きました」的な勢いがあるのが
読ませる原因ではないかな。
「この主人公はこういう性格だから、こんな反応するはず」とか
いった計算で緻密に組み立ててるのでなく、ほんとに
見たままを書いてる感じがする。
 
だから冷静に考えると「おいおい、その状況でそんな反応する
教師いないよ」って言いたくなるような状況もすんなり
受け入れられるのだと思う。
 
この作品でもギンジの父母の変貌ぶり、特に母親は元々
看護婦で子育て熱心な主婦なのに、最終的にはアッサリ
子供達を見捨ててて(しかも悪気無し)、書き方を間違えると
超不自然になるはずなのに、この作品だと
「へ〜、そんなお母さんいるんだ」って思えてしまう。
 
 どんな変な設定、不自然なエピソードも
「しょうがないでしょ、事実なんだから。」という勢いで(フィクションなのに)
読ませてしまう。
やっぱ、そういう物語を沢山読みたいと思う。
特に集中力が低下気味の最近のダメな自分でも、そんな勢いが
あれば最後まで読める。
次は映画化で話題の「東京島」を読もうかなと思う。
 

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