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残念ながら2対0で負けてしまいました、京都サンガ。アウェーでファジアーノ岡山に。 試合終了後、地元の岡山サポーターと交流会。終わってしまえば、フレンドリーなサッカー談義。 一息ついて、宿に帰るために、人っこひとりいない深夜の商店街を歩く。ふと、アーケードを見上げて、驚いた。 さっきの試合、3時間前の結果が既に告知してある! 恐らく、このボードを見た人間は本当に限られるだろう。その頃はもう店も閉まり、通行人はいなくなってるはず。そんななかでも、きちんと素早く告知に励んでいる人がいるのだ。 夜が明ければ、再び商店街は人で溢れる。朝一番これを見たサポーターは昨夜の勝利の余韻に再び浸ることができる。そしてサッカーに興味がない人にも「ふーん、そうなの」的な印象を残すことができる。 プロスポーツは、地域に根付くことが大事だと言われる。 しかし、ここまで熱心に、地道に活動しているチームはどれくらいあるだろうか。 地域に根付いている、あるいは根付くために努力をしているとは、具体的にこういうことではあるまいか。 こういうことが普通に行われている時点で、京都は岡山に負けていたのかもしれない。 肝心の試合なんですが、いやあ、珍しいものというか、良いものを観たなあという感じでした。敵方を褒めるのは嫌なんだけど。 岡山、左右いっぱいに選手が広がるウイングバックを使いこなしておりました。 具体的に書くと、3人のCBタイプのDFで守備ラインを組み、両サイドの選手、ウイングバックは基本的に前目のポジションを取り、攻撃参加の機会を増やしつつ、ビンチとなれば素早くDFラインに戻り、5人で守る仕組み。 こうして書くと単純だが、両サイドのウイングバックはかなりの走行距離を走り続けなければならないので、攻撃と守備の切り替えのタイミングを読まないと、すぐに消耗してしまう。 そこで岡山は一工夫加えて、中盤の下り目の位置にフリーになれる機会の多い選手を置き、そこでワンタッチでもボールを落ち着かせて攻守の切り替えの信号的な役割を任せる。 さらに攻撃陣は実質1人FWにして、その下に3人の選手が両ウイングバックと連動して攻守に走りまくる。 こうすることで、ピッチをワイドに使いながら、京都の選手の動きを制圧してしまいました。特に2点目などはサイドから豪快にクロスボールを放ち、あれほど鮮やかに決められると、敵ながらあっぱれ、でした。 今時珍しいウイングバックサッカー。 しかし、機能して成果が上がれば、珍しいも何もないわけで。 個人的には、右ウイングバックを担当した元日本代表、加地亮選手の職人技的なプレーが面白かった。 普通に勤勉に上下動のランニング、時には中に切り込んでシュート気味のクロスボール、ほんの少しだけインサイドに動くだけで京都の選手の動きを封じるポジショニング……何より飄々と歩いてる時間が以外と多いんだな、これが。 左ウイングバックの三村も良い選手だと思ったが、絶好のお手本がいるのだから、まだ伸びそうだな、このチーム。 京都は開始早々からの、立て続けにあったチャンスをものにできなかったのが痛かった。相手はまだまだエンジンが温まる前で、選手間の連係もギクシャクしており、ゴール前にはCB2人だけという時間も長かった。 そして試合が落ち着き始めると、岡山の両サイドからのプレッシャーがキツいので、いつもはオーバーラップしてチャンスメイクする石櫃と磐瀬がほとんど動けなくなった。 そこでセンターサークルあたりの空いたスペースを活用しようにも、和田と金南一ではスピード不足で前線へビルドアップできず、逆にフリーでボールを受けた岡山の千明にカウンターのスイッチを入れられてしまう(背番号10は伊達ではなかった)。佐々木を本来の攻撃的なポジション、ほんの少し前目で使っていれば、つなぎも上手くいったのではないか。 後半になってから交代で長身FW有田を入れて、ロングボール一辺倒ときどきミドルシュートという単調な攻撃になったのも、惜しいシーンはあったとはいえ、マズかった気がする。 確かに雨のなかの空中戦というのは定番ではあるが、それは相手も承知の上。そのために岩政大樹という強力なファイターがゴール前にいるのだ。彼を中心に集中力を高め、人数を増やして壁を作っていけばいいわけで、逆にハメられた気がする。 むしろ、アディショナルタイムに見せた駒井のドリブルのように、相手守備陣の壁を崩していく地上戦で挑むべきだったかも。 そもそも、京都はロングボールで勝負するような選手も揃っていないし、作戦も取ったことはないはずなのだが。 ピッチの外でも中でも、戦略を練って、戦術を生かし、選手やサポーターに喜びを与えるのは難しいなあ。 でも、そこを目指さないとね。 |
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