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その昔、韓国に行くときに飛行機に乗り損ねたことがある。 原因は、寝坊。朝7時前の京都発関西空港行きの特急電車に乗らなければならなかったのに、起きた時点でその時刻になっていた! 全速力で空港に向かい、とにかく大韓航空のカウンターに向かい、チェックインは終わったかと尋ねるも、当然終了。 本来ならあらゆる変更の効かない格安航空券だったので、その時点でアウトなのだが、当時は若くて熱意があったのだろう、カウンターに両手をついて両肘を少し上げて深々と頭を下げる、いわゆる土下座のポーズで「何とかなりませんか!」と必死で頼み込んだら、渋々次便キャンセル待ちに振り替えてくれたことがあった。 やっぱり言ってみるものだなと思いつつ、二度とこういうことはしないぞと反省したものでした。
しかし、人間、あやまちは繰り返すものですね。 また、やってしまいました。乗り損ない。 飛行機搭乗2時間前に航空会社のカウンターにきちんと集合するのは日本人くらいなものだと、訳知り顔で言う人もいるが、アジアの空港はみんな早々と集まっている。いくつものバッグや段ボール箱を抱えて、朝早くから。 本日搭乗するのは、午前9時55分マニラ発レガスピ行きのフィリピン航空国内線。 昨日の交通渋滞などの経験から、ホテルを6時には出なければならないと思っていたので、朝食サービスは諦めて出発。 早々と人間と荷物の群れができている所に並び、無事にチェックイン完了。 さて、搭乗までの2時間はどういうふうに過ごそうか。 とりあえず腹ごしらえ。フィリピン料理の一種、ロミという麺を食べる。日本の醤油ラーメンみたいだ。そして食後のコーヒー。旅行のガイドブックと本棚から持ってきた文庫本をパラパラと……振り返れば、この時点で搭乗口に移動しておくべきだった。 なぜなら、早起きして無事に第一の用事を済ませ、腹ごしらえして気持ちに余裕が出てきたときに、文字など読み始めると、ついウトウトと睡魔が襲ってくる。カフェインの力など及ばないところで。 おっと、もう搭乗開始時間を過ぎてる! 少し慌てて、指定されている搭乗口に向かう。危険物の検査とチケットチェックを受けて、椅子が並んだ搭乗口らしき場所にたどり着いた。 しかし、いやに空いてるな。不安になったのでフィリピン航空の制服を着た男に「レガスピ行きの飛行機はここでいいの?」と尋ねると、イエスとの答えが。 そのとき、空港内の放送で、自分の名前を呼ぶのが聞こえた! え?!と思い、再び慌ててチケットをよく見る。 ターミナルナンバーが違うじゃないか! なんたる失態!フィリピン航空の別の従業員の女性に「急いでください!」と背中から声をかけられるも、ここマニラの空港は広い。何といっても1000万人都市が抱える空港。関空はもちろん、成田や羽田が比較にならないくらいの、アジア有数の空港なのだ。物理的にも心理的にも遥か遠くに目的地はある気がした。 しかし、焦りながらもその反面、さっきまでの危険物検査やチケットチェックは何だったんだ?という疑問も浮かんでいた。 間違っていたなら教えてくれてもいいじゃないか!日本なら間違いなく案内してくれるだろう。 確かに、ここは日本ではない。だったら、もし間に合わなかったら、思いっきり文句を言ってやろう!と思った。日本だと長いものに巻かれるがごとく、黙っておくかもしれないけども。土下座であれ、主張すれば何とかなることを思い出せ!焦り慌てつつも、一方でそういうことも考えながら、空港内を走る自分がいたりした。 結局、搭乗には間に合わず。失望のなか、怒りも抱えながらフィリピン航空のオフィスに走った。あとはクレームの言葉を思い切り投げつけるのみ! 「危険物検査とチケットチェックは通過したぞ!」 「他の従業員に尋ねても、間違った指示をした!」 「今日中にレガスピに行く用事があるから、そのまま次便に振り替えてくれ、無料で!」 こういうときは、自分でも不思議なくらい英語が口から溢れ出る。まったく流暢とはないのだが、荒削りな言葉のつぶてが次々に出てくるものだと、自分の英語力に密かに感心したりした。 しかし、これが最後の言葉となった。 「あなたがたのルールは変えられないんですね。はい、わかりました……」 ギブアップである。改めてチケット購入。次便があっただけラッキーだと思わねばならない。 ここが日本なら、土下座で無料になったかもしれないが。いや、自己責任か。油断して確認を怠った自分が悪いのだ。自己主張の限界を感じた瞬間であった。 という困難を乗り越え、ようやく搭乗。 機内に入るなり、エアコンの白い風にびっくり。たった1時間のフライトだが、乗客の鮮度はきちんと保たれて輸送されることだろう。ちくしょうめ! しかし、台風の影響の残りからか、雨風は少し強め、なかなか出発しない。ひょっとしたら運航中止で機内にこのまま冷凍食化されるのだろうかと、心細くなる。これまでの苦闘を思うと。 結局1時間くらい遅れて出発。ほどよく冷凍されたまま、レガスピ空港到着。ターミナルはひとつだけ。飛行機からターミナルまでは地面を歩いて移動。これなら迷ったり乗り損なったりしないと思う。 しかし、本当に彼女はいるのか? 何回もその顔は見ているけど、それはあくまでウェブ上でのこと。会ったら全くの別人、そういう人物さえいない可能性だってあるのだ。フィリピーナにまんまと騙されて、おびき出された哀れな日本人男性がここにも……。 いた! フェイスブックのプロフィールそのままの笑顔で、こちらが気づくより先に手を振ってくれている! 考えてみれば、周囲は浅黒い肌で彫りの深い顔をしたフィリピン人らしき人間ばかり。肌が黄色で彫りが薄い東アジア顔の人間はひとりだけだったから、気づくのが早いのも当然だったかもしれない。 でも、嬉しかった! 今までの苦労が報われ、疲れも一気に吹き飛ぶ気がしたもの。もちろん疑念なんて、どこへやら。 さあ、これから、国境を越えたオフ会が始まる。 |
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心配性なので、とりあえず一度搭乗口まで行ってから散策します(笑)。
2015/9/7(月) 午前 9:52
いらっしゃいませ。ma3104h 様。
それが正解です。余裕かましていてはいけません。日本ではないのですから。
2015/9/7(月) 午後 1:55 [ molirinho0930 ]