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今回の旅のスケジュールは、20日に日本を出発、27日に帰国するうち、初日と26日は乗り継ぎのためマニラに泊まる以外は、ルソン島南部ビゴール地方、レガスピ市を拠点にして、フィリピンの山と海を巡ろうというもの。 フィリピン観光といえば、マニラかセブ島というのが定番のようだが、今回はフェイスブックで知り合った友だちの住んでいるところに行くということで、定番コースからは大外れ、フィリピン田舎町巡りみたいになりました。 さて、日本人のほとんどが知らないと思われる都市、レガスピとはどんなところか。 まずは、町のシンボルともいえるマヨン火山を紹介。 高さは2,400メートルくらいあり、上の写真で見ても結構迫力があるが、現物はさらに厳かな活火山。今でも溶岩や火山灰を噴き出し、かなりの大災害をもたらすこともあるそうな。 下の写真は、カグサワ教会跡。 フィリピンは昔スペインの植民地だったせいもあって、アジア全体でも珍しいカソリック教徒が国民の大多数を占める国なのだが、この建物は1814年のマヨン火山の大噴火で倒壊した教会の塔である。 見応えのある建物だが、この手の火山の噴火の遺構みたいなものは、この地域にわりと残っているのに驚いた。まさに火山とともに生きてきた町なのだ。 そして倒壊から数えても200年経っているのに、未だにこうして残っていることに、この国の信仰の深さを感じる。そういえば、夕方に買い物に出かけたときに、デパートの館内にキリスト教のお祈りの放送が流れていた。カソリックが盛んなヨーロッパでもここまではしていなかったと思う。 周囲の風景の色が灰色っぽいのは、当日が雨風の天気だったこともあるけど、火山灰や溶岩が流れて溜まった歴史の土壌が醸し出す雰囲気のせいだったかもしれない。 で、そういう旅愁に浸りながらも、我々は無謀なレジャーを楽しむことにした。 このマヨン火山の350メートルあたりの高さまでの道なき道を四輪バギーで登ろう!というもの。 今、我々、と書いたが、今回の旅行の主役はこの人たち。わたしではないのよ。だって絶対登りたい!と主張したのは、フェイスブック友だちの方だったのだもの。 エリサ……今回フィリピンにおいでよ!と誘ってくれたフェイスブック友だち張本人。年齢は敢えて伏せておきます。昔モデルの仕事もしたことがあるだけあって、年齢より若く見える。日本語が上手く「デブ」「オバサン」と自分のことを称していたけどね。今はシングルマザー。 ケイト……エリサの一人娘。まだ16歳だけど、こちらは年齢より落ち着いて見える美人。さすがDNAと思いつつ、本当は人見知りしていたのかもしれない。 エプリル……エリサの姪。好奇心旺盛そうな17歳。今回の初対面で真っ先にフェイスブックの友だち申請をしてきた。ときどきメガネをかけるのも、そういう印象を強める。 ジラ……エリサの姪。18歳。ティーンエイジ3人娘のなかの最年長らしく、明るいしっかり者という感じ。旅の終わりにフェアウェルメールをくれたのも彼女。看護学専攻のカレッジに通学中。 なお、フィリピンの学制については何も知らないが、ハイスクールは15歳で終わりで、彼女たちは単科専攻のカレッジに通学中。みんな同じ女子学生用アパートに住んでる仲良し。 ダリル……トライシクルタクシーを生業とする27歳の男。風貌は一昔前の柔道マンガに出てきそうな、丸刈りどっしり型。しかしドライバーをやってるだけあって、運転の腕は確か。旅行中何度も助けてくれたナイスガイ。 アレックス……エリサのハトコ。まだ5歳!小学生だが、学校が休みの週末なので、チョコチョコ付いてきたらしい。挨拶しても、フィリピン人以外の人間に会うのは初めてなので、イヤイヤをしながらソッポを向く。カワイイ。 なんと、私を含め総勢7人になる! 確かに家族と遊ぼうという話にはなっていたけど、これほどとは! しかし、これはまだ序の口であった。彼らの家は、レガスピから車で1時間くらいのソルソゴンという町にあるのだが、翌日からさらに驚きの(でも嬉しい)体験をすることになるのだから。 まさに道なき道であった。 もちろんレジャー用の獣道的な路はあるし、ガイドの人が2人いるので安心ではあったが、基本的に火山灰が降り積もり、溶岩が固まり、そこを火山から湧き出る川が流れ、さらに空からは台風の名残りか少し強めの雨風を食らうというコンディション。水と泥で服はグショグショ。メガネも曇り視界不良になることも度々。 さらにバギーが何度もエンストやオーバーヒートを起こす。サスペンションなんてものは無く、地面のデコボコがそのまま体に伝わってきて、次の次の日(次の日、ではないところに年齢を感じる)は、腕が痛くなった。しまいには、わたしの乗っていたバギーのチェーンは切れてしまいました。 行き帰りトータルで4時間。ちょっとした冒険でした。 でも、むちゃくちゃ面白かったな。 なぜなら、自分ひとりの旅だと、雨風のなかラフロードをバギーで走るなんて選択はしないと思うから。 そういう未知の体験を共有してみると、初対面で年齢差のある人間同士が仲良くなれるとわかったから。 3人娘の賑やかなこと!バギー同士が衝突しても、茂みのなかに突っこんでエンストしても、グショグショずぶ濡れになっても、大はしゃぎで声を出して笑う。日本の女子高生でも、こんなに明るくはなれないと思う。 最年少のアレックスは、さすがに怖さでぐったり。そこをダリルのドライビングが生きる。優しく膝元で抱きしめながら、一生懸命あやす。 そして、一番張り切っていたのが、エリサ。エンストや衝突を繰り返しながらも、カメラを向けられれば、しっかりポーズ。笑ったのは、ビデオ撮影が始まると、それまで後尾にいた彼女がポーズを決めながら、一気に先頭までフルスロットル!さすが元モデル。決めるべき場面では決める習性がついてるね。 こういう人たちに囲まれると、やっぱり気分が高揚してくる。ただの旅行気分とは違う、達成感や満足感が湧いてくる。 写真は、ゴール地点の休憩所。屋根と柱とベンチがあるだけで、この悪天候のなか、安全に帰れるかどうか確認するため、待機中。おいおい、もし帰れなかったら遭難じゃないの! でも、このときはココナッツジュースを楽しんでました。実に穴を開けてそのまま飲んで。少しスイカっぽい味がしました。 ヘルメットを脱ぎ、頭のなかまでスカッとした気分です。
どうやら戻ることになりました。 雲が薄くなったところに見えるのは、レガスピの市内。そして彼方には、明日訪れる海辺があります。 このまま、バギーで突っ走ります。 |
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