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こないだの発表会で演奏した「七福神」について記録用に解説を少し。
この曲を全部演奏するとなったら20分は越えるので、今回の発表会では切り貼りして短縮バージョンで演奏しました。
出だしは箏唄、次に浄瑠璃唄、時には一緒に唄ったりしながら七福神を表現していきます。
とりあえずすべての歌詞はこんな感じです。
作詞・作曲:初代中能島松声
八雲たつ 出雲八重垣神遊び あまのさかほこ手にとりあげて
四方をきつと見ひらくは これぞ悪魔を毘沙門天とゐせいをはつて座し給ふ
たくさんの雲が立ち上がる出雲に幾重もの垣をめぐらし、神々が宴会なさった。
天の逆鉾を手に取り上げ、四方をきっと見開きなさるのは、悪魔をびしゃりと退治なさる毘沙門天だと威勢を張って座っていらっしゃる。
傍にならびし福禄寿 長きかしらを振りたてて 福はこちらへ禄は又
御腹(おはら)の中(うち)へたつぷりと、寿(じゅ)を万歳(まんざい)に千代八千代
団扇(うちは)をあげてまねきけり
傍らに並んだ福禄寿は、長い頭を振りたてて、福はこちらへ、禄はこちらのお腹の中にたっぷりと、寿命を万歳、千代八千代と団扇をあげて招いておられる。
やよ待ち給へ我こそは こんとんみぶんの初(はじめ)より なにくれとなく骨折りて
やあ、お待ちください、私こそは物心つかない初めから、なんやかんやと骨を折って、
億万歳を経たればこそ 今では楽な隠居株
億万年を経たからこそ、今になっては楽な隠居。
布袋は腹をかかへつつ 高らかにこそ笑ひけれ
布袋は腹をかかえて高らかに笑っておられる。
かかる所へ恵比寿三郎 漁の獲物の生鯛を こわきにかかへて入り給ふ
こうしたところに恵比寿三郎が、漁の獲物の生鯛を脇に抱えて入ってこられた。
大黒天には息せきと 小槌ふりふり米俵 御初穂(おはつほ)なりとささげつつ
大黒天は息をきらして、小槌を振り振り米俵に御初穂であると捧げ持ち、
後に続いて弁才天女 秘蔵の琵琶を手に持ちて 静々入り来る折こそよけれ
その後から続いて弁才天が秘蔵の琵琶を手に持って、静かに入ってこられ、これでちょうど全員揃った。
粋(すい)も不粋(ぶすい)も世の中の 縁を結ぶの御酒盛
粋な人も不粋な人も、世の中人たちの縁を結ぶ御酒盛りだ。
酒はさんきう松の尾で 宝の船は朝夕に 入り来る福は小網町 その川通り名も高き
酒は「さんきゅう」(たぶん酒屋の名前)の「松の尾」(その酒屋のお酒の銘柄)で、宝の船は朝夕に入ってくる。福は小網町、その川通り名も高い。
きほひは魚河岸(うをがし) 四日市 勇む新場(しんば)や茅場町
鎧の渡しかぶと岩 花の江戸橋横に見て
勢いに駆られて進むところは魚河岸、四日市、勇む新場や茅場町、鎧の渡し冑岩。花の江戸橋を横に見て、
ちよつと小舟で米がしの 運はよし町 こあがりも、心うれしき団扇(うちは)がし
新材木の屋造(やづくり)に
ちょっと小舟で渡れる米河岸の、運がいい町、小あがりも、心のうれしい団扇河岸、新材木の新築の屋造りで、
鶴と亀との盃を すこん参れば 八百よろづ
鶴と亀との盃を数献頂戴すれば、八百万の
御神(みかみ)も一入(ひとしお)機嫌良く 鈴を振り振り拍子をそろへ
神様も一層機嫌がよく、鈴を振っては拍子を揃え、
その音(ね)もさえてこの家(や)の内 幾夜かはらぬ繁昌は
その音も冴えてこの家の内、幾代も変らない繁昌は
実(げ)に神国の福のたね
本当に神国の福の種のお陰である。
目出たく祝ひ納めけり めでたく祝ひを納めけり
めでたく祝い納めた。めでたく祝い納めた。
「さんきゅう」酒屋(ホント?)のご隠居が、ご隠居所を新築した時のお祝いの曲で、その家に七福神が宴の客としてやってくるというストーリー。
ももが思うに、たぶん「寿老人」がそのご隠居を表現しているんじゃないかと思います(あくまでもも解釈)。
七福神の最後の登場人物として弁才天が登場しますが、その直前にお箏がそれまでの雰囲気を変える「楽」を演奏することになっていて、弁才天の雰囲気がよく出ています。
そこから「合いの手」が演奏されて宴会の盛り上がりを表現し、最後にゆったりとこの家の幾代にも渡る繁栄を祝って終わります。
おめでたいですねー。
そうそう、本番直前の舞台裏での出来事。
みんなで「七福神」の歌詞について話をしていました。
そしたらKさんが、
| 「恵比寿さんだけ『三郎』って名前がついてるんやねー」 |
とコメント。
| 「何ゆってるの!その『恵比寿さぶろう』は『恵比寿様がいらっしゃった』という意味よ!」 |
と反論。
そうだったのか…。
| 「そんなこと言うから本番でその部分を唄う時に笑ってしまうじゃないの」 |
※恵比寿さんのところは先生とももが一緒に唄います。
まあ本番は2人とも笑わずに唄えたのですが、どうにも解せないもも。
家に帰って調べてみたら、
| やっぱり恵比寿様は3番目の子なので「三郎さん」でした。 |
この事実、皆に伝えようか迷っています…(笑)。
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