秘密基地

年甲斐もなく怪獣で遊んでみた

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深く深く深く「東宝特撮未発表資料アーカイヴ 」の内容と戯れております。
 
読めば読むほど味が出ます。
 
『ゴジラの花嫁?』をもう少しクローズアップしてみましょう。
脚本者は海上日出男さん。
木村武さんの脚本の『美女と液体人間』の原作者とのことです。あの脚本、原作があったのですね。
そういえば、『地球防衛軍』や『宇宙大怪獣ドゴラ』にも原作があったんですから、まあ不思議ではないかも。
ところが海上日出男さんは東宝大部屋の俳優さんだったようで『空の大怪獣ラドン』や『地球防衛軍』にも出演しているとのこと。
 
『ゴジラの花嫁?』、この脚本を読んだときにはホントぶっとびました。
この本を温存していたなんて勿体無いなぁ。今からでも遅くは無い、東宝さん撮っちゃえばいいのに(笑)
 
昨日も書きましたが、アンギラスが登場するほか、人魚やマンモス、始祖鳥、巨大カメレオン、吸血蚤等々、そして人工人間ゴジラの花嫁が出てきます。
ゴジラははゴリラに似て人真似と笑ふことが出来るというところからしてとても怪しげでしょ。
 
でも、そんなことは奇抜でもなんでもなくて、もっと奥深いところで妙に関心してしまう記載が多いのです。
そう、このころのゴジラ作品は子供に媚びてないオトナのためのドラマだったのですから、アダルトな会話や描写があっても不思議ではないですね。
そしてこの台本、作風というか書き方がどことなく乱歩チックでとてもいいのですよ。
どの点が乱歩チックなのかと言われると返答に困りますが、乱歩がゴジラ作品の脚本を書いたら、こんなかんじに仕上がるのではないだろうかと単にわたしが思っただけでございます(笑)
 
 
まず、博士が登場します。時間のエアポケットである地球空洞説を唱え、その中にゴジラが有史以前の世界から居たという説をもっております。

さらに、この博士、志田博士といいます、彼は、美人のロボットを造っております。首だけの美女、胴体のある美女、そしてその美女ロボットは皆同じ顔をしております。
この顔は、昔の恋人の顔です。恋人というか、彼がほのかに恋心を抱いていた女性というべきか。今彼女はその博士の友人の妻となっております。
その博士の友人もまた博士のようですね。クリスチャンです。
友人は強引にその美人、里子さんをモノにしたのですが、どうやら里子さんも結婚したことを後悔しているようです。
 
・・・・これってゴジラ作品ですよね?(笑)
 
志田博士もまた里子さんのことが忘れられなくて彼女の顔を模したロボットを作っているわけですね。
さらに彼はゴジラ対策として、巨大な里子さんに似せたロボットをゴジラの花嫁として用意しようという魂胆です。
オイオイオイってかんじですが、このマッド感覚がいかにも場末の覗きからくりのようで楽しいです。
 
好きな女性を友人に取られてなおかつその彼女の顔を模した巨大ロボットでゴジラ対策を考えるなんて、この志田博士は相当のマゾ度の高い人物像とお見受けしました(笑)
 
このマッドな博士は、里子さんの夫からあらぬ嫌疑をかけられます。
というのも、ゴジラやアンギラスから零れ落ちた巨大寄生虫(巨大吸血蚤)事件があった時に、里子さんの夫がこんな生物を育てて悪さができるのは例のマゾ的志田博士くらいのもんだと中傷します。
この寄生虫の発想は『クローバーフィールド』にもありましたね。
さらに、里子の夫は志田博士が里子似のロボットを作って毎晩彼女といやらしいことをしているに違いないと決め付けてるんですよ(笑)
そう、たぶんそうでしょう、ピグマリオン志田博士と呼ばせて戴きましょう。
 
心配した里子さんは志田博士を尋ねると共に、志田博士にあなたの方が夫より好きだと告白します。
でも、マゾの志田博士は覆水盆に返らずと云い、熟女里子さんの誘惑を断ち切ります。あらま、もったいないですね(笑)
 
・・・・これってホントにゴジラ作品ですよね?ね?ね?(笑)
 
里子さんは怒って帰っちゃうんですが、傷心した志田博士が里子似のロボットに慰められます。
「可哀相な先生、女は、まことの恋よりも、征服者の無謀な接吻を喜ぶものよ。誠の愛は、甘いキスが苦くなってからでいいの」
くぅぅううううううううっ、なんて心に染みるこの言葉。
こんな感じで美しい言葉が多々綴られているのですよ、この台本には。
 
おっと、こんなところで足をとめていてはいけません。
地底の洞窟に行くんですよ。ロボット里子がカメラを持って。
勿論ゴジラとも遭遇しますが、人魚とも遭遇します。夫婦の人魚で子供人魚もいます。
「この滝の水は流れてどこに行くのか、わたしのような科学の暗い人間には皆目検討がつきませんでしたが、わたしたちはこの滝の近くで意外なものを見てしまったのです。
美しい人間を、おとぎの国か、夢の中に住むにふさわしい、美男、美女、否、エデンの園に住む、アダムとイヴを見てしまったのです。かれらは美しい眞裸体でした」
こんな感じで人魚を説明しております。
耽美的な文章がこのように続くわけですよ。
人魚にロボット里子は助けられるのですが、やがてゴジラにつかまります。
難を逃れて、ロボット里子はなんとか救出されました。
大蛸対人魚という絵もありましたよ。
 
・・・・間違いなくゴジラ作品ですよね?ね?ね?(笑)
 
さあ、そろそろゴジラの登場です。アンギラスも暴れます、始祖鳥もあばれます、巨大カメレオンも暴れます。
舞台は九州。八幡製鉄所なんかも出てきます。
懐かしいですね。歴史で八幡製鉄所の設立年を覚えるとき1901年(火くれはじめ)と覚えたことを今でも忘れてないです(笑)
 
美少女1人+醜少女2人の三人が怪獣災害から逃げてくるんです。
豪内のドアが開いて美少女だけが助けられるのですが、その後、すぐに豪はゴジラに壊され、醜少女2人だけが助かります。
教会に避難したクリスチャンの里子の夫+里子。でも、里子は神を冒涜してこの教会を去り志田博士の下に。すぐにこの教会はゴジラに破壊されます。
神を冒涜して愛する夫以外の男の下に向かう熟女里子。
くぅぅううううううううっ、なんていじらしい女なんだ、里子(笑)
 
そしてついに巨大里子ロボット、ゴジラの花嫁さんが登場。ここは読んでてそのままファンファーレのような空耳音楽が流れましたよ。
花嫁だけにやはり白無垢のウェディングドレスなんでしょうか?そのような描写は書かれていませんが、是非ともそうであって欲しいです(笑)
丁度アンギラスとゴジラが戦っていたときに花嫁は出現するのですが、おっと、花嫁がアンギラスの口を広げて喉元まで裂いてしまいます。
強いぜ、花嫁。花嫁はゴジラと同じ位の大きさです。
「花嫁の全身は火焔に包まれる」ってさりげなく書いてあるんですが、ダメージはないようです。恐るべし花嫁。
で、花嫁とゴジラが取っ組み合いです。
「相性が悪いんじゃ喃……」
「あれでいいのです」
「えっ、どうしてです」
「恋愛は成立してゐます。兄さん、相性もいいのですよ。ああやって殴ったり、殴られたりするのが恋愛の前戯なのです」
「凄げえ、前戯だ……」
 
なんて会話があるんですよ。もうびっくりでしょ??やはり志田博士はマゾだマゾ(笑)
 
やがてゴジラと全裸の巨大里子花嫁ロボは洞窟の中に入っていくんですよ。
そしてしっぽりと……。いや、ほんと、そんな情景描写があるんですよ、マジで。
「先生、花嫁は今、どうしているのでせう」
「決まってるぢゃないか、新婚旅行と洒落れて、今頃は空洞の中で、これさ」
 
そんな会話をしているんですよ。これさ っておいおいおおおいおいおいおいおい!!!!!
 
「六時四十五分。無事にゴジラの結婚式は終了致しました。謹んで、花嫁の哀悼を祈り、礼砲三発!打て!!」
志田博士は言うのですが、じつは花嫁には時限水爆がしかけられていてゴジラを抱いたまま彼女は爆発したのです。
 
好きな女をゴジラに与えてなおかつ水爆で殺してしまうなんて、志田博士、あなたって一体……??
 
そして衝撃のラストがまってます。
 
海上、ゴジラは去り、志田博士と里子はお互いの愛を確かめ合い、人魚夫婦と子供も歓喜に満ちて泳いでいます。
なんて幸せというところで、別の博士が人魚(人魚には学名があってラメインテインといいます)を拿捕しようと指示して発砲がありました。
ロボット里子の命の恩人の人魚の子供は死んでしまいます。
 
なんてことをするんだ。
 
死んだ子供を人魚夫婦は連れて帰り、子供の口元に母人魚は乳液を垂らしてやりますが、子供は死んでいるので飲みません。
そして人魚夫婦はうら侘びしい声で泣くのです。
 
これで終わるんですよ。
まるで『ミスト』のラストのような寂寥感があります。
 
ね、「ゴジラの花嫁?」は名作でしょ?
これは映像化する価値はあると思うなあ(笑)

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