秘密基地

年甲斐もなく怪獣で遊んでみた

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大学1年生の頃だから1981年頃、
ジェイムズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」を続けて読んで、
ハードSF小説の深淵と壮大なオデッセイに胸をトキめかせていた。
 
丁度この頃、「2001年宇宙の旅」が映画館でリバイバル上映されていた。
 
また、広島のミニシアター映画専門館でタルコフスキーの「惑星ソラリス」を上映し、
広島大学の文化祭では1954年版ゴジラ」を上映、
この当時怪獣映画の文化祭上映はまだ地方ではめずらしかった。
 
自分にとってみれば、大学に入った1981年は
アルビン・トフラー「第3の波」「ハードSFの波」が電流となって体を駆け巡ったようなSF元年だった。
 
1982年あたりからサイバーパンクの風潮がSF界に流れ込み、
「ニューロマンサー」「ブレードランナー」一色になってしまうので、
1981年はハードSF君臨最後の年になる。
 
「ハードSF」という言葉は死語に近いのかもしれないが、
わたしが中学生の頃、そんな言葉を覚えた。

多様化したSFを区別するために、多くのジャンルわけがあったわけだ。

E・R・バロウズに代表される宇宙活劇のスペースオペラ
J・G・バラードの初期作品のような地球が舞台のインナースペース
大好きだったジャック・フィニィジョン・ウィンダムのSF小説もこのインナースペースと思っている。
科学的論理を基にした本格SFとしてのハードSF
ブラッドベリのようなファンタジー系のSFなどはなんて呼ばれてたんだろう?
探せばまだジャンル別けがあるのかもしれないが、わたしが知ってたのはこれくらいだ。
 
これらのSFジャンルの中で、一番手を出すのが遅かったのがこのハードSFで、
それまでに読んでいたのは精々、フレッド・ホイル「10月1日では遅すぎる」
アーサー・C・クラーク「2001年宇宙の旅」や諸短編、
スタニスワフ・レムの諸作品くらい。

そして、「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」を読んでから、
さらに数年あとに「巨人たちの星」を最後に1980年代はハードSFの小説は読んでないのかもしれない。
ジェイムズ・P・ホーガンのこのシリーズはさらに続くことになるのだが、正直自分の中では、この三部作で
このシリーズは完結している。
 
そして今回完結した 星野之宣版 『星を継ぐもの』もこの3部作で完結させているようだ。
(「内なる宇宙」を読んでないのでなんとも心許ない発言ではあるが……)
 
 
イメージ 2
 
最近でもハードSFの小説はあまり読んでないのでないのだが、ハードSFの映画や漫画は読んでいると思う。
こと、漫画に関してはハードSFは星野之宣作品があれば、他はいらないのかもしれない。

星野之宣漫画には他の小説や映画のワンシーンや世界観をパクッたものも少なくはないが、
驚くべきことに、それらの要素やアイデアを自分の世界に取り込んで昇華させて、もっと良い作品に仕上げるところが凄い。

つまりオリジナルアイデアと他者のアイデアを9:1の割合で混合するのだから、はじめからパクる必要もないんだと思うのだが、まあ、これはSF好きの一種の遊びまたはパスティージュパロディのようなものかもしれない。

今回の「星を継ぐもの」も原作は確かにジェイムズ・P・ホーガンではあるが、随所随所に星野テイストが溢れ出てきて、まさにこの作品も星野調セミオリジナルと呼びたいくらい独創性あふれるアレンジを多々行なっている。
 
まず原作3部作(実際は後続しているのだが)をばらばらにして再構築している。
魅力ある主人公のキャラクタをさらに引き上げ、いたるところに物語の伏線を張り巡らせてメリハリの利いた作品に仕上げている。

もし、「星を継ぐもの」を映画化するのであれば、星野版の漫画が即シナリオになり絵コンテにすると原作を越えた映画が出来るのかもしれない。
 
原作以上に月捕獲説をクローズアップしたり、原作が気にもしていない部分を論じたりするところがたまらなく面白いのだ。

月を得る前の地球を想定して恐竜の生態を大胆に推理する部分などは眼から鱗である。
酵素のはなしもまたクローズアップされて面白くなっている。
ネアンデルタール人とクロマニヨン人を対極としたのもオリジナル部分である。
 
などと書いても「星を継ぐもの」の原作や漫画を読んでない人が上の文章みても「なにいってんの?」状態ですよねぇ(笑)

簡単に3部作の内容を書くとこんなかんじかな。

月で五万年前と思われる赤い宇宙服を着た生命体のミイラが発見される。
その屍は当然この時代にこの場所であってはならないものなのである。
この死体を巡って、科学者と生物学者が中心になって謎を追っていくうちに人類の起源や、異星人の宇宙船の残骸異星人の介在、はたまた別のDNAを持つ人種の秘めやかな侵略が露見していくといった内容。
人類の起源以外にも、月の起源や、太陽系の中で失われた惑星の話、太陽系にかかわる大きなオデッセイへと発展していき、「星を継ぐ者」は声高らかに宇宙の相続権を賛歌するといった物語。

原作も優れた探偵小説であったが、漫画はもっとサスペンス性を盛り込んだ探偵小説風活劇になっているところがまた凄い。
 
リドリー・スコット監督の「プロメテウス」にも相通じるエッセンスがテンコ盛りなのだが、この小説や漫画を知ってる人が映画「プロメテウス」を観たら、「なんじゃこりゃ?」と映画「プロメテウス」を批評してしまうのは間違いないと思う(笑)
 
ここまで壮大な物語として描かないと人類の起源などと迂闊に語ってはいけないのだ。
最初の5分で人類の起源がわかってしまう映画ではいけないのだ(笑)

とはいえ、自分にとって漫画でどうしても拒絶感があるのが巨人ガニメアンのデザインである。
原作を読んで勝手に自分なりに想像していたガニメアンとは全然似ても似つかないのだ。
まさかヒツジやヤギのような顔とは思わなかった(笑)
 
とりあえず、「星を継ぐもの」は原作も漫画もわたしの中では完結した。
 
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