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トラウマという言葉は精神的外傷と訳されてますが、
どうやら語源は単なる「傷」という言葉で、 フロイトによって歪められた用法により心理学的用語の仲間入りになったそうです。 しかしながら、今となっては「トラウマ」をトラウマ以外の言葉で補うことは断然無理(笑) 誰しも多かれ少なかれ人生の上でトラウマを抱えてると思うのですが、 もう少しライトな感覚のトラウマといいましょうか、 映画や特撮映像で受けた衝撃がずっと自分の中で尾を引いたという体験の話です。 今みるとそうでもないんだが、当時は恐かったという映像は個人差はあれど誰しもが体験したことと思います。 わたしの場合は、例えばウルトラQの「悪魔ッ子」なんぞは震えて観てました。 怪奇大作戦の「青い血の女」も、当時は相当恐かったです。 人形が動いて人を襲うという恐さもあったのですが、それを操っていた「あれ」の正体がわからないで終わるのがもっと恐い。 不定形のものや、不気味なもの、理由がわからないものというのが恐いですね。 わたしは幼児期に体感してないのですが、 日曜洋画劇場でみた得体の知れない短い映画、あれはなんだったんだろうという、 映画の存在自体が不確かで恐かったというのが「シエラデコブレの幽霊」、これは複数人のわたしより1・2歳上の人からよく聞く話です。 今みると、どうってこともないんですが、「シエラデコブレの幽霊」の冒頭のすすり泣く女の声のオープニングは強烈でした。 ソラリゼーションの幽霊が焼死体のようで恐いですね、あれは確かに子供の頃に見たらトラウマになりますとも(笑) わたしの場合、テレビの日曜洋画劇場で観てトラウマになったのが、「猿の惑星」のラストシーン。 これも今みると、どうってこともないんですが、子供の頃、最後の最後に奈落の果てに突き落とされた様な錯覚がありました。 幼い頭でも、あの「世界の終わりをみせてあげる」風味のラストの意味は充分理解出来ます。 なかなか寝付かれずに、寝床で丸くなって「どうぞ世界がいつまでも平和でありますように」とまるでどこかの宗教の標語のような祈りを心の中でつぶやいてましたよ(笑)
自分の住んでいる世界がなくなってしまう恐怖、そのトラウマの反動でパニック映画が好きになったのかもしれませんが。 「蝿男の恐怖」、1958年の映画ながらもそのパワーは凄い。 モンスター映画としてこれもテレビ放映のなんちゃら洋画劇場で見たのかな、当時は「ハエ男の恐怖」と記されてました。 もっともこの映画は日本未公開作品なのでテレビ放映でしか見れなかったんですね。 普通のモンスター映画で終わるのかと思いきや、これもラストで、奈落の果て堕ちのトラウマ・トランス状態でした。 「蝿男の恐怖」はヒッチコック映画のように畳み込むような展開をもつ優れた脚本と思います。 わたしはクローネンバーグ監督作品の初期、中期びいきなんですが、 それでもリメイクの「ザ・フライ」よりも「蝿男の恐怖」の方が抜きん出ていると思います。 ハエの頭を持つ科学者の主人を奥方が殺したということで警察が科学者の屋敷に乗り込んでくるんですね。 精神的にもおかしいとされて彼女が拘束具でくくりつけられて、 病院(警察署かな?)にまさに搬送されようとしているわけです。 当然我々は彼女が悪いわけではないことを知っているのでドキドキハラハラするわけですよ。 無実の奥様を助けることが出来るのは、唯一、白いヘンなハエの存在証明のみ。 まさに、奥方が搬送されようとするなかで、そのハエを子供が見つけたと駆けつけてくるんです。 庭の蜘蛛の巣にひっかかってるんですね、その白いヘンなハエが。 小さなか細い声で「助けてくれ、助けてくれ」とそれは叫んでるんですよ……ああおそろしや。 そして……「ああ、そんなことを、刑事さん、それはあんまりです」 という 挙動をとるわけです。 ただでなくても理解不能な生物がいるのに、それを見てあんな行動を警察がするなんて……。 あれは人助けだったのか、殺人だったのか……そんな曖昧さがまた不気味で恐くてトラウマ殿堂入りですね。 追いかけられたり、喰われそうになる恐怖というものもあります。 「サンダ対ガイラ」のガイラは、大好きなんですが、わたしはへっちゃらなんですが、 他の人がみたらトラウマになるんじゃないかと思います。 海で舟をゆらして人を海に落として、泳いで逃げる人々をガイラがクロールで泳ぎながら迫ってくるんですよ。 怪獣が海でクロールで猛進してきたら、恐いです、恐すぎですよね、ふつうは。 「しかも、ガイラば人喰うとですよ」(ここは大迫刑事風に読んでください(笑)) 現にガイラは羽田空港で、女性をひとり喰ってますから。 食べてるんじゃなくて、むさぼり喰ってるんですから、やはり恐い。 とはいえ、幼少のわたしはトラウマを抱えることもなくその恐怖を楽しんでおりましたが。 むしろ、「ガイラ、世界を喰い尽くしておやりっ」(ここは海底軍艦女帝風に読んでください(笑))ってかんじでした。 サンダ対ガイラもフランケンシュタイン対地底怪獣同様に初見はテレビ放映でした。
その時に羽田で人を貪り喰ってるシーンがはたしてカットされなかったのかどうなのか、いまでは知る術もありませんが。
そんなわけですから、アオシマさんから依頼を受けて巨大なガイラを造れといわれた時はひとつ返事でお受けしましたよ。 下の写真は原型の時の写真。やはり商品がソフビになるとモールドがかなり甘くなってしまいますね。
そういう意味では「猿の惑星」同様に救いのないラストの「吸血鬼ゴケミドロ」なんかもラストは恐いです。 「マタンゴ」のラストも衝撃ですが、水野久美姐さんのあの妖艶さは別の意味でわたしのトラウマです(笑) ゴケミドロもマタンゴもそうですが、『ラストシーンの衝撃』がトラウマを呼んでいるかのようですね。 「ミスト」の救いようのないラストも衝撃的でした。 『視覚的な恐怖』ということで、人の腐肉を食べた蟹を食べて生きようとする壮絶なシーンがトラウマになった「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」もしかり。 「呪怨」ビデオ版の1巻、2巻も充分トラウマになりますね。 あのビデオ映画の場合は、どんどん巻き込まれていくように呪われてしまうのが恐い。 詩的な残酷シーンを描くホドロフスキー監督の「エルトポ」「ホーリーマウンテン」「サンタサングレ」もトラウマを抱える要素大ですね。 同様に寺山修司作品の「田園に死す」や「草迷宮」の描写にもそのような傾向があるやもしれません。 「田園に死す」の最初の描写や、破れた写真を縫合しているものとか、ひな壇が川から流れてくるところ、恐山の描写はなんだか薄気味悪いですし。 トラウマを呼ぶ要素の中に、不条理なまでに巻き込まれてしまうことへの恐怖や追っかけられる恐怖、
選択を誤った自分を許せない恐怖というものがあるのかもしれません。 そして、意味不明なもの、理解不能なものもまたトラウマの温床です。 「イレイザーヘッド」なんぞは、理解不能系トラウマの代表格なんじゃないかな。 と、いうわけで、ご推薦させて戴きます「トラウマ映画館」演目選(順不同)は下記の通りです。 並べてみると、マイフェバリット映画の一覧になってしまうところが恐い(笑) 昔抱えたトラウマも今では昇華された芸術作品またはエンターテイメントとして認知するところとなっているわけですね。 ①シエラデコブレの幽霊 ②蝿男の恐怖 ③サンダ対ガイラ ④江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間 ⑤ミスト ⑥吸血鬼ゴケミドロ ⑦マタンゴ ⑧呪怨ビデオ版 ⑨猿の惑星 ⑩イレイザーヘッド ⑪エルトポ ⑫ホーリーマウンテン ⑬サンタサングレ ⑭田園に死す ⑮草迷宮 そういえば、ついに発売されますね。11/23発売予定です。
「震える舌」のDVD
わたしこの映画は未観なんですよ。
フクロムシさんご推薦のトラウマ映画ですから、是非とも観たい作品です。
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