ビンテージ・モンブランの備忘録

毎週土曜日が定期アップ。心が温められたり揺さぶられたときには、イレギュラー投稿もあります。

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【ダイヤモンドの異母兄弟 ―― 芯】 

きょうは、日付が変わる前に、更新が間に合いそうです。
第3土曜日ですので「テーマ研究」です。

■ ユーロボックスさんの特製芯に、新たに「0.92mm」も
人の指というものは、思いのほか敏感なものです。
ペンシルの書き味を左右する最大の要素は、なんと言っても「芯」。
芯の太さ、固さ、すべり――そうしたものを指はしっかりと感じます。

とりわけビンテージ・ペンシルに多い、1.18mmや0.92mm等の太めの芯の場合、
芯の善し悪しは、如実に書き味を左右します。

そうした太めの芯で、今、入手できる最高のものは、
やはり 「ユーロボックス」 さんのものだと、私は思います。

自家発注のため、しばらく在庫が切れていた「1.18mmの4B」も、
新たに入荷したそうです。
そして、ビンテージ専門店ならではのこだわりで、
「0.92mmの4B/2B」も、新たに作ってくださいました。

まだ、販売用の小分けケースが揃わず、注文は受けられないそうですが、
近日中に、HPからの注文も受けてくださるそうですので、
ビンテージ・ペンシル愛好家にとっては、嬉しい限りですね。

私は、1ヶ月ほど前に立ち寄った際に入荷を知り、
なかば無理矢理、“ケースなしでいいので”とお願いをして、
「1.18mmの4B」と「0.92mmの4B」をゆずっていただきました。
1.18mmは言うまでもなく、新たな0.92mmも、本当に抜群ですよ……。

■ 戦前の芯さまざま
ビンテージ・ペンシルを扱っていると、
古い芯がそのままボディに残っていることが多いのですが、
PIXの戦前モデルを入手した際、分解・清掃していると、
中がインクまみれのようなものに出会ったことが、幾度かありました。

“万年筆と一緒に入れていて、インク漏れを起こしたものが流れ込んだのかな”程度に思っていたのですが、
最近入手した、モンブランの戦前の芯セットをチェックしていたときに、
完全な誤解であったことがはっきりしました。
それは同時に、別のところで疑問に思っていたことの解答でもありました。

別のところで抱いていた疑問とは、こうです。
写真1枚目が、1936年のモンブランのカタログの一部です。
芯についてまとめて紹介されたページですが、「黒芯には種類があった」のです。
  Lead reffils HB, B, BB, F and H
  Copying reffils HB, B and F
  Ink reffils HB and B

「lead reffil」というのは、通常筆記用、黒鉛を粘土に混ぜて焼いていた、当時の一般的な芯。
「copying reffil」というのは、複写用紙用ということかもしれませんが、
複写用紙の原紙(1枚目)を鉛筆で書いたら、あまり意味がないような……。
それ以上に、最大の「?」だったのは、「ink reffil」。
“インク製の芯”と考えてみても、うまく想像できません。
恐らく、芯の材料、製造過程から異なるのかなと、不思議に思っていたわけです。

ところが、今回手にした、戦前の製造の芯は、指で握っているだけでも、青くなる!
もしやと思って、水を浸したところに置いてみたのが、写真の2枚目左側。
染料か顔料か分からなかったので、とりあえず、ロットリングのインク洗浄液に浸したのが右側。
――そうなんです、これが「ink reffil」でした。

溶かしてみると青くなりますが、実際の筆跡は、黒です。
「ink reffil」の特性は、消しゴムでは、完全には消えないこと。
インクが紙に残るんです。
どのようなニーズに沿って作られていたものかは、
当時の文化も含めてもっと理解を広げなければ分かりませんが、
ボールペンのない時代のことですから、
万年筆ではうまくいかない場面で必要とされていたのかとも、想像しています。

ペンシルって、万年筆に比べれば、ありふれた、当たり前の存在で、
そんなに変わってきていないと思いがちでしたが、
実は、いつの時代も、芯にいろいろな試みが取り入れられ、
使い心地や書き味が追求されていたんだなぁと、改めて感じた次第です。

ペンシルの芯は、「ダイヤモンドの異母兄弟」。
そう評した文学者がいたことを思い出しました。

閉じる コメント(5)

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これは知りませんでしたな・・・
芯とはいえ、奥が深い物です。

2008/4/20(日) 午前 0:17 [ pel**an_*931 ]

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芯からインクが溶け出すのがすごいですね。昔はこういったリフィルがあったということを初めて知りました。

2008/4/20(日) 午前 1:35 ムーミンEF551

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こんな芯があったんですね〜ビックリです。
ペンシルを使っても消えない筆跡、なにか使い所はありそうですが。

2008/4/20(日) 午後 0:40 どーむ

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> pelikan_1931さま
コメント、ありがとうございます! 奥深くておもしろいのですが、文字通りの手探りでして……。擦り傷を作ったり火傷したりしながらですが、楽しい探求、がんばってみます。

>ムーミンさま
戦前のもので入れっぱなしになっていた場合、軽く半世紀以上もそこにあったことになりますので、溶け出し方はすごいですよ……。

>どーむさま
消えない芯で1.18mmとかあったら、それはそれで、ニーズもあると思います。ただ、このままの状態では、湿度の高い日本では、ちょっとやっかいな代物かもしれません。

2008/4/20(日) 午後 10:26 [ montblanc_pix ]

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こんにちは、ご無沙汰しています。
私、この芯持っています。て言うか知らずに触ったらあちらこちらが真っ青になって大騒ぎ。
売り子のメモに書いてありましたが、このインク芯はアルコールである程度綺麗に落ちるそうです。
うっかり袖口でこすってしまった場合にはアルコール洗浄後に漂白剤もしくは石けんでたたき荒いの方が良さそうですね。
(私のBLOGにこの芯が使われたペンシルの記事があります。)
私は汗かきなので、問答無用で芯を抜いて、乾燥剤と共に保管しました。

2008/6/5(木) 午前 6:18 [ stylustip ]

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