【マイケル・コリンズ ―― 映画と筆記具(5)】
ゴールデン・ウィークがスタートしました。
が、私はあまり恩恵にはあずかりません。
人混みが苦手ですので、休みであってもどこへ行くわけでもないのですが――。
第4土曜日ですので、「映画と筆記具」です。
■ 大義に生きる崇高さと困難さ
20世紀初頭のアイルランド独立の端緒を描いた映画です。
主人公のマイケル・コリンズとは、
独立の闘士たちからは“戦術の神”と信頼を寄せられ、
イギリス側からは、その写真さえも抑えられずにいたため“顔を持たない怪物”と恐れられた人物。
謎の多かったコリンズの生涯を、
ニール・ジョーダン監督自らが丹念に取材し再構成して撮った映画だけあって、
単なる英雄としてでなく、
「自由」「独立」という大義に生きる困難さも、
くっきりと浮かび上がらせた作品です。
今、観なおしても、古びない映画です。
GWに時間を余らせることがあるなら、観て損はないです、きっと。
■ あらゆる小道具がいい
写真右側の一番上が、コリンズの会議での場面。
机上に万年筆が置かれていますが、このペンは、いつも彼のベストポケットに挿されています。
一番下の写真は、コリンズにとっては秘書的存在の人物が、
彼が口述する手紙を書き取ろうとしている場面。
小振りなニブの万年筆で、胴軸の様子からレバー・フィラーのものだと思われます。
写真中段の右が、のちにアイルランド初代大統領となるデ・ヴァレラ。
彼が、投獄されているときに同志宛のメモを書いている場面。
同じく左が、コリンズをマークするGメンでありながら、
彼を追ううちに共感し、2重スパイとなって陰からコリンズを支えた警部。
ほかにも、筆記具が見える場面は多数あるのですが、
この作品の中で、最も一般的に使われていたのは、鉛筆でした。
恐らく、こうした筆記具の選び方も、時代に即したものになっていると思います。
特に、鉛筆は、現在のような「黒鉛を用いたもの」を最初に発明し、実用化させたのは、英国。
そんなことも影響しているのではないかな……。
それにしても、
この映画で出てくる小道具たちは、
衣装も、調度品も、大変趣きがあって、私は大好きです。
「英国風」と言ってしまえばそれまでなのですが、
初めてこの映画を観たあと――もう10数年前のことになりますが――
リーアム・ニーソンが演じたコリンズが、
ダブル・カフスのシャツを普段着として着つぶしている様に惹かれて、
かなり作ったことがあったなぁ……。
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