【Montblanc PIX-272 ―― URUSHI by myself (5)】第3土曜日ですので、「テーマ研究」です。PCがクラッシュしても、“手慰み”は止めていませんでした。 最近の私のお気に入りの1本になっている、PIXの漆塗りです。 今回漆を施したものは、元は黒のオーソドックスなものでした。 ただ機構面は完璧でしたが、ボディに傷が多々あり、 セルロイドが痩せてセンターリングもかなり緩くなっていましたので、 朱漆を塗って“再生”したものです。 これまでやってきたエボナイトの軸に比べると、 この50年代の製品に用いられているセルロイドは、明らかに表面がなめらか。 そこで、漆を塗り始める前に、胴軸に粗めのサンドペーパーをかけ、 漆の食い付きが良くなるようにしておきました。 少し細かな作業になったのは、2重のセンターリングの間のスペース。 リング自体を傷つけてはいけませんので、 マスキングをして、サンドペーパーを細く折ったもので、ゆっくり荒らしました。 あとは、特別な漆の装飾は施していませんので、 塗って乾かし磨いて――の繰り返し。 こちらが少し慣れてきたこともあるかもしれませんが、 漆にチャレンジしはじめた冬の作業に比べると、 乾きがよく、安定して作業が繰り返せます。 気温も高くなり、湿度も上がる夏の方が、ベターなのかもしれません。 湿気が大の苦手の私も、少し心持ちが変わりそうです。 仕上げは、金属パーツの再鍍金。 24金メッキですので、オリジナルに比べると、黄味が強い感じです。 今回は、手元の黒と比較撮影。 センターリングもしっかり固定され、あたかも元々、こうであったかのようなペアに……。 と書くと、自画自賛が過ぎますね(笑)。 本当は、コーラル・レッドの【72/2】に恋い焦がれて、朱にしたまでのことなんです。 yellowdaliさんのブログで紹介 されていたことがあるものです。 朱漆は、塗り上げ磨き上げた段階から、時間が経つにつれ、発色が良くなってきます。 漆本来の透明感が生まれ、顔料の鮮やかさが増すわけです。 この【272】も、一旦仕上げてから約1か月余りですが、 ぐんぐん朱としての美しさを増しています。 私にできる限りのことはやる。あとは時の流れに任せて、待って、見る……というのが、漆の流儀。
こうした自然の素材ならではの仕上がり方は、 普段私が陥っている“何でもかんでも自分の手でできる”という錯覚から、 わずかばかりでも解き放ってくれる妙薬のようです。 |
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朱塗り素晴らしいですね。。。
漆は生き物ですから変化があって面白いですよね。
私は今日一日中磨き作業で腕がパンパンに腫れてしまいましたが、心地よい疲労感です。
2008/7/23(水) 午前 3:21 [ もんぺ ]
もんぺさん、いやいやお恥ずかしい限りで……。貴女のようにきちんと学ぶ機会を持たず、試行錯誤でやっておるもので。
仰るとおり、磨きはなかなかの労働ですよね。でも、その先に得られるものがあるのでは――そう思うとやめられないんですよね。
またのぞきに来てやってください。
2008/7/24(木) 午前 8:57 [ montblanc_pix ]
「あっぱれ」です。
2011/4/21(木) 午後 9:04 [ とく3 ]