【Montblanc PIX-272 ―― Tigers Eye】『万年筆が欲しくなる本 2』 が刊行されました。今、旬な万年筆を知るという意味では、楽しいムックだと思います。 ただ、私のようなすれっからしには、販促用のカタログのように見えなくもなく……。 むしろ、10年、20年経って、これらのシリーズをながめると、 時代の流れのようなものが浮かんでくるのかも知れないなぁ――ということで、資料用に購入。 出版元のワールドフォトプレスは、“趣味の本”の会社としては、老舗ですね。 以前は、『万年筆スタイル』というタイトルで、3冊のムックも出していました。 読み物としては、『欲しくなる』より『スタイル』の方が、面白かったなぁ……。 『趣味の文具箱』との差別化が難しかったのかも知れませんが、 拮抗するような雑誌がないと、結果的に、万年筆界が画一的になっていくような気がします。 登場する人、取り上げる切り口、“良い”とされる製品などが、どこを見ても同じになっていくような――。 基準=スタンダードとなるものがあることは大切でしょうが、 同時に、多様性もなければ、ほどなく枯れて、流れが細くなってしまうのでは――。 このあたりの漠然と感じていることは、もう少し整理して、何かの機会に綴りたいと思います。 ■ 濃淡があるからこそ美しい第1週ですので、個別のモデル紹介です(日付が変わってしまいました、ごめんなさい)。1950年代のペンシルで【PIX-272】。 基本の 黒 、 グレー縞 もご紹介したことがあります。 今回は、その「茶縞」。セルロイドの妙味が楽しいモデルです。 『Collectible Stars』などでは、「Brown Striated」と記載されています。 愛好家の間では、「タイガー・アイ(Tigers Eye)」という通称の方が一般的かも知れません。 本来「タイガー・アイ」と言えば、稀少な天然石の虎目石を指しますが、 その模様が似ており、 縁起の良いものとされていたことも重なって、こう呼ばれたようです。 私の持っているタイガー・アイは、どちらかというと、全体的に濃い色調。 これは好みの問題ですが、もっと濃淡があったら、より美しいかな……。 話が戻るようですが、
万年筆を巡る世界も、濃淡=多様さが、一層のおもしろさを育むのではないかな? 「メーカー/ユーザー」「輸入品/国産品」「量産品/ハンドメイド」「現行品/ビンテージ」…… さらに広げて言えば、「万年筆愛好家/万年筆以外の筆記具愛好家」まで含めて、 いろいろな流れが、時にぶつかり合い、時に融合しあってこそ、“動き”が生まれるのでは――。 こんなまとまりのないことを思いながら、 私なりのいろんな楽しみ方を模索し続けたいと思います。 |
PIX:50年代モデル
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【Montblanc Pix-672 - Green Striated】さあ3月。春到来です。通勤途中に見かける樹々も、まだ若葉が出始めたわけでもないのに、内側から春の色を滲ませているようです。 私はこの季節の特有の、そうした“みずみずしさの兆し”のような雰囲気が大好きです。 今回はそんな空気を感じさせてくれる1本のご紹介です。 1930年代から70年代までの製造で、 時代ごとのバリエーション もさまざまですが、 いずれも私にとっては、まず、手放せない仕事道具であり、 休みの日には、手入れしながらさまざまな思いに耽る話し相手であり、 できることなら孫に譲ってやりたいと思える、数少ない道具の1つです。 そんななかでも、いくつかは、特に“お気に入り”であり、 その“お気に入り”のなかでも、“とびきり”のものが数本。 私にとっては、この【Pix-672】のグリーン縞モデルは、そういう1本です。 【Pix-672】は、 1950年代のマイスターシュテュック【600番台】のペンシルで、 グレーやグリーンの縞柄のモデルは、ほとんどが輸出用に製造されていました。 この【Pix-672】にも、キャップ部やボディに「MADE IN GEMANY」の刻印が見えます。 同時に、時折見かけるものの、意味しているところが分からない「JB」の刻印もあります。 モデル・ナンバーでもないのに、同じ【Pix-672】で、たまに見かけます。 そういう「?」な刻印は、他にもいくつかあり、 メタル・ボディのPIXで時折見かける「S」や、 エボナイトボディのもので見かける「M-N」等々――。 50年代あたりまでの製品で、遭遇します。 意味は分からないのですが、
まれにしか出会わない分、お菓子の“アタリ”のようで、 見つけると、ちょっと嬉しい気分にもなったり。 私にとっては、“ラッキー・チャーム”みたいです。 |
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【PIX−372 レッド】 50年代のPIXから【372】の赤軸のご紹介です。 ● 製造:1952−58年 ● 全長:120mm 今回ご紹介している【372】は、輸出専用品でした。
このバーガンディ・レッドと、ペトロール・ブルーがあったそうです。 どことなく愛らしく、上品な印象の1本です。 |
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【PIX−272 グレー縞】 50年代のPIX(ピックス)から、【272 グレー縞】モデルです。 ● 製造:1952〜54年 ● 全長:130mm 先週、 戦前モデルのグレー縞にあたるもの をご紹介しましたが、 同じ“セルロイドの縞”でも、雰囲気がかなり異なります。 戦前のものが、色が溶け合いながら変化しているのに比して、 50年代のものは、縞がくっきりとしています。 セルロイドの製法が違うようですが、あまり詳しいことは分かりません。 気になり続けているのですが……。 【272】の黒軸モデル も以前ご紹介しましたが、
デザイン的には、隙も無駄も感じさせない、かなりのお気に入りの部類です。 加えて、縞セルロイドですから、 ペントレーの中に並んでいても、かなり“男前”な1本です。 |






