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前回『水道行政について 9』において、「上水道を所管する厚労省も今度は新たな「広域水道」をやろうとろくでもないこと考えているし…」と書きました。
上水道は厚労省所管の事業ということになるわけですが、ダムだ水利権だと国交省河川局なども絡んでいるので一口に「上水道」と言っても裾野が広くて困っているナマモノです( ´・ω・)ナントカナラナイノ、コレ?
まぁ今回は前回取り上げました「水道ビジョン」(以下ビジョンと略)、所管官庁である厚労省の資料を引用してケチつけてみようと思うわけですよ( ´・ω・`)ノ
はっきり言って、過去の「広域化政策」が将来見通しの甘さと政策の修正皆無の結果、そのツケが地域住民に転嫁され見直しが必須の状況であるにもかかわらず、ビジョンでは更なる「広域化」を志向し過去の清算はおろか振り返ることもなく新たな政策を推進しようなどという、官僚の自己増殖作用丸出しのビジョンに怒りを感じるわけなんですよ(メ ̄д ̄)ナメテンノカ〜〜〜ッ!!!
まずビジョンから引用しますと、
「
2.水道の現況と将来の見通し
…中略…
(1) 安全な水、快適な水が供給されているか
…中略…
(2) いつでも使えるように供給されているか
導管を用いて飲料に適する水を供給する現在の水道の形態は、世代や世紀を超えてもその基本は変わらないものと考えられる。今日の水道は、高普及率を達成し、国民生活に不可欠なものとなっており、その安定的な供給には、不断の努力が求められている。
しかし、長期にわたる不況や少子化、財政の逼迫、若年の水道技術者の不足等が、安定的な供給を実現する上での大きな課題となっており、事業の広域化・統合等により、経営・技術の両面にわたる運営基盤の強化を図ることが必要である。
また、水道の普及が進み、ほとんどの国民にとって水道が唯一の水の確保手段となっている中で、人々の生活様式や社会経済活動が高度化、多様化した今日においては、災害等により水道が停止した場合の人々の生活や社会経済活動に与える影響は大きく、かつ、深刻である。
水道事業者等には、常時給水義務を果たすのはもちろんのこと、災害等の非常時においても、可能な限りその影響を最小に抑えるために必要な措置を展開することが求められている。
(水道の広域化・統合)
水道の広域化・統合の必要については、これまでも様々な角度から議論されてきた。
昭和52年の水道法改正により盛り込まれた広域的水道整備計画に基づき、主に水道用水供給事業による一体的な施設による広域化が進められ、運営基盤が強化されながら、安定した水源の確保や水の広域的な融通に大きな役割を果たしてきた。しかしながら、水需給バランスの安定化が図られる中、広域水道の数で見ると、昭和60年代以降は広域化に大きな進展が見られない。また、同じ広域圏域にありながら、規模が小さく、財政的にも技術的にも十分な能力を有していない水道事業が多く残されているなど、従来の広域化の限界が見えてきている。近年は、相次ぐ市町村合併により旧市町村行政区域を越えた水道事業の統合が進んで全国の水道事業が減少し、水道事業の規模が拡大傾向にある一方で、企業団営による水道事業が新しい市町村行政区域に合致する場合には市町村営になるなど、広域水道といわれてきた水道の事業数は減少傾向にあることから、従前の広域化の概念にとらわれることなく、水道事業をとりまく様々な情勢の変化も踏まえ、より新しい広い視野を持って水道広域化・統合のあり方を検討し推進する必要がある。
また、同一市町村内であっても、市街地から離れた地域では、小規模な水道施設に依存し、量的にも質的にも十分な給水サービスが受けられない人口が存在している。その解決策として、同一市町村内の水道の事業運営を一体化することが望まれ、市町村の合併等を契機とした簡易水道事業等の統廃合が進められている。
加えて、簡易水道の国庫補助制度について、平成19年度に、補助対象事業の重点化を目的とする制度見直し(簡易水道事業統合計画の策定等)が行われ、今後、同一市町村内の水道事業との事業統合の更なる進展が見込まれる。
」
…(‖ ̄□ ̄)…
ビジョンをどう読んでも、ただ「広域化は必要である」という前提の上で抽象的言辞に終始している、としか思えないのはおいらだけの歪んだ見方でしょうか(;´・ω・)???
水源などの水利権がらみは国交省所管で厚労省でどうこうできる問題ではないですよ?
でも、少なくとも過去、従前の「広域化」が現実どうなっているのか数字に基づいた分析すら皆無で、
「財政的に十分な能力を有していない」水道事業ってどこの事業のことよ(; ̄□ ̄)?
「技術的に十分な能力を有していない」水道事業ってどこよ?
それらが現実、当該地域にどういう問題をもたらしてんだよ?
その解決策として新たな「広域化・統合」しかないのかよ?
「水余り」現象は?
事業財政における資本費の高騰は?
企業団営の企業債に頼りきった歪んだ財政計画は問題なし?
「投資 = 国民の財産」などと屁理屈こねる前に、水道事業の広域化のどこに「国民の利益」が存在する?
現状分析がことごとく欠け、旧厚生省時代からの惰性で「広域化」に邁進(予算の獲得と事業の展開)しようと官僚が自己増殖を続け、そのツケは確実に地域住民に転嫁され、自治体財政からの持ち出しを正当化する説得力は微塵もなく…(‖ ̄□ ̄)…
総務省がなんの説得力もなく市町村合併という「(行政区域の)広域化」を勧めたように、今度は厚労省もこんな広域化に関しては現状分析のかけらもなく説得力のない資料をネットで晒して「広域化」を進めようとしている。
呆れるよ( =д=)…
話しは変わって、たしかに高度成長期は水道の需要は右肩上がりでした。
でも、オイルショック以降企業の使用水の回収・再利用が進み、需要は横ばい傾向にあります。
でも、慣行水利権もあって水道水源が十分に確保できない、という問題とそれによる供給への不安は解消されるわけではありません。
で、今度は新潟県の資料で『新潟県ウォータープラン21』で県内の水の需要量を見てみると、
水需要量(新潟県全体) 7,976.3百万m3/年(平均21.9百万m3/日)
○水道用水 390.5百万m3/年(4.9%)
○工業用水 345.7百万m3/年(4.3%)
○農業用水 6,875.9百万m3/年(86.2%)
○水産用水 142.7百万m3/年(1.8%)
○消雪用水 221.5百万m3/年(2.8%)
慣行水利権である農業用水の量はハンパでない量ですね( ´・ω・)ナニコレ…???
で、現在年間農業収入を時給換算すると200円にも満たない金額とかもあって、後継者難だ耕作放棄だと、明らかに需要量は減少しているはずなんですが、慣行水利権には絶対手をつけません。
農水省が頑として認めないのか(後継者難からくる耕作放棄地を認識できないほどボケてる?)、国交省もしくは新潟県の怠慢か(最近のJRの信濃川からの違法取水を10年間も気づけなかったほどの体たらく)…、
どうして「新潟県の怠慢云々」と言えるのか?
県の長期計画『ウォータープラン21』は県内の水の長期需給計画の第3次版、その前の第2次版『新・新潟県長期水需給計画』で県全体の水の年間需要量の内訳見ると、農業用水の量は6,863百万m3/年とほとんど変わっていません。
もちろん長期計画ですから、新潟市周辺や長岡市周辺など都市圏では多少なりとも開発が進んで土地利用形態は変わっているにもかかわらず、農業用水がほとんど変化もなく(むしろ微増)推移していることが理解できません(;´・ω・)オイラダケ???
また、日本の主要河川には正常流量という河川に流すべき流量、「河川維持用水」というものがあるそうです( ´・ω・`)河川法ノオ勉強ガチャント終ワルマデ明確ナコトガ言エナイ…
現に融通すべき「水」がありながら、そういったものから目をそらし、新たな事業を起こして予算を消化し、国民の利益がどこにあるのかすらまともに説明されていない状況は、迷走通り越して厚労省の暴走じゃないんですか(;´・ω・)???
と、水というものの裾野の広さに辟易する今日この頃。
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