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祖国の分断状況が朝鮮民族の未来を左右してはならない
私は幼少時代、父の生き様を通して、祖国の分断状況が朝鮮民族の未来を左右してはならないということを学んだ。興南労働者刑務所から九死に一生を得て脱出した父は、足を骨折した監獄で弟子になった男性を自転車の乗せ、南へ向かった。釜山に到着してからは凡内谷(ポムネッコル)の山の斜面に泥と石で塀を積み上げ、米軍が捨てた団ボール紙で屋根を組んで小屋を建てた。私は父がその小屋の前で撮った、日焼けしたモノクロの写真を、大切に保管している。戦後の韓国で私の家族の歴史が始まった場所を忘れないためにだ。
ほかの避難民と同じように父の生活は貧しかったが、父の心の中は既に壮大な夢に溢れていた。分断された祖国を統一し、人類の平和に貢献するという朝鮮民族の使命を実現すると、自分自身と神の前に誓ったのだ。故郷への思いを通して、父は、創造主である神もまた、戦争や分断や憎悪のない、人類がひとつの家族のように生きる平和な世界を望んでいるという精神的な悟りを得た。
北朝鮮で悲惨な投獄生活を直接経験した父は、人倫に反する罪悪行為を正当化する共産主義思想こそが平和理想世界の建設における最大の障害になっていると確信した。共産主義が持っている問題の核心は、神の存在を否定することにある。神の存在を否定することは、魂の存在を否定することだ。魂の実体がないとすれば、人間の尊厳性や倫理原理、そして基本的人権と自由の根拠となる絶対的真理は、立つ足場を失ってしまう。それは人間を含めすべてのものを単なる物質に貶めることにつながっている。
共産主義は、人間の精神を物質作用の物産であると説明する。共産主義が人倫に反する罪悪行為を正当化できる理由がここにある。今日の国際社会において、共産主義はもはや敬遠された社会システムである。共産主義を固守している国家の大半で改革と開放政策による相当な変化が見られるというのに、北朝鮮の住民たちは未だ閉鎖的な共産党独裁体制の非人道的な状況下で生きている。
軍事力のみで共産主義に対抗することはできないと、父は理解していた。思想の過ちが明らかにされなければならなかった。そのため私の父は、共産主義思想の問題点を世界に知らせるため国際的な勝共運動を始めた。父は最高の反共運動家として知られているが、厳密に言えばこれは正確ではない。単純に共産主義に反対するのではなく、人権と自由が創造主である神から始まったとする原則に則った道徳的ビジョンを提示することで共産主義思想を敗北させたかったのだ。
父が推進していた勝共運動に参加していた青年メンバーたちは、韓国、日本、アメリカ内の大学キャンパスで、理論闘争を繰り広げながら、左翼グループの論理に対抗していった。これによって父と私たちの家族は、ソ連、北朝鮮、中国はもちろん、韓国、日本、アメリカの左翼グループの攻撃目標となった。アメリカに住んでいても南北の分断と、根底にある思想的闘争は、直接的に私の家族に影響を及ぼした。
*コリアン・ドリームの中から抜粋
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