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北朝鮮の孤児と脱北者の実情
脱北者の多くは、食糧を得るために国境を越えて中国へ渡った人々だった。現在アメリカで生活している25歳のチョ・ジンへ氏(仮名)は米議会において北朝鮮の人権侵害に関する証言を行った。1998年、彼女の父は食糧を求めて国境を越えて中国へ渡ったが、すぐに捕らえられて投獄され、10日にわたる拷問を受けた。彼女の母もまた「犯罪者」の妻という理由でひどい殴打を受け、2ヶ月の間立つこともできなかったという。彼女は中国で逮捕され、2002年から2006年の間、4回も北朝鮮に送還された。そして刑務所の看守による度重なる暴力と空腹に耐えながら、不衛生な環境下で日々を送ることになった。
当時14歳だった彼女は、自分がなぜ、よりにもよって北朝鮮という地で、それも女として生まれたのかを自問する日々だったという。彼女によると中国へ渡った16歳以上の北朝鮮人女性の中のやく80パーセントは人身売買の団体に売られ、婚期がすぎたり障害があったりする中国人男性と強制的に結婚させられたり、売春を強いられたりするという。その話の中には、女性一人の売値が300ドルから4700ドル以上で取引されるという詳細な説明もあった。一部の人身売買団体は、中国への脱出の手助けをするふりをしながら、脱北するや否や、直ちに彼女たちを売り飛ばすという。
また、とある人身売買犯は追跡犬を使って国境を越えようとする女性を拉致するという。このようにして捕らえられた女性たちが、中国で助けてくれる場所を探すのは実に困難だ。身分を証明するものもなく、中国の警察に捕まれば再び北朝鮮に送られ、地獄行きを免れないためである。チョ・ジンへ氏の話によると、彼女が北朝鮮に送還された時、そこで一緒にいた女性の中には中国人の子を妊娠している者もおり、彼女らは最も原始的な方法による強制堕胎を受けたそうだ。
北朝鮮において子どもたちは早い段階で大人にならざるを得ない。「ミスター・パク」という通り名を使用するとある脱北者が、アメリカ・コネチカット州のジャーナリスト、シェイコ・リウに告白した内容によると、警察が、商店と学校の門を閉め、全員公開処刑場に行くように命令したことがあるそうだ。そこは、国営農場の家畜を盗んで発覚した人間を、公開処刑する場所だった。彼はクラスの友人と共に、このような光景を何度か見たことがあるといいながら「このような恐怖が、私の知るすべてだった」と語った。
北朝鮮の孤児たちの生活はさらに悲惨だ。CNNで放映されたことのある19歳のユンヒは、8歳のときに母に捨てられた。その後10年間ホームレスとなり、道端で生活しながら物乞いをしたり、人の仕事を手伝ったりしながら、日々の生計を立てていたそうだ。彼女はある日、付き合いのあった幼馴染の家を訪ねたところ、家族全員が飢えて死んでいたのを発見したという。また別の孤児であるヨセフも13歳という若さで捨てられ、ユンヒと同じような生活を送っていた。彼は「希望といってもたかが知れている。それは次に漁るゴミ箱には食べかすのひとつでもあればいいという程度のものだった。しかし、ない場合のほうが多かった」と語っている。
北朝鮮という苛酷な国から脱出することに成功したとしても、すべてが解決するわけではない。彼らにはまた違った形の苦痛が待っている。脱北者の多くは北朝鮮に残してきた家族に対する途轍もない罪悪感に見舞われる。親兄弟へひと言もなく、飢餓に苦しむ家族を見捨てて自分だけ逃れてきたことに対する後ろめたさ、自分の脱北行為によって家族に懲罰が及ぶ可能性を思うためだ。
*コリアン・ドリーム「北朝鮮の悲劇」中から抜粋 |

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