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夜の窓

夜になると いつも
原っぱの真ん中に立つ
一本の大きな木の下にやって来る少年がいた

太い木に背中をもたれて
膝をかかえてうつむいていた少年だった

曇りの夜は彼が何をしているのかよくわからなかったけれど
星の綺麗な夜は頬に涙が静かに光っていた

でも木にもたれた背中だけが安心しているような
そんな少年だった

そんな彼を眺める事が何時の頃からか
僕の毎晩の日課になっていた

重たい笑いの一日も
夜 二階の部屋に上がって彼を眺める事で
てとも安心した淋しさを拾う事が出来たものだった

とても安心した淋しさを

ところがこんなある日
原っぱの大木は大人達によって切り落とされてしまった

広い原っぱには邪魔だから・・・・・

以来 彼はぷっつりと現れなくなってしまった

それからの星の綺麗な夜は
やけに広くなった原っぱがただ悲しくて

そこに大声で泣きながら走り回る彼の後ろ姿が
見えるような気がして

僕は夜
窓を開けなくなった

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