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白いお花が舞ってたの。これはゆきっていうんだって。とっても綺麗。ステラ、初めてゆきを見たわ。ネオが連れてきてくれたの。でもシンは、その後でステラをもっと嬉しい場所につれてきてくれた。こんなところにも海があったのね。シンは海が何処にあるか知ってるのね。シンは何でも知ってる。ネオも知らないようなことを、ステラに、いっぱい教えてくれた。シンの目は真っ赤な色。ぽかぽかお日様じゃない、でも、とっても優しい色。初めてあった日にシンが作った火の色に似てる。アウルの葉っぱ色の目とも、スティングのお月様みたいな黄色の目とも違う、シンだけの色。ステラ、シンがすき。ネオとも、アウルとも、スティングとも違う。優しくって不思議な気持ち。シンを思い出すとふわふわした気持ちになるの。今もそう。シンの息がすぐ傍にある。あったかい。シンの傍でぱちぱちはねる火と同じような。
ステラ、今、とっても幸せなの。
なのに、ねえ、どうしてシンは泣いてるの?
シンが、ステラの手を離した。ステラはゆっくり沈んでく。
貝殻が浮かんで、綺麗。まって、シン。この貝殻、シンにあげる。
これ、ステラがシンにあげたんだから。シンに持っていてほしかったのに。
泣かないで、シン。
ステラ、シンにあえて、本当に嬉しかった。シンにすきっていえてよかった。
ステラ、幸せだったの。シンも、笑って?
冷たい水に少女がひとりで沈んでいく。
少女は其処が海ではなく湖だということを知らなかった。
貝殻は少女が寂しくないようにと少年が自らの代わりにと持たせたものだった。
少女は冷たい水底にたったひとり。幸せな夢を見ながら、今日も魚と泳いでる。
いつかもう一度少年に会いたいと望みながら。
それでも少年がけしてここに来てはいけないことを、少女は知っている。
自分がここにいるのがどういうことなのか、わからなくても、知っている。
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