三男が幼稚園から毎月貰ってきてた絵本の中の一冊『マザネンダバ』。
実は貰ってきた時から日記に書きたいと思いつつ、何年も温めちゃったのですが
『マザネンダバ』は南アフリカの民話。
「お話のはじまりのお話」とサブタイトルにあるように、
まだ、この世に「お話」が無かった頃、
自分たちの生活には「お話」が足りない!
と、気付いたマザネンダバが、冒険の末、この世に「お話」を持ち帰るというお話です。
この手のお話には珍しく、主人公マザネンダバは3人の子を育てる母なんです。
のののが面白いと思うのは、まさにそこ!
この世に「お話」が必要だと思うのも、
そして最初に「お話」を語って聞かせたのも母である。
そこに、まずズキュン
それから、もう一つ。
これ、凄く重要なポイントなんですが、
マザネンダバ、こんな壮大な目的を追いかけてるのに、毎日律儀に家に帰るんです。
この世に初めて「お話」をもたらそうとする英雄ですョ。
これが、勇敢な若者の話だったりしたら、何日だろうと何年だろうと
自分の生活を捨てて冒険の旅を続けますよね。
でも、マザネンダバは母ですからね。
志半ばだろうとなんだろうと、家にきっちり帰って家族の面倒を見る訳です
のののも女性ですからね、働く女性が不利になる発言はしたくないし、
ましてや、そ〜ゆ〜人達を責める気はサラサラない訳ですが、
やっぱり、母ちゃんである以上、
母ちゃんである事だけは手を抜いちゃいかんな…って思うんです。
の写真、小3三男が友達と遊んでる最中に我が家に駆け込んで
「いいもんあったから、持ってきてあげた
」
と、差し入れてくれた百日紅の花です。今、散った花が道に絨毯みたいにあってね、
とっても綺麗で、思わず母に見せたくなったんでしょうね。
両手にいっぱい持ってきて、母の手にぶちまけると、また外に飛んでいきました
志は大切です。
それは、女だから…とか、母だから…とか、
そんな理由で阻害されてはいけない事だと思います。
でもね、ひとつの命を授かって、その命を育むってことが、
どんなに特別で崇高なお役目か、そのことを忘れちゃいけないと思うんです。
その事だけは、忘れちゃいけないと思うんです。
その大切な大切なお役目を片手間でこなして何かを成そうとしても、
それは絶対に世界が(運命が?)味方してくれない。
子どもは、どんなに夢中になって遊んでいたって、
ふっと親の元に駆けていきたい衝動が起こることがあるんです。
たとえば、道端に積もった散った百日紅が綺麗…だとかね
その度に、側にいてあげなきゃって事ではなくって、
その衝動を、いつでも受け止める体勢であれるように、心も体も整えておくことが
とっても大切な仕事の一つであるという事を、心に留めておくこと。
それを理解している母だからこそ、マザネンダバは「お話」を持ち帰れたんだろうな
って思うんです。
家庭を顧みず、子どもをほったらかして冒険の旅に出ていたら、
きっと、何十年放浪の旅を続けても、「お話」は手に入らなかっただろうな…って。
「お話」が、凄く大事なモノだと知ってても、それを探す途中でも、
いちいち家に帰って子ども達にご飯を作って、皆で食べて1日を終える。
そんな、一見時間のロスで、回り道に見えるような事こそが
彼女が「世界で最初のお話」を持ち帰る英雄たり得た
必要にして絶対の条件だったんじゃなかろうか。…そんな風に思う訳です。
【マザネンダバ】
福音館書店 こどものとも
通巻671号 2012年2月1日発行
南アフリカ・お話のはじまりのお話
ティナ・ムショーペ ぶん
三浦恭子 やく
マプラ刺繍プロジェクト 刺繍
思わず触れて確かめたくなるような刺繍絵も素晴らしい本であることを書き添えておきます