|
マネージャーは、劇場の入口近くに車を置いて待っていてくれた。
わざわざ助手席のドアを開けて、私が車に乗るのをサポートしてくれる。 「多田さん、ごめんなさい。姐さん達と話しちゃって」 「大丈夫大丈夫。今日はどうだった?」 「ようやく、亜仁花姐さんと同じ演出をすることができたの。お客さんの反応が全然違って、楽しかったよ」 「そう、それなら良かった」 マネージャーは「ちょっと溶けちゃったけど」と言って、スタバの紙袋を私に渡した。 飲んでみたいと思っていた、新作のドリンクだ。 「多田さん、私ね」 ドリンクを飲みながら私は言う。 「なに?」 「ストリップ、もっとやってみたいと思って。他の姐さん達がのっているような、ポラ館とかも行ってみたい」 マネージャーは、意外そうな顔をしてこちらを見る。 「だめ?」 「だめじゃないよ。実はすでにオファーも来てたんだけど、公演中は言わない方がいいかと思ってた」 「えー、言って下さいよ。姐さん達にも話できるから」 「分かった。明日、スケジュール調整するよ」 「お願いしまーす」 「・・・でも、初めてだね。轟さんが、自分で仕事をやりたいって言うなんて」 「そうでしたか?」 そう言いながらも、確かにマネージャーに任せきりで、嫌なものだけ断っていたと気づいた。 「やりたい仕事があるのは、いい事だよ。俺も頑張って轟さんをフォローするから」 「・・・ありがとうございます」 なんだか照れくさくなってきた。顔も赤くなっているかもしれない。 それを誤魔化すために、私は再びドリンクに口をつける。 「これ、おいしいですね」 「そう、良かった。女の子は好きだよね。オレは甘すぎてダメだけど」 「うん、姐さん達も好きな人多いですよ」 そうだ。明日、姐さん達にも買っていこう。お客さんからプリペイドカードをプレゼントしてもらっていたんだ。 お客さんも、姐さん達と飲むのに使うのなら、きっと喜んでくれるだろう。 うん、そうしよう― |

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用







