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森川天
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書庫陶 片の話

好きな、古唐津や初期伊万里の陶片を紹介します
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資料陶片.百間窯



参考資料として所有する陶片も、何らかの機会が無いと
収納庫から取出す事も無いもので、今回は最近の話題
から・・・

武雄系陶器窯に属し、磁器窯へと移行していった百間窯の
染付陶片が話題になった。

陶片に描かれた鷺文の事や、初期青磁とありながら陶器質
露胎のこと。
また、名品の類に入ると思えるほどの染付磁器に観られる
素地の断面が土色で陶質寄りのあがりに見える状態や呉須
染付の発色の状態についてなど・・・


文禄、慶長役後の17世紀初頭に陶器焼成の窯場として
開かれた百間窯は、江戸時代初期の1610年頃には既に
磁器焼成も開始されていたとある。


素地の状態や呉須染付のあがりをイメージするため
登り窯の焚き口付近から順に火勢が増す方向へ窯詰めされ
ていたであろうと思われる順に陶片を置いてみた。


まずは開窯当時から焼成されていた土灰釉陶器の碗・皿類
画像には無いが鉄釉を全体に施した黒唐津碗もたくさん
生産されていた。

磁器に比べると、陶器は火勢いが弱くても焼けるので下側の
焼成室や火廻りの良くない壁際付近、若しくは窯尻付近の
低火度部分であったろうと思う。
イメージ 1
砂目重ね積での焼成痕が観られる陶器小皿
イメージ 2



焼成温度が上がらず、甘手のあがりとなった染付磁器、
素地も一見ザラついた土のような感じにあがっているが、
陶器質では無い。
イメージ 3
甘手のあがりであっても破片の断面は磁器として認識出来る。
イメージ 4
火力の上がらなかった部分に詰められていた甘手磁器では
あるが断面の拡大写真を観ても、しっかり磁器である事が
判る。
イメージ 5




次は火勢いが増し、狙う焼成温度まで達したあがりと
思われる状態の良い染付磁器

磁器の高台畳付を観て、気が付かれた方もいるかと思う。
百間窯の磁器高台には、他窯で観られるような粗い砂高台
が観られない。

それは、百間窯はこの頃、既にボシ(匣鉢)が使用されて
いた事によります。
イメージ 6
雑器類の碗・皿。
名品を多く産出したように思われがちだが、百間窯の製品は
大半がこのような雑器碗類である。
イメージ 7



こちらは森川天が観賞用として身近に置いている染付の
大皿陶片で長径20cmほどの山水文
イメージ 12
磁器でありながら、釉掛けの際に付いた指跡が残っている
イメージ 11



次が登り窯の中ほどに位置する焼成室にて焼かれた製品と
思われるもの。
火が良く当たっており、呉須の発色状態も良く百間窯の名品
として伝世したり、また図録などにも紹介されている名品など
が窯詰めされていた付近ではなかろうかと思っている。
イメージ 8

呉須の発色が素晴らしい菊文は香炉陶片
イメージ 9



良く火が当たっている百間窯磁器製品の断面画像です
有田内山の高品質素材を用いて焼成されていた磁器の
素地断面とは観え方に違いがあります。
イメージ 10



名品の類の陶片はありませんでしたが・・・
百間窯の素地と呉須染付の発色について触れてみました。





資料陶片.佐々市ノ瀬窯


森川天の写真ファイルから陶片の画像見ていたら
笹文杯が有ったのでアップしてみた

Dr.Kさんのブログで笹文紅皿が話題になったり・・
padaさんのブログでは、釉裏青の話題があり・・
呉須染付を行うには釉薬の下に染付を施さなければ
黒い染付となり、鮮やかな青に発色しない話があった。

全く、その通りなんですね。


で、見つけた陶片画像
佐世保市、佐々市ノ瀬窯の笹文杯ですが、火勢いが弱く
釉薬が溶けきらなかった為、呉須の発色が黒くなって
しまった

イメージ 1
疵はありませんが、資料陶片です。



イメージ 2


佐々市ノ瀬窯は、瀬戸の民吉が修行を行った窯場として
知られており、現在は皿山公園として整備され、市民の
憩いの場とされています。




話題を集めた陶片の話でしたね

イメージ 1


 鷺文の陶片について説明してあるが・・・
 この文章を書く際の内容に誤りがあったのか、
 画像アップの際に写真の貼り付け位置の間違いだったのか、
 記事のミスに気が付いたのは森川天も、かなり後になって
 からでした。



渦中の「うつわや」伊藤明美さんのブログを紹介します
        ↓


ブログ中の陶片は伊藤さんが天平堂さんにて2017年5月に
拝見させて頂いた陶片との事でした。


・・・・・・・・・・・すっかり騙されたと思い込んだ
貴方の眼が、正しかったかも・・・


この陶片をネットから見出し、保存ファイルからの画像
アップ

「これって、どう観るぅ」

この問題を考えたpadaさん・・・・・また見つけてね。

      
       「天高し 眼 肥ゆる秋」









遊楽.創刊号


陶片の話が続くね

前回の「季刊.蕾・創刊号」の発刊から14年後になる
昭和の終わりの年「遊楽」1989 NO.1創刊号が発刊
された。
こちらの創刊号も、やはり陶片からスタートしたんだ。

年代と当時のブームからして、所蔵される方も多い本と
思っているが、生憎と所蔵されない方には興味ある記事
になればと思い、特集部分をアップしてみる

イメージ 1

表紙には粘土が、どんっ


巻頭「特集・陶片」それぞれの陶片

■八王子城跡より出土した青花(小松敏盛氏・蔵)
イメージ 2
         第一級の染付磁器片


■越州窯・青磁壺陶片(根津美術館)
イメージ 3



■「寸描三片」村山 武(日本陶磁協会理事)
イメージ 4



■古唐津陶片・三種 西岡 小十
イメージ 5
       現代に於いては、到底入手出来そうも無い名陶片



■見果てぬ夢の打ち上げ花火 青柳恵介氏(ご活躍中)
イメージ 6


■ひとひらの形
 何度もお披露目頂いた陶片であり、有名陶片
 中島 誠之助氏(ご活躍中)
イメージ 7



■陶片と窯構造で迫る
 「唐津岸岳古窯の謎とロマン」
イメージ 9


■岸岳から室町の陶片は出なかった
 慶長中期開窯を主張する佐藤進三説
イメージ 8



近年、これを覆すほどの新発見は無いように思う。





蕾.創刊号


最近は古窯の陶片の話や窯跡の話ばかりが多いなって
思ってね
先日は秋の野菜作りを始めたよって、話を挟んでみた
んだ

だけどやっぱり、こんな話に落ちていくねぇ



肥前の古陶磁に興味を持ち始めた頃に見つけた古本
がある。
たぶん昭和60年前後だったように思う。

通常は創刊号と云えば、取り上げる記事も特別な思い
が有って、渾身のチカラを注ぎ込んだ特集を組んだり
しているものと思っていたもので・・・
さぞや名品のオンパレードなんだろうなぁって。


でね、手にとった本の表紙は・・・これだったんだ。

えっ・・・ カケラぁ〜
( ※ 森川天は、まだこの頃は焼きもののカケラとは
 生活の場にて、うっかり落として破損した残骸と認識
 している程度だった)    

季刊創刊号 創樹社美術出版 1975年  NO1
イメージ 1


巻頭は白州正子女史の愛玩する品を手に持ち
「正子さんの眼」と題して日常使いの骨董の紹介

次ページ、表紙のサブタイトルとして
「歴史のかたみ」
「陶片/勾玉/管玉/琴柱」とあり、古唐津陶片も。


著名人と名品の紹介が幾つか有り「泰 秀雄」氏の寄稿文
「わがやきもの遍歴」
旅先で見た古唐津が素晴らしき品で、引き込まれていった
様子が描かれている。


でもって、のめり込んで読んだ記事がこれだった。

「古窯の陶片」 村山 武
イメージ 2
瀬戸や美濃の古窯跡を取材した時のことや・・・

イメージ 5
まさかと思える織部キセルの発見のことや・・・

イメージ 3
古唐津窯跡へは運送屋のオート三輪をチャーターして・・・

イメージ 4
盗掘屋を一晩掛けて直接取材。
帰り際、黙って渡してくれた古九谷陶片のこと・・・



創刊号に特集として組んだ「古窯の陶片」を紹介する
記事。
読むうちに、自分でもその地を訪ねてみたい気持ちが
一気に高まったものだ。
でも何処をどう行って訪ねればいいかさえ皆目検討も
つかないけど、それでも行ってみたいなぁ。
30年以上経った今でもその時のことを鮮明に覚えて
いる。


古本とは云え森川天にとっては大切な資料であり宝物
扱いだった

直ぐに透明の表紙カバーを掛けたものだ。


その扱いは、今もって変わらない。







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