全体表示

[ リスト ]

イメージ 1

イメージ 1

「いつか記憶からこぼれおちるとしても」 江国香織著

久々の江国香織。
江国香織は私の好きな作家のひとりです。

詩人としての才能を感じさせるような、ことば使いがとてもうまい。
(私は何でも漢字を大切にして使う癖があるので余計にそう思うのですが)
ひらがなと漢字のバランス、体言止めや短い口語調を織り交ぜる緩急。

彼女の初期の作品はほとんど読み漁り、
有名になってしまってエッセイとか多く書くようになって、少し遠ざかっていた。
それでも「冷静と情熱のあいだ」に惹かれて、
(小説ではミラノですがフィレンツェの)ドゥオモに昨年新婚旅行で登りました。

今回は比較的新しい作品だと思うのですが、
最近妻が読み終わって枕元にあったのを、
つい手にとって読み始めてしまいました。

いわゆる恵まれた家庭環境の子が多い、
私立の女子高の同じクラスに在籍する女の子たちの、
「いつか記憶からこぼれおちる」であろう日々を描いている。

この設定がうまい。
しかも前に出てきた友人が、後で「私」として登場するのは、
最近多い気がする短篇連作小説に似ているが、
意外性に富んでいて飽きないのです。

えっ?あのおとなしそうな子がこんなこと考えてたの?
とか、あんなに仲良さそうなのに、何も知らないんだ・・・とか。

それぞれの子から見る学校とそれぞれの家庭。
大人の視点とこどもの感情が振り子のように訪れる。
社会に対する疑問、自分に対する不安。
それが、日常。
毎朝、陽が昇るぐらい当たり前の毎日なのです。

最後に・・・。

普通におじさんとつきあっては別れる子。
お金をもらう子。もらわない子。
一見そんなふうには見えないのに。

愛情や金銭的に満ち足りていればいいというものではないのか。
自分の子育てに対して、ものすごい不安を感じずにはいられない。

読みやすくて、考えさせられる。
ふわりとして、どきっとして。
江国ワールドの術中に相変わらず見事にはまりました。

閉じる コメント(5)

初期のものしか読んでませんが、江国さんの文体、私も好きです。最近子育ての忙しさに感けて読書してません。

2006/3/29(水) 午前 10:08 [ あげだま ]

私もかなり江國作品は読んでます。殆どの作品に登場する主人公は、まったく共感できない私とはタイプの女性なのに、不思議と読みたくなるんですよね。やはり彼女の独特な「淡々&ふわりとした世界」に惹かれているんでしょうか?☆この作品はまだ読んでいないですが、興味を惹かれたので、近いうちに読んでみようと思います。

2006/3/29(水) 午前 11:29 [ mar*a*flame*co ]

あげだまさん>私も初期のものしか読んでいなかったのですが、久しぶりにあっという間に読んじゃいました。子育ての方には考えさせられると思いますよ。

2006/3/29(水) 午後 9:22 [ 森比古 ]

mariaさん>たしかに共感するタイプの作品ではないですよね。どーでもいいですが、何故「国」の旧字体が出せたのか・・・羨ましい。

2006/3/29(水) 午後 9:25 [ 森比古 ]

今まで特別なこととは思っていなかったんですが、morihikoさんのでは「國」は出ないですか?私はこれまでに何度も作家名を入力しているせいもありますが、「えくに」と打つと普通に「江國」と出てきます。ちなみに「ATOK14」です。

2006/3/29(水) 午後 11:13 [ mar*a*flame*co ]


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事